【詩】ブラックコーヒー
僕の脳に貼り付く黒。
それが拭えなくて、天井を見上げる。
戻らない時間と忘れるべき過去。
そんな事ばかりが古い映画のように色褪せて流れる。
その度に膨らむ黒が僕の睡眠を奪い去る。
もう取り返せないのか。
徐にカーテンを開ける。
そこには、黒の世界が広がっていて、少し安堵する。
恐怖でしかなかった子供時代の黒は、大人になって少しの期待を帯びた。
そして、黒という色が好きになっていく。
そうやって大人になったのだ。
僕の脳に貼り付く黒。
皆、黒と共に生きているのだ。
上の空で持ち上げたカップの向こう側に
そんな世界が見えたのだった。
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