見出し画像

【詩】ブラックコーヒー




僕の脳に貼り付く黒。




それが拭えなくて、天井を見上げる。




戻らない時間と忘れるべき過去。




そんな事ばかりが古い映画のように色褪せて流れる。




その度に膨らむ黒が僕の睡眠を奪い去る。




もう取り返せないのか。




徐にカーテンを開ける。




そこには、黒の世界が広がっていて、少し安堵する。




恐怖でしかなかった子供時代の黒は、大人になって少しの期待を帯びた。




そして、黒という色が好きになっていく。




そうやって大人になったのだ。




僕の脳に貼り付く黒。




皆、黒と共に生きているのだ。




上の空で持ち上げたカップの向こう側に




そんな世界が見えたのだった。










この記事が参加している募集

#最近の学び

182,021件

#私のコーヒー時間

27,284件

サポートしてくれたらとても嬉しいです。