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toC PM Night #2に参加しました ~しくじりPM~

こんにちはRettyの二見です。6/20にeurekaさんで開催されたtoC PM Night #2 に参加したので、イベントレポを考察を兼ねて書きたいと思います!

toC PM Nightは急成長中のtoCプロダクトのPM(プロダクトマネージャー)がパネラーとなり、様々な知見を共有していくイベントです。

パネラーは
・LIPS(AppBrew)松井さん @yrmts
・kurashiru(dely)奥原さん @okutaku0507
・LUCRA(Gunosy)渡辺さん @k6nta
という豪華な布陣でした!

またモデレーターは
・Pairs(Eureka)金田さん @kanadadada 
・Retty(Retty)野口 @roki_n
のお二人でした!

1 プロダクトグロースのしくじり話(LIPS,クラシル)

まず最初に議論されたのは目先のKPI改善だけに注力してしまったというしくじり話でした。

(松井さん)「LIPSは当初コミュニティの熱量を重視し、コメント数・率をKPIとして置いていた。しかし、UIをコメント率上昇に合わせていった結果全くうまくいかなった」

(奥原さん)「クラシルはリソースが少ない時期に細かなところの改善にこだわってしまった。KGIが上がらず迷走しかけたことがある」

LIPSもクラシルも目先の数値にこだわり、小さい改善ばかりを続けた結果あまりうまくいかなかったというエピソードが印象的でした。またグロースハックは結果が出るとやめられなくなる麻薬のようなものなので、PMが随時全体を見直しながらグロースさせていく必要があります。

またLIPSではOKRを置いていて、KPIも抽象的にしているようです。大きめな施策が出るような仕組みにすることも大切です。

(松井さん)「AppBrewではLIPSの前にいくつかのサービスをクローズしている。仮説検証の甘いままクローズしてしまったものもあった」

(奥原さん)「要件定義をアジャイルで行なっている。トップダウンな要件定義から作った機能はDAUの数%にしか使われていないものもあった」

次に議論されたのは、使われないサービスや機能についてでした。LIPSを提供するAppBrewでは、1年で5,6個サービスをクローズしたこともあったそうです。

サービスを出して検証ではなく、考える方に時間を使ってしまうというしくじりです。

クラシルでは機能の要件定義をアジャイルで行なっているようで、トップダウンで決めた機能は失敗に終わることがあったようです。リーンなプロダクト開発に関しては上記スライドに詳細が書いてあります。

機能1つをとっても、どれだけ仮説検証を繰り返しながらグロースできるかが重要なポイントです。

(松井さん)「LIPSでは海外のコスメ系サービスのUIを参考にしていた時期があった。仮説を立てずに参考にしていたので、結果が出ないことがあった」

(奥原さん)「競合の機能をそのまま転換しても成功しない。本質的な価値を提供しないと点だけを真似てもダメなことがある。」

LIPSでは小红书(RED)を参考にしていたことがあり、表面上だけを転換したことがあったとのこと。ただし、そこに明確な仮説がなかったためにREDがUI変更した際に意思決定がし辛かったそうです。

各社とも表面上だけでなく、明確な価値がどこにあるかを意識する大切さを実感していました。

2 開発組織作りのしくじり話(クラシル,Gunosy)

(奥原さん)「OKRを当初採用していたが、評価に直結しがちだったので途中でやめた」

(渡辺さん)「どこまでを評価に組み込むかが非常に難しかった。約束していなかった点まで評価に組み込まれてしまうことがあった」

クラシルを運営するdelyでは当初OKRを個人目標として採用していましたが、MBOっぽくなってしまうので途中から名称を変えて運用しているとのことです。

また、コミュニケーションを十分にとっていないことで当初の目標設計のすり合わせと齟齬が起きてしまうしくじりも共有されました。

チームメンバーとPM間でのすり合わせをしっかり行なっておくことが重要です。

(奥原さん)「Twitterからの採用はある一定の効果があるが、プロダクト思考の人はごく稀」

(渡辺さん)「採用をいいプロダクトを作る手段として位置付けたことが良かった。データ分析ブログはかなり効いている」

クラシルとしての知名度や代表の堀江さんの知名度はかなり高いが、採用になるとdelyとしての知名度やプロダクトに対してどこまで向き合えるかが重要になってきます。delyではTwitterからの採用で一定の効果を実感していますが、dely自体を知らない人がいたりと課題も残っているようです。

またGunosyでは採用をいいプロダクトを作る手段の一つと位置づけており、スクラム採用のマインドをチーム内で築けています。

データ分析ブログはデータエンジニアにかなりリーチしており、デメリットはないとのこと。

(奥原さん)「PMを育成するのは大変で、つい自分でやってしまいがち。プロダクトを考えられ続けられる人にどんどん任せていく」

(渡辺さん)「プロダクトに対して向き合える人。多部署やメンターとのコミュニケーションを積極的に取る。」

最後のトピックはPMの育成についてです。

プロダクトにどれだけ向き合えるかを重要視しているとのことです。他部門との連携など泥臭いことも多いので、本気でプロダクトが好きな人に譲渡してきたいとのことです。

感想・考察

今回のイベントに参加して感じたことは、プロダクトの本質を考え続けることの重要性です。

プロダクトグロースのしくじりや組織作りのしくじりにも共通することとしてプロダクトの価値本質や本当に仮説検証しきっているかどうかは急成長への大きな鍵となるのではないかと感じました。

またPMを育成していくという側面でも、プロダクトをどれだけ好きいられるかが重要だと奥原さんがおっしゃっていたのが記憶に残っています。グロースも採用もプロダクトを適切なユーザーに届けることの手段の一つなのでないかと思いました。

toC PM Nightのハッシュタグは#pmnightから追うことができます。記事に掲載しきれなかった内容もあるのでぜひチェックしてみてください!


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