「あなたのため」にご用心
2023年4月25日(火)朝の6:00になりました。
あなたのために毎朝書いています。嘘です。
どうも、高倉大希です。
「あなたのため」と言ってくる人には注意が必要です。
「あなたのため」の判断基準は、その人の経験でしかありません。
大抵の「あなたのため」は、ただの都合のよい言い回しです。
うまくいったら「ほら、言ったとおりでしょ」
うまくいかなかったら「ほら、言ってあげたのに」
結果がどうなろうと、「あなたのため」と言った人がマウントをとることができる仕組みになっています。
その上に「優しい人」のお面を被ることまでできる非常に便利な言葉なのです。
また、「あなたのため」を第一にがんばってしまうと、どうしても相手にリアクションを求めるようになります。
「あなたのためにこんなにがんばったのに、どうして応えてくれないの!?」という状況に陥りやすいということです。
相手からすれば、そんなこと知ったこっちゃありません。
いわゆる「頼んだおぼえはない」というやつです。
うまくいかないのなら、うまくいかない原因がなにかしらあるはずです。
それにも関わらず、簡単に相手のせいにしようとします。
自分は十分がんばったから、あとはあなたの問題だ。
これが「あなたのため」の正体です。
教育関係の一般企業に転職して、教員時代には経験できなかったさまざまなプロジェクトに携わってきました。
ときには、生徒と一緒に地域のイベントに出店したり。
ときには、クラウドファンディングで160万円近くの支援金を集めたり。
そんな貴重な経験をとおして、ひとつ気づいたことがありました。
それは「プロジェクトを実現させた結果として生徒が変容する」ということです。
もちろん「生徒の変容のため」にプロジェクトを実施しています。
生徒がいなければ、当然プロジェクトも存在しません。
しかし、そんな「生徒のため」が全面に押し出されると、おもしろいくらいにうまくいかないのです。
おそらく、大人たちが「大人として生徒を見る」ようになってしまうからだと思います。
「ここは簡単なところだから生徒にやらせてあげよう」とか「ここは成長のためにも生徒に任せよう」とか。
このような思考もたしかに大切ではあるのですが、前半に書いた「あなたのため」と同様に、無意識に生徒に責任を押し付けるようになってしまうのです。
大人も本気、生徒も本気。
そんな状況でプロジェクトを実現させるからこそ、結果として、生徒が変容するわけです。
ポイントは「結果として」です。
ここまで来れば、あとはそんな機会を「学校や地域を巻き込みながらどこまで戦略的に仕掛けられるか」の勝負です。
誰かのためになりたい。
とても立派な心持ちだと思います。
その気持ちを否定するつもりはまったくありません。
ただ、決して見誤ってはなりません。
「あなたのため」には、くれぐれもご用心ください。
サポートしたあなたには幸せが訪れます。