りつりん(ヒト)

新人賞受賞希望者。いろんな賞の選考をちょっとだけ通過するマン。

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最近の記事

『服が爆散する病』第三話

 美里との図書室での秘密の逢瀬(?)の翌日。  蓮はとあるショッピングモールへと来ていた。  理由は至極シンプルで、転校生ともっと仲良くなりたい、だから三人で買い物に行こうと麗奈に誘われたからだった。  昨日、図書室で下半身の制服が爆散したばかりの彼。  本来であれば、土日をかけて今後どうするかを思案する予定だった。  しかしだからと言って、麗奈の誘いを断れば、美里をまた不安にさせてしまうかもしれない。  そう考えた彼は、二日連続の徹夜によって、なんとか一つの解決策を導き出

    • 『服が爆散する病』第二話

      「おっはよー! ってその隈どしたの?」  朝。  いつもの学校までの道を歩く蓮を見かけた麗奈は声をかける。  しかし、その幼馴染である蓮の顔、目の下にはこれまで見たことのないような濃い隈が張り付いていた。 「おはよう、麗奈。昨日はちょっと深く考え事をしてしまってな」  蓮はやややつれた頬を擦りながら、言葉を返す。 「蓮がそんなになるなんて、一体何があったの?」 「いや、大したことじゃないんだ。ただ、これからの生き方をどうすべきかを考えていたというか、なんというか」 「

      • 『服が爆散する病』第一話

        あらすじ 男子高校生である網代蓮は『エッチな方向に興奮を覚えると服が爆散してしまうという病』にかかっていた。そのため、彼はエッチによる興奮を覚えないために、スポーツや芸術など、様々なことに取り組み、その精神性を高めていった。しかし、そんな折、彼のクラスに転校生・七瀬美里が現れる。その美里は彼が小学生二年生の時に病になってしまったきっかけを作ったエロス満載な教育実習生の妹であった。蓮は美里に、実習生のエロスを重ねてしまう。その日から、服の爆散という恐怖に怯えながらも、転校生との

        • 『化身少女』第三話

          ① 瑠々「昂輝、起きて? 昂輝?」 昂輝「んん……。もう少し寝かせて」 瑠々「もう、休みの日だからって、自堕落すぎるぞ」 瑠々は昂輝の布団に入り込む。 そのまま昂輝の胸元に顔を埋め、視線をやや上に向ける。 瑠々「ほら、起きて」 昂輝「瑠々……」 自然と昂輝は瑠々を抱きしめ……。 昂輝「いや、待て、なぜ布団に入り込んだ?」 瑠々「ちっ。素直に抱いておけばいいのに」「男同士にしろ既成事実は既成事実だからね」 昂輝「怖い!」「瑠々、そんなアグレッシブじゃなかったじゃん!」

        『服が爆散する病』第三話

          「化身少女」第2話

          ① 昂輝モノローグ 夢を見た。 見知らぬ少女が俺の隣を歩いている。 声は、聞こえない。 でも、彼女が楽しそうに笑っているのがわかる。 嬉しい。 そんな感情が沸き上がる。 彼女に手を伸ばす。 瞬間、彼女の声が悲鳴に変わる。 その声を聞いたのは…………ーーーーーーーーーーーーーーーーーー。 ② アリア「……い」「……ーい」「おーい!」 昂輝「あびゃい!?」 耳元に響く大声に反応して飛び起きた昂輝。 目の前にはアリア。 アリアを視認した瞬間、昂輝はそのあまりの美しさに涙を流す

          「化身少女」第2話

          「化身少女」第1話

          『あらすじ』  男子高校生である神薙昂輝はある日、地球の化身を名乗るアリアという少女に出会う。彼女は、昂輝が「惑星間順位決定戦」という、太陽系内のハビタブルゾーンを巡る惑星の化身同士の争いに巻き込まれていることを告げる。戸惑う昂輝ではあったが、目の前で繰り広げられる始めたアリアと木星の化身・ゼータによる、人智を遥かに超えた戦いを見て、自身の置かれている危機的状況を理解する。ゼータとの戦いに勝利したアリアは、昂輝を守り、決定戦を勝ち抜くために昂輝と共に暮らすことを宣言する。ここ

          「化身少女」第1話

          『瑠々と璃々』第三話

           新しい瘴霊(特定瘴霊とガーネット本部は判断。  内閣府の判断は得られず)が発現したのは、先日、瑠々が首を飛ばされた地点より南に十キロ離れた場所であった。      ガーネット本部は今回の件への対処を二人の祓師によって行うこととした。  従来、特定瘴霊の発現は多くても一人の祓師の担当範囲内で月に二回程度。  さらにその凶暴性なども祓師一人で対処できるものであった。  しかし、頻度・凶暴性が明らかに増してきている中において、ガーネット本部は祓師一人での対応を危険と判断するにいた

          『瑠々と璃々』第三話

          『瑠々と璃々』第二話

           チョウチンアンコウとの激闘。  その翌朝。  瑠々はスマホのアラームを寝ぼけながらも必死に止めた。 「眠い……」  瑠々は開ききらない眼のまま、一度伸びをしてベッドから降りた。  リビングに降り、誰もいない部屋の中で朝食と身支度を整える。 「行ってきます、お母さん」  そして、母親のいる部屋に声をかけ、いつも通りの時間に家を出た。  瑠々はどんなに前日きつい戦いをこなしたとしても、決して遅刻・欠席をしない。  瘴霊に関連する様々な事件を取り扱う政府直属機関・ガーネ

          『瑠々と璃々』第二話

          『瑠々と璃々』第一話

          あらすじ  明治期、日本全国に災厄をもたらしたとされる瘴癘。その一部であり九州の地に封印されていた【右腕】が令和の現代において、完全顕現してしまう。そして、日本各地では【右腕】完全顕現の影響によって、瘴霊が頻出する特異点が生成され、人的被害が続発していた。【右腕】完全顕現から一年後の東京で、女子高生である神薙瑠々は瘴霊に関連する様々な事件への対処を行う政府直属機関に所属し、とある瘴霊殲滅の際に行方不明となった双子の姉・璃々を探していた。そんな彼女の前に、姉の姿形をした【右腕

          『瑠々と璃々』第一話

          2023年の振り返りな記事

          まだ結果出てない賞もありますが、今年を振り返ります。 あほみたいに数は出したので、個々の振り返りは少ないです。 〇2月 集英社IP、GA、OVL 集英社IP二次落ち、GA二次落ち、OVL一次落ちでした。 集英社に関しては、495作品中35作品まで残れたので嬉しかったですし、GAも新作を送り込み、GA初通過かつ二次落ちながらも点数も25点満点中24点とそれなりに手ごたえを感じました。 OVLは前回最終に残りながら一次落ちしたのでシンプルに部屋でうめき声が出ました。 今思い出し

          2023年の振り返りな記事

          僕の私のエロ漫画歴(僕だけVer.)

          内容はタイトルの通りです。 創作の話は微塵でも出てきません。 ここから先、自己責任と言う言葉を心の中央にぶっ刺して読んでいただければ幸いです。 違和感を覚えても決して抜かないでください。 僕に責めがきます。 やめて。 ①エロ漫画という性癖への目覚め 僕がエロ漫画というその後の人生を左右するモノに出会ったのは中学一年生の時でした。 その当時、何となく『エロ』という存在に興味を持ちつつも、しかし一方でネットがまだ気軽に見られる時代でもなかった2000年代初頭。 僕はただひたすら

          僕の私のエロ漫画歴(僕だけVer.)

          絶望の単価は低い

          僕が公募勢に復帰したのは2021年7月。 きっかけはシンプルで、「小さい頃から見てたエヴァ終わっちゃったよ。じゃあ自分で書くしかないか」という感じ。 足りないモノは自分で供給するしかない。 そんなテンションだった。 8年半筆を折ってた割にすんなり復帰しやがったなこの野郎、と心の中で自分に悪態をついたのは良い思い出。 少しワクワクしていた、としておくのも割と悪くない思い出補正。 7月中旬から書き始めて、初稿ができあがったのが10月上旬。 年甲斐もなく「これは受賞確実や」と

          絶望の単価は低い