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骨粗鬆症・骨の成長が気になる人へ

小さな頃から骨折を何度か経験していたりして、骨量に不安があったり、
骨粗鬆症にならないか不安があったりする方も多いと思います。
 
また、成長期のお子さんがいる親御さんは、「身長をもっと伸ばしたい」などと、体の成長については色々と気になりますよね。
 
 
骨量を増やしたい場合に、「牛乳をたくさん飲めば良い」と思っていたり、人から言われたり、聞いたりしたことはありませんか?

私の世代では、「背を伸ばす為に牛乳を毎日2L飲んだ」と言う話を聞いたり、成長期には「牛乳を飲め~」勧められたりもしました。

ですが、この方法、
現在では太鼓判でおススメできる訳でもないのです。
 

という事で、今日は骨を合成する栄養についてのお話です。


 
 
牛乳はご存じの通りカルシウムが豊富なので、飲むだけで手軽に栄養を摂取できますが、日本人の多くには乳糖耐性がなくて、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして痛くなったり、下痢になったりする事があります。


また、牛乳にはリンという栄養素が多く含まれていて、全体的にみると栄養素のバランスが少し悪いとも言われています。
リンは過剰摂取になると血管石灰化で血管が狭くなったり、心筋梗塞などの原因にもなります。
 
 
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、「骨を強くするために」「大きくなりたい」などと考えて、ガバガバと飲みすぎるのは良くないと考えます。
 
大事なポイントとして、基本的に、骨はカルシウムだけでは効率よく合成されません。
他の栄養素と組み合わさる事で合成されるのです。
 
カルシウムとマグネシウムの摂取量のバランスでいえば、

理想はカルシウムが2に対してマグネシウムが1のバランスとなります。
 

では、牛乳のカルシウム・マグネシウムのバランスは?と言うと・・・、

カルシウム10:マグネシウム1 です。
カルシウムの比率がダントツで高いですよね。
 
これらを踏まえて、カルシウム・マグネシウム・リンはバランス良く摂る事が大切だと言えます。
 
他の栄養素もバランス良く摂ったうえで、牛乳も摂るならば、大いに骨の成長を助けてくれます。
 
でも、「牛乳さえ飲めばよい」・・・などと牛乳を第一優先に考えるには、実は少し心配な点があるのです。
 
その理由は、以下になります。
 
 
牛乳に含まれているリンとタンパク質は、血液のpH値を酸性に傾けるので、体の恒常性機能を維持する為に、体の機能としてアルカリ性のカルシウムを骨から引き出して中和する働きをしてしまいます。
 
疫学調査で乳製品を殆ど摂らない国では、骨粗鬆症が少ないというデータや、酪農がさかんなヨーロッパ諸国など乳製品を多く摂る人に骨折率が高いという報告が出ていたりする為、牛乳を飲むと逆に骨がもろくなる可能性を言われる事があるのは、この為です。

1985年のデータですが、以下に載せます。
https://assets.st-note.com/img/1645925651604-U9lmo61PoSjpg?width=2000&height=2000&fit=bounds&quality=85
 
 
 
2022年に発表された最新のデータによれば、ヨーロッパ全体での骨粗しょう症患者数は1,590万人(男性410万人・女性1,180万人)となっており、人口の高齢化を反映して依然として増加傾向にあるそうです。
乳製品を摂れば骨が丈夫になるとされていますが、その実態は曖昧なようです。
 
しかしながら、牛乳はカルシウム量が多く、手軽に摂れるので、お腹がゴロゴロする等の不調がでないのであれば、1日1~2杯くらいであれば、牛乳の恩恵が受けられる栄養と思って飲んで問題ないと思います。
 

そして、もう一つ
骨を作る上で重要な栄養素がビタミンDです。

 
30代半ばまではカルシウムを多く摂る事により、骨の量を多くする事ができますが、それ以降の年代になってくるとカルシウムの吸収が悪くなると共に、カルシウムの吸収や定着を促すビタミンD活性が弱まってきます。
これが骨粗鬆症になる一因ともされています。
 
また、女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが減少する事も大きく関わってきます。
 
若い頃は新陳代謝が活発で古くなった骨を壊し、新しい骨を作るというバランスがうまく働いてくれていますが、エストロゲンが減ると骨を壊す作用が強くなってしまい、新しい骨を作る細胞の働きが追い付かなくなるので、骨量が減ってしまいます。
この為、40代以降はビタミンDも補う意識が必要と言えます。
 

では、ビタミンDは、どうやって取り入れる?

ビタミンDは、食べ物から摂取する以外に、日光浴をする事でも体内で合成できます。

ですが、、特に女性は普段から日焼けを避けたり、日焼け止めを塗ったりする事で日光浴不足になる事があり、これも骨量減少の原因の1つになり得ます。
 
一日に平均的な食事をしているなら、日差しの強さにもよりますが、
日光浴は1日に15分~30分ほどで良いとされています。
(地域にもよりますが、沖縄など日差しが強い地域でしたら、これより少し少なくても良いでしょうし、東北や北海道などは、逆にもう少し日光浴の時間は多くしても良いかもしれません。)

強い日差しを長時間浴びすぎるのは逆に体に良くはありませんが、少し歩いて散歩や買い物に行く程度なら、とても体にも良いと思います。
 
ビタミンDが不足すると、お子さんでは「くる病」、大人では「骨軟化症」にもなる可能性もあります。
 

では、「サプリでビタミンDを摂ろう」と思った方もいらっしゃると思います。
病院でも処方される事がありますが、ビタミンDの過剰摂取にも注意が必要なのです。
 
脂溶性ビタミンであるビタミンDは体内から排泄されにくく、腎臓や筋肉にカルシウム沈着したり、石灰化する事もありますので、ドラッグストアでビタミンDのサプリを購入して飲む事はせずに、食事と日光浴・軽い運動などで対策するのが良いと言えます。
 
気になっている方は、まずはバランスの良い食事と日光浴・軽い運動で骨密度を高めていきましょう。
 

ヨーロッパ人に骨粗しょう症が多い?! | 食と骨の安心情報 【あんしんたべもの】 (antabe.com)


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