三石理論研究所の公式note

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三石理論研究所の公式noteです。 三石巌が発信してきた情報をご提供させていただきます。 ▽HPはこちら https://mitsuishiriron.com/

マガジン

  • 三石巌の絶版書籍

    絶版になった書籍の抜粋です。

  • 三石巌 全業績-1 科学との出会いをもとめて

    1982年に発行され現在は絶版 物理学、生理学、薬理学、分子生物学など、広範な研究分野で活躍する著者の、いわば巨大な山脈の全体像を伝える名著である。 本書は「人間」「教育」「環境」「健康」「文明」の五章からなり、人類と科学とのあるべき出会いの姿をもとめて、身近な問題から宇宙論までを、科学者の眼で縦横無尽に語っている。巻末には、著者の「私の生い立ち」と200冊以上にのぼる著作リストが載せられており、まさに『三石巌全業績』の第一巻を飾るにふさわしい待望の書となっている。(書籍帯文より)

  • 三石巌の分子栄養学講座

    三石巌が1983年に初めて分子栄養学を勉強される方へ向けて書いたものです。

  • 92歳 三石巌のどうぞ、お先に

    三石巌が1994年から産経新聞に掲載していた「92歳 三石巌のどうぞお先に」の記事を掲載させたいただきます。(全49回)

最近の記事

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三石理論要約動画

三石理論の3本柱を動画にしてみました。是非ご覧ください。

    • 科学との出会いをもとめて 第一章 人間

      1 夏は想い出を生む季節 夏は想い出を生む季節であるようだ。少なくとも私にとって、ことしの夏はそうだった。  まず、心温まる想い出を語ろう。  七月一五日、私は北海道にむかった。函館発の特急の車中、ノーベル賞受賞者と共同で細胞社会学をやっていたという少壮学者にめぐりあった。仲介者となったのは同行の早大生O嬢であった。私はここで細胞膜表面の模様、細胞の菌毒に対する反応などの知識をうることができ、新生児と成人との生理機能の相違について、DNAレベルおよび細胞レベルの討論をす

      • 健康と医療を考える

        三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容をご紹介させていただきます。  健康とは何ぞやと問われたら誰でもがその定義にとまどいつつも、一応は答えることができる。快食・快眠・快便をあげる人がいるかと思うと、病気のないことがそれだという人もあり、生き甲斐をもつことがそれだという人もある。これらのいずれにも一面の理が認められるとはいえ、若干の物足りなさが感じられる。結局、ありきたりの健康観には疑問の余地が残るのである。  ここにみられる説得力の欠如は、学

        • 三石巌全業績-17 老化への挑戦-14

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 からだが硬くなる  結合組織とコラーゲンとの関係について、もう少したち入っておく。そうしないと、コラーゲンのクロスリンクの増加が、いかに老化にかかわっているかがはっきりしてこないのである。  まず、結合組織の成り立ちを見ると、コラーゲンのほかに、<エラスチン>と<プロテオグリカン>がある。エラスチンはタンパク質であるが、プロテオグリカンは糖タンパクである。プ

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        • 三石巌 全業績-1 科学との出会いをもとめて
          1本
        • 三石巌の絶版書籍
          17本
        • 三石巌の分子栄養学講座
          11本
        • 92歳 三石巌のどうぞ、お先に
          49本

        記事

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-13

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 クロスリンク老化説  老化といういまわしい現象をすべての人に押しつける悪役として活性酸素が指名手配されることになったのは、ごく新しいことである。 1969年に、フリドビッチとマッコードの両人によって活性酸素除去酵素SODが発見されて以来のことなのだからだ。老化に関する本はいくつもあるが、活性酸素に目を向けないものがあるのも不思議ではない。  われわれはすでに

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-13

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-12

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 活性酸素の発生源  活性酸素が死神だとすると、それがどこからやってくるかは、大いに気になるところだ。その微量は大気にもある。しかし、これはどうにもならない。ただ、光化学スモッグの実体であるいわゆる<オキシダント>は、肺に入って活性酸素を発生する。光化学スモッグにかこまれたら、呼吸量をなるべく少なくするのにかぎる。  活性酸素は、口からもはいる。パラコートや中

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-12

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-11

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 時限爆弾の小包 「獅子身中(しししんちゅう)の虫」という古い言葉がある。これは、身内のなかの敵というほどの意味だ。活性酸素はまがいもなく獅子身中の虫に違いないが、それが引き金となって発生する色々なラジカルも、まがいもなく獅子身中の虫である。活性酸素のうちでも、スーパーオキサイドとヒドロキシルラジカルとはラジカルの一族である。  ラジカル一族には2つの特性があ

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-11

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-10

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 死神は活性酸素  ラジカルという名の、不安定なために活性の高い物質が、生体の合目的性を阻害し、寿命を縮める元凶だとすると、これについての情報をもとめたくなるのが人情だろう。そのラジカルのうち、いちばん問題になるのが例の酸素ラジカルであり、別名を活性酸素という酸素分子種である。活性酸素のうちの、ラジカルでないものは作用のさほど激しくないものもあるけれど、どれも

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-10

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-9

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 過酸化水素  活性酸素が4種あること、それが、一重項酸素・スーパーオキサイド・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルであることを頭にたたきこんで頂きたい。  ここまでにスーパーオキサイド除去酵素SODについてさまざまなご託が述べられてきた。しかし、いちばん大切な現象が扱われていない。 それは、スーパーオキサイドの除去とはどういうことか、という問題である。それは、ス

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-9

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-8

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 酸素は活性化する  読者諸君はここまできて、活性酸素ということばを覚えられただろう。そのこわさもおわかりだろう。その恐怖の実体が、相手分子から電子を奪う結果であることもおわかりだろう。だがしかし、われわれの生命を保障する酸素が活性化するメカニズムについてはまだ何も説明されていない。それをなすべき段階がきたようだ。  ふつうの酸素分子は相手分子の電子を奪うこと

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-8

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-7

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 シミは長寿のしるしか  私の顔や手の甲には大小さまざまなシミがある。そして私は日本人の平均寿命をかなり越えている。とすれば長寿者ということになるだろう。むろん、若くして死ぬ人にシミなどありはしない。そこで、シミは長寿のしるしではないか、というアイディアが出てくるとしたら、こんな荒っぽい論理はない。 シミは年をとると出てくるものであって、若い人でも、肝臓が悪か

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-7

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-6

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 脳の栄養学  われわれの体内には、脳もあり、胃もあり、心臓もあり、肺もある。それらの器官のなかで重要性のトップにくるのが脳だ。だからこそ、生死の判別に、また老化問題の中心に、脳の状態がおかれることになる。  一方、われわれ生物は、死を約束されている。その原則がなかったなら、地球は生物であふれてしまうだろう。 だから多くの生物は、種族保存の仕事を終えれば、死に

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-6

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-5

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 認知症は病気か  本書の初めの部分に、ブラテインの死を扱った。そこでは、死因をアルツハイマー型認知症としたが、新聞には、ただアルツハイマー病と記されていた。それを私がアルツハイマー型認知症とした理由は次の通りである。  まず、アルツハイマー病は、遺伝子の異常からくる病気であって、40歳代、50歳代に発病する。もし彼がこの病気の患者であったとすると、ノーベル賞

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-5

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-4

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 三人の迷子の話  転の段階のたけなわになる頃、老いを気にする人がふえてくる。われわれ高齢者ともなれば、それは脅威というよりは恐怖である。 足腰の不自由も哀れだが、脳の機能低下も哀れだ。  頭を使う人はボケない、と私にいった人がいる。私を、頭を使う人とみて慰めてくれたのだろう。はたしてこれは本当だろうか。私は、この根拠は怪しいと思っていた。  戦時中文部省は、

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-4

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-3

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 生物時計とは?  赤ん坊が生まれるのは、受胎から約40週後だと、われわれは聞かされている。これがきちんときまっているのはなぜだろうか。 体内に日数を数える時計があるのだろうか。このような考えから、<生物時計>という概念が生まれた。 これを<体内時計>ということもある。生物の体内にそれがあると考えるからだ。  生物時計は、一昼夜をへるごとに、<生物カレンダー>

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-3

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-2

          三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。 生体の合目的性  「年をとる」ということばは、「老いる」ということばと同じ意味に使われる傾向がある。 それは、英語の場合にはもっとはっきりしている。エイジングということばが、「加齢」と訳され、「老化」と訳されていることからよくわかる。  それにしても、加齢と老化とは同義であるはずがない。老化の予防という発想はあっても、加齢の予防という発想がありえないことから

          三石巌全業績-17 老化への挑戦-2