記事一覧
科学との出会いをもとめて 第一章 人間
1 夏は想い出を生む季節 夏は想い出を生む季節であるようだ。少なくとも私にとって、ことしの夏はそうだった。
まず、心温まる想い出を語ろう。
七月一五日、私は北海道にむかった。函館発の特急の車中、ノーベル賞受賞者と共同で細胞社会学をやっていたという少壮学者にめぐりあった。仲介者となったのは同行の早大生O嬢であった。私はここで細胞膜表面の模様、細胞の菌毒に対する反応などの知識をうることができ
三石巌全業績-17 老化への挑戦-11
三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
時限爆弾の小包
「獅子身中(しししんちゅう)の虫」という古い言葉がある。これは、身内のなかの敵というほどの意味だ。活性酸素はまがいもなく獅子身中の虫に違いないが、それが引き金となって発生する色々なラジカルも、まがいもなく獅子身中の虫である。活性酸素のうちでも、スーパーオキサイドと
三石巌全業績-17 老化への挑戦-9
三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
過酸化水素
活性酸素が4種あること、それが、一重項酸素・スーパーオキサイド・過酸化水素・ヒドロキシルラジカルであることを頭にたたきこんで頂きたい。
ここまでにスーパーオキサイド除去酵素SODについてさまざまなご託が述べられてきた。しかし、いちばん大切な現象が扱われていない。
三石巌全業績-17 老化への挑戦-7
三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
シミは長寿のしるしか
私の顔や手の甲には大小さまざまなシミがある。そして私は日本人の平均寿命をかなり越えている。とすれば長寿者ということになるだろう。むろん、若くして死ぬ人にシミなどありはしない。そこで、シミは長寿のしるしではないか、というアイディアが出てくるとしたら、こんな荒
三石巌全業績-17 老化への挑戦-6
三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
脳の栄養学
われわれの体内には、脳もあり、胃もあり、心臓もあり、肺もある。それらの器官のなかで重要性のトップにくるのが脳だ。だからこそ、生死の判別に、また老化問題の中心に、脳の状態がおかれることになる。
一方、われわれ生物は、死を約束されている。その原則がなかったなら、地球は