見出し画像

子どもがゲーセンでお年玉やお小遣いを使うこと、親はどう捉える?

 お金がどこからきて、どこに行くのか? を想像する力を育むことを目指すフィナンシェの会。

 なるべく娘たちには、様々な視点からお金のことを教えているつもりですが、親にもどうしたら良いか戸惑うようなことが…。それは、子どものお金の使い道をどのように親が納得するか?ということ。

 そこで、今回は「お金の流れ」というよりも、「お金を使う目的」にフォーカスを当てて夫婦会議の内容を交えてご紹介します。

小学生の遊び場所が、公園からゲームセンターに

 小2の娘にはいつも週末に遊んでいるクラスの友達がいます。それまでは公園で遊んでいたのですが、先日はショッピングモール内のゲームセンターに行こう、となったそう。娘はお年玉を持って遊びに行きました。
 行ったのは、長女と次女と夫、あとは友達2人。次女はお金を使うことにかなり慎重だったものの、長女はお菓子やマスコットを取るゲームで2,000円くらいあっという間に使ってしまったそう。

 子どもがゲームセンターでお金をたくさん使ってしまうことについて、親は口出しした方が良いのでしょうか? どのように心構えをしておけば良いのでしょうか? 娘たちの様子を見ていた夫と話してみました。

私たちは何にお金を使っているのか

「見ていて、こんなお金の使い方が嫌だな、と思ったのは、絶対取れないようなものに1,000円も使ってしまうこと。それも、お金を入れてすぐボタン押してしまう。絶対に取れないでしょ、というタイミングでボタンを押すもんだから、『このゲームに使ったお金で、狙ってるお菓子をお店で買ったら10個も買えちゃうよ』って言ったら、『そういうのじゃない!』って怒るんだよね」

「難しいよね…。ちょっとマーケティングっぽくなってしまうけれど、お菓子を食べたい、ということにお金を払っているのではなくて、ゲームに勝ちたい、ということに払っているのかもしれないよね。
 全く同じゲームではないけれど、もしディズニーランドがアトラクションごとの課金制だとしても、何度も同じアトラクションに乗ると思う。そのお金を無駄使いと言えるか微妙かな…と」

「子供たちのお金の使い方を見ていると、個性が出ている。二人は自分が欲しいものを狙ってゲームを選ぶ。もう一人の子は、自分は欲しくないものにお金を使うんだよね。ウチの妹が欲しいって言ったマスコットを、何度もコインを入れて取ってくれる。これって、今の話から言うと、みんなと遊ぶ時間を買っている、みんなに喜んで欲しい、みたいな気持ちがあるかもしれない。娘の場合は、お菓子じゃなくて、ゲームをしていること自体にお金を払っていたのかな…」

話してみて思ったこと
ゲームに関わらず、子どものお金の使い方に疑問を持ったり、ついつい口出しをしたくなったら、まず子供が何のためにお金を使っているのか?を考えてみるのも方法かもしれません。そうすると、ちょっと冷静に判断できるかも。
とはいえ、今はゲームの中での課金や、仮想通貨、メタバースの中でお金を稼ぐ…という新しいお金の切り口が増えてきています。根幹は変わらないものの、「何のため?」という概念は少しずつ変わっていくのかも、というところまで議論が広がりました。子どもたちの方が新しい概念を取り込み、私たち親世代が必死に追いついていかないといけないのかもしれません。

なぜゲーセンでお金を使うことに嫌悪感があるの?

「そもそも、なんでゲームセンターにお金を使うことが嫌な気持ちになるんだろう?」

「楽しく遊べる時間が短いことがストレスになるのかも。今日見ていて感じたのは、クレーンゲームも全然狙っていないから、一瞬で終わる。こんなものにお金を払う価値を感じない、というのが理由。でも、家でやるゲームは長く遊べるからお金を払ってもいい、と感じるかも」

「お年玉でぬいぐるみもたくさん買ったよね」

「そう、ぬいぐるみは嫌悪感がない。買った後も遊んでいるし。お菓子を買うのも全然良いと思う」

「なんだろう?その違い?」

「もしかしたら、自分自身が子どものころに身についた価値観もあるのかも。子どもの頃、これは買っちゃダメとか、ゲームセンターで使ったことをお金の無駄遣いだと言われたこともあるかもしれない」

「世の中には、なんでこんなものにこんなお金を使うの??と思うことも多いよね。私があまり理解できないのは、現代アートとかNFTのアートだけど。とても高額なものがどんどん出ていて、売れている。何に価値を感じるかは、人それぞれ。親の価値観もあるだろうけど、親も必ずしも正しい価値観じゃないから、それをそのまま伝えて良いのかどうか、悩ましいよね。
 むしろ、どんなゲームも寄付付きになっていたら、もっと罪悪感は減るような気もするけれど…」

「子どものころから、ゲームは絶対にやっちゃダメ、と言い続けると大人になったときに反動でやめられなくなるケースもあるから、難しいところだな…。でも、今回初めて行ってみて、娘が『もうやらなくていい』と言っていたから、お金を使いすぎたことは反省しているのかな」

話してみて思ったこと
何にお金を使うかにたいして、良いと思う人、嫌だと思う人は様々。でも、親が絶対正しいとも言い切れない。
それでも、どうしても嫌だと思うお金の使い方に関しては、「私は…」という形でお子さんと考えの違いを話し合う機会を作ってみたいと思います。たとえば私の場合、ガチャガチャは遊ばなくなるものが多いし、プラスチックなのでお金を払って地球に悪いことをしているみたい、と言うような感じです。

誰かのためにお金を使うことは良いかもしれないが…

「さっき、1人の子はみんなと楽しく過ごすためにお金を使っている、と言ったけれど、結局その子が一番お金を使ってたんだよね。誰かが欲しい、と言ったものを取ってあげようとしたり、誰もやり始めないから自分が最初にゲームをやって見せたり。そういうみんなに奢るような感覚のお金の使い方って良いなって思った」

「うーん…。自分の子には、友達にお金を使うことに対して嫌な気持ちにはならないけれど、逆はそうでもないかも…。お父さんお母さんのお金を持った友達が、自分の子のためにお金をどんどん使っているのは、私見ていられないかも。『もういいよ』と言ってしまいそう」

「それは、その子がこうしたいという気持ちを否定することになるんじゃないかな。だったら、どんどん使わせてあげた方が良いと思う」

「自分で稼いだお金だったら良いかもしれないけど、まだ子どもだし、やっぱり向こうのお家にも迷惑になりそうな気が…。色んな家庭もあって、その家庭の事情を私が分かっている訳ではないし。」

話してみて思ったこと
自分の子どものお金の使い方に関しては、とにかく見守るスタンスの私たち。でも、お友達の件に関しては、意見が分かれました。
結論が出ている訳ではないのですが、今は子どもの貧困が課題となっている中、お友達と一緒に買い物をする時どのようなお金の使い方をするのか、非常にセンシティブな問題だと思います。皆さんはどう思いますか?

 皆さんのお子さんのケースはいかがですか? 子どもにとっては、お父さんが言っていることと、お母さんが言っていることが違う、ということはよくあるかもしれません。でも、お小遣いやお年玉をあげるときの方針としても、家族で話しておきたい話題ではないでしょうか。
 自身の家庭では避けていても、いずれは友達と行くことにもなるかもしれないという想定で、夫婦のお互いの考えを知っておく、というのが良いかもしれません。もしご家庭でこんな風にしている、こんな事困った、などありましたら、ぜひコメントに入れていただきたいです

* * *

 フィナンシェの会では、「お金がどこからきて、どこへ行くのか」という流れを意識した金融教育を目指しています。他にも、日常生活で子どもとお金のことを学べるさまざまなアイディアをご紹介しています。(スキやフォローもお願いします)

子どもと一緒にお金を学べる絵本はこちらから↓↓ 寄付を学べる絵本も紹介しています

インスタグラムも、宜しければ!


この記事が参加している募集

#お金について考える

37,763件

たくさんの家庭や子どもたちに届けるため、可愛いイラストを使ったお金の紙芝居、海外事例の翻訳など、さまざまなコンテンツを作っていきたいと考えています!