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Fieldism Live Report #16: UNHOLY11 Pre. NEW WORLD ORDER Vol.4 (12-18-2022)

前回のライブレポはこちらから↓

 

 いつもお世話になっております、Ryotaです。

 今年の3月から続けてきたライブレポートも16回目、今年最後のレポートは関西ハードコアクルーWest Side Unity(以下、WSU)の一翼UNHOLY11が主催した''NEW WORLD ORDER''について書いていきます。今回の公演は岩手・盛岡からデスメタリックハードコアPRESS ON AHEADのアルバム ''Blizzard Style Core'' のレコ発と、福岡のハードコアuniverse last a wardが活動休止前ラスト大阪というのも兼ねています。特に後者に関してはフライヤーを見ればわかる通り「universe last a wardに最大の感謝とリスペクトを」というのがひしひしと伝わる、非常な大きな意味を持った一日でした。

PRESS ON AHEADとuniverse last a wardの直近の音源は過去の新曲特集でも取り上げているのでこちらも併せてチェックよろしくお願いします。


 音楽の話をするにおいてよくMCでも言われる「良いもんは良いから」「細かいことは関係ない」の言葉の通り、楽しむことにおいて多弁は無用なのかもしれませんし、その考えも大いに理解できます。しかし、個人的にはこんな大事な一日を目に見える形で残すことが、これまで活躍してきた/これから活躍していくバンド達やシーンに対する自分なりの敬意の示し方だと思っているので、僭越ながらここに残させていただきます。何卒暖かい目で読んでいただければ幸いです。

 いつもより前置き長くなっちゃいましたね。行った方は当時の余韻に浸り、行けなかった方も是非当日の様子を想像してもらえたらと思います。なるべく解像度を高くして書いていきますので。

 ※各出演者・関係者の名前は敬称略になること、予めご了承ください。また、あくまでも一オーディエンスが感じたことなので何か新しい視点の発見や思考のきっかけになったら幸いです。

PURGE

 トップバッターは名古屋のハードコアクルーRealize Central Strength(以下、RCS)からPURGE。今年の6月に初ライブを行ったばかりの新鋭ビートダウンハードコアバンドで、メンバー全員初心者ながらもホームの上前津Zionを拠点に関東や関西でも精力的にライブ活動を行っており、その存在感を醸し出してきています。また、同郷のベテランハードコアMurder Within Sinのメンバー(名前存じ上げておりません、すみません…)を父に持つ上手Gt. ケンシがまだ高校生というのも聞いたときは驚きました。

 9月にDr.ふじこの企画''FALL BACK TO ASLEEP'' & 11月のハマフェス ''D.O.F.D'' とこれまで2回観ているんですが、多忙だったり途中離脱でライブレポが出せなかったのでようやく幣noteで取り上げれます。系統としてはUNHOLY11と同じく''極悪ハードコア''と称されるメタリックなリフと重厚なグルーヴが醸し出す不穏なサウンドが主体ながらも、時折モダンオールドスクールっぽいダンサブルなフレーズが飛び出してくるのが面白いです。体格の良いフロントマンうすけの威圧感ある煽りとタフなシャウトも特筆すべきポイント。

 同名の映画にでてくる緊急放送を流用したSEで緊張感が漂っていましたが、一曲目からうすけが「オラ来いよオラァ!」とビートダウンで煽り立てていくところからもうベイブレードみたいなフルモッシュが散見されてて最高でしたね。曲が進むに連れてフロアの熱気もヒートアップしていき、しまいにはBa/Choフジイも「遊ぼうぜ大阪~!」と便乗していきます。2段構えのビートダウンも容赦なく交えてきて興味なさげに見ているオーディエンスを文字通り「粛清」する勢いでした。


 トッパーからその存在感を見せつけてきたPURGE、MCでも言及されましたが1/14にホームZionでRCSとして初の企画''GATHERING INTERSECTION''が開催されます。ALSEIDDecasionを始め今勢いに乗っているバンドばかりなのは言うまでもないですが、RCSからもMenace of Majorityという新しいバンドがデビューします。もしかしたらPURGE自身もEP出すかも?自分は当日姫路で参加できませんが、要チェック。


 また、RCSクルーも各人の特色豊かな個人企画を開催しており、Gt.ふじは''Dig for All(詳細後述)''、ふじこは先述の''FALL BACK TO ASLEEP''、バンド非所属ですが毎月会ってるレベルでお世話になり過ぎてるあおきちも岐阜・柳ケ瀬Antsで個人企画''Spread Colony''を開催しております。''Spread Colony''は3/4開催予定らしいです。

蹴られてる人があおきち君です



 ここで、さっきのモッシュで機材に突っ込みそうになった光景を見かねて主催UNHOLY11のVo.GKTが「今回の機材すべて借りものなんで、突っ込んだ奴は〇します」をアナウンス。実は今回の舞台になるClub Daphniaはアンプやドラムセットが常設されておらず、すべて持ち込みにて対応しています。始めて来ましたが、新しいアートの聖地というだけあってバースペース含めてロケーションは最高でした。駅から少し距離あるのが玉に瑕だけど。



JasonAndrew

 2バンド目は横浜発メロディックハードコア/パンクバンドJasonAndrew。個人的には初見になりますが、TAMASONICやFREEDOM NAGOYAなど大きなステージでのライブ経験も積んでいる注目のバンド。Ba/Vo.のリョウセイは最近ホットな横浜B.B.STREETのスタッフでもあり、ハードコア/メタルコアで言えば同世代のView From The Soyuz, ALIENGUM, Winter Wakesなどと一緒に盛り立てている印象です。筆者は9月に遊びに行ったんですが、ロケーションも緑茶割りも含めてマジで良い場所でした。2025年にあそこのビルが解体されるのは本当に残念過ぎます。

 メタリックなサウンドが多い今回のラインナップで異色のメロディックパンクバンドながらも、精力的なライブ活動から来る圧倒的なパフォーマンスでフロアを巻き込んでいく姿は、メロディックパンクをあまり通っていない筆者でも衝撃を受けました。メロディックハードコアをベースにしながらも、ハードコアのモッシュパート・ ''Vintage'' のようなGt/Vo. スダカズのソウルフルなボーカルが活きるレゲエ・スカ要素・ ''Suica Papaya'' などダンサブルなパートなど聴けばわかる通り、様々なジャンルをミックスした ''横浜メロディックハードコア'' を展開してくれました。


 音源ではex. Blessing In The NameのVo. Moneがfeat.する ''Wanted More'' のモッシュパートではVICE CITY SLAVEのTakumiが客演。最後らへんにやった MVにもなっている新曲''ZERO/Know Your Enemy''は昨今の例の流行り風邪や政府のダブルスタンダード的な対応に対するアンチテーゼとして、日常の出来事や世間に対する不満や意見を表現したパンクの王道に倣った一曲。ただ、前のめりな疾走パートだけでなくミクスチャー的なタメを織り交ぜたジャンルレスなスタイルでイケ散らかしてました。

 個人的には初見でしたが、オリジナルの ''横浜メロディックハードコア'' をハードコアのオーディエンスに提示してくれたJasonAndrew、想像以上に良かったです。来年2/1にはOne Step Closerのツアー横浜編のサポートアクトを務めたり、1/14もB.B.STREETが運営しているレーベルBalcony Beer Recordsの企画に出演したりと来年もJasonAndrewが横浜を熱い場所にするのは間違いなさそうです。後者に関して言えば、関西のオーディエンスは今のうちにLIKE A KIDチェックしといてほしいです。

 



VICE CITY SLAVE

 3バンド目は極悪スラミングビートダウンカルテルVICE CITY SLAVE。初めてバンドとして大阪に遠征したのは昨年らしいですが、今年に入ってもう4~5回くらいは遊びに来てくれている気がします。仙台出身で結成は2014年と実は意外に歴史が古いバンドではありますが、仙台出身かつオリジナルメンバーはVo. Takumiだけで他のメンバーは全員途中加入です。ただ今の体制が一番盤石といいますか、勢いに乗っているのは確かです。

 毎回ライブを観て思うんですが、VICE CITY SLAVEのライブはその無慈悲なビートダウンとスラムを織り交ぜた暴力的なサウンドや、これまた体格の良いTakumiの「もっとやれんだろ!!」「かかってこいや!!」と筋もの顔負けの気迫に満ち溢れた煽り、そして低めにベースを構えて時折フロアに突っ込んだりマイクスタンドを客席に倒してくるBa. Gakuのムーブ(今回はマイクスタンドなかったけど)でいつ誰かがケガしてもおかしくない戦場みたいなフロアになりますし、今回もそんな感じでした。黙々と重心の低い極悪サウンドを刻み続けるGt. Hirose & パワーとスピードを兼ね備えたDr. Masakiのドラミングもそれを煽っていくスタイル。


 今試聴可能なVICE CITY SLAVEの音源はBandcampで公開されているデモだけで、ライブ4~5回観に行ってて尚且つひたすら走って落とすスタイルにもかかわらず未だに曲名と展開が覚えられなくて悩んでいたんですが、来年の後半には待望の音源のリリースを計画している模様。正式なアナウンス等はまだありませんが、確か東京デスメタリックハードコアHORSEHEAD NEBULA & 新潟 ''NORTHLANDPUREHATE'' DOOMS OF GHETTOとの3WAYスプリットと聞いています(項目のnbvの動画11:29~、TakumiのMCで言及)。

VICE CITY SLAVEの次のライブですが、先日2ndアルバム ''SUFFER LEADER''をリリースしたWORLD END MANのレコ発に出演予定です(WEMのアルバムは次回の新曲特集で取り上げます)。大阪からはおなじみTEMPLEも出演、多分この日は誰かが物理的に散らばってると思います。

 また、TakumiとGakuとMasakiは別のバンドにも活躍しており、TakumiとMasakiはSPEAKEASYというファストコア/スピードパンク、GakuはOthersideというエモ/シューゲイザーバンドで活躍しています。SPEAKEASYは後述のWSU企画で初大阪+1/29に自主企画を初台WALLで開催予定です。(ライブレポは上げませんでしたが)Othersideは先月のTEMPLE企画で初めて大阪に来たのでその時の動画上げときます。個人的にも今年出たEP ''Bathroom'' は結構ヘビロテしてます。



Brave Out

 4組目は大阪のハードコアシーンにおいては中堅的な立ち位置ともいえるユースクルー/オールドスクールハードコアBrave Out。Gt. SagoのWrong Stateや、Dr. HidetaのNUMBERNINEは観たことあるんですが、こちらは初見になります。メタリック~ニュースクールハードコアの盛り上がりが注目されることが多い昨今でユースクルーはマイナーな印象ですが、近年ではBLOODAXE FESTIVALにも出演した茨城のTRUE FIGHTや大阪の新鋭RECLUSEなど新しいバンドも出て来つつある中、彼らの先輩・モデルロールとして活躍しているのが自分の持つこのバンドのイメージです。

 個人的にはあまり通っていないハードコアのジャンルの一つで、今回の公演でもメタリックなサウンドが際立つラインナップではアウェー目な感じではありましたが、そこは10年以上のキャリアや各メンバーの精力的な活動から来る熱量であったり、インタビューで「ユースクルーは80年代ハードコアのミクスチャーだ」という話の通り、パンク譲りのファストなパート~ダンサブルなモッシュパート~NYHC影響下の熱いシンガロングなど約40年に及ぶハードコアの時間軸を押し広げていくスタイルの楽曲陣は、否応なしにフロアを巻き込んでいきました。


 今年出したアルバム ''World's Rot'' で世の中の不条理に対する怒りや憤り・そんな不条理だらけ現代社会の歪みの被害者側に寄り添うような熱いリリックもそうなんですが、個人的にはVo. YoshikawaのMC「機材を持ち込んで自分たちの場所を作り上げた彼ら(UNHOLY11やWSU)は改めてすごいと思うし、正直若いバンドが出てくることに震えてる」と年齢関係なくリスペクトを示す姿は、まさにハードコアは単なる音楽ではなく生き方や信条そのものだという考え方を体現しているものだと再認識させられました。


 SagoのレーベルFIRED STOMP RECORDSやHidetaのBrightside Bookingなど大阪のみならず国内のハードコアシーンにも積極的に貢献しているメンバーが多いこのバンド、1/28には京都の名物ハードコアイベントkiwamu is burning / 2/2にはOne Step Closer来日公演大阪編に出演します(後者は仕事終わってから行こうと思ってます)。Brightside Bookingの来日案件も近日公開されるっぽいので震えて待ちましょう。



ZETTON

 折り返しはDARKSIDE OYCからメタリックハードコア/ビートダウンギャングスタZETTON。昨年末にEP ''Operated'' をリリース、以降は5月のSUMMER BASH FEST/9月のBLOODAXE FESTIVAL(岡山からは史上初)と国内でも有名なハードコアイベントに出演を果たしたりと、ホーム岡山よりも県外でのライブ活動が非常に目立つ1年だった印象です。始動から4年とハードコアシーンの中ではまだ浅いともいえるキャリアをガン無視した精力的なライブ活動で躍進し続けているバンドの一つです。

 正規のドラマーが空席のため(気になる方はだれか入ってあげてください)、今回の公演はWSUの膝付きニュースクールFallen Graceの紅一点Dr. Nanaを加えたサポート体制で出陣。個人的には過去一番見てきた中で気迫やオーラが伝わってきたというか、大舞台でのライブ経験もあってか数段カッコよくなってましたね。紙やすりのようにざらついたメタリックサウンド+振り切れたような高摩擦な単音リフ+ミドルテンポ~ビートダウンの怒涛の展開は、フロアを危ない遊び場にするには十分すぎました。


 素朴な外見からは想像もつかないVo. Kisukeのタフ目なシャウトは普段のライブでもそのブチギレっぷりが発揮されるんですが、発声を変えたのか今回はハイ気味なシャウトも駆使しててそのキレ具合が狂気じみていて最高でしたね。あとは空耳だったら申し訳ないんですが、当日は色々お騒がせ中のアイドルオタクモッシャー集団ぐらむ一派が集合していたからか、''Suffer Chasm''のイントロリフ大合唱コンクールが行われていた気がしますが気のせいでしょうか? 最後はMVにもなっているDビートとトレモロリフが気持ちいい ''Operated'' で締めてくれました。

参考資料(View From The Soyuz)


 今年は県外でのライブが多かったZETTON、一周回って来年はホーム岡山で一番かっこいいバンドになるべくローカルでの活動にシフトするらしいです(の割にはなんだかんだkiwamu is burningや後述のWSUクルー企画など県外決まってますが)。4/1にはホームでオールナイトイベントを開催するらしいので今後の動向に目を光らせておきましょう。


 そして今回サポートしているNanaが在籍しているFallen Graceも2/4に心斎橋Pangeaで初の自主企画を控えています。大阪でのライブは10年ぶりになるMIDGARDSORM、ZETTONと同じDARKSIDE OYCのStained、神奈川の新鋭ニュースクールで先日出したEP ''Reprise'' で騒然となったRecollect The Nostalgia(初ライブ、音源については次回の新曲特集で)などが出演。こちらは筆者も遊びに行きます。


UNHOLY11

 今回の主催でありここ最近月一ペースで観ているUNHOLY11、関西の極悪メタリックハードコアの正統派後継者的であるこのバンドも今年に入って東北以外の本州中を暴れ回り、ハードコアを介して日本地図を狭くしながら精力的に活動していたバンドの一つです。先月はKrueltyのメンバーが運営しているプロモーターCKS Productions主催のROTTING NOISE TOKYO 2022に出演、初の1000人規模のフェスでオープニングアクトを務めたのも記憶に新しいですね(上の動画はその時の様子)。

 今年の初めは流動的だった体制もDr.シミンタ & Gt.晴仁の加入で基盤が固まってきたと同時に、先月にCLUB STOMPで約24時間マラソンイベント ''D.O.F.D'' を主催した特殊構成員Hama (SLUG etc)も定着してきており、今回も重心を低く構えた邪悪なサウンドと過剰なまでの音圧で襲い掛かってくるビートダウンの応酬でフロアはパワーが全てを支配する戦場に。特にちょっと前からデスメタリックな単音リフとブラスト・バスドラ連打を駆使するシミンタの手数が光る ''新曲'' では拳が顔面にクリーンヒットして目元にあざが出来ました。でも楽しいのでOKです(当日その場面の動画撮れてないので、10月のライブの時の載せときます)。



 目出し帽をかぶりながらその威圧感と貫禄溢れるパフォーマンスを見せてつけていくGKTのMC「あんまり湿っぽいこと言いたくないけど、ulaw早く帰ってきてください」とそれ以上の言葉は不要とばかりに暴力的なサウンドを展開。先述の負傷でたまらずバーカンとフロアの間くらいに退避したんですが、フロアのいなたい(ほめてる)モッシュピットは「すごくて」以外の感想が出てこなかったですね。そしてulawのBa. マサはずっとクラウドサーフされっぱなしだった感じです。


 来年は音源のリリース & 先述のZETTONと東京のBelmadigulaとのツアーも控えているだけでなく、その他のライブも3月までにいろいろ決まってます。1/14には先述のRCS企画に出演、その他WSU関係者の企画は文末にまとめます。また、UNHOLY11は出演しないものの、GKT個人の企画も1/20に難波ベアーズにて開催予定です。平日ですがこちらもチェックを。


そして特殊構成員HamaのD.O.F.D.も開催が決まっているらしく、今度は30時間マラソンになる様子。社会実験か何かですか?


Gates of Hopeless

 昼から始まったNEW WORLD ORDERもいよいよ終盤戦、7組目は大阪発ベテランニュースクールハードコアGates of Hopeless。昨年は18年のキャリアを総結集させた1stフルアルバム ''In the Twilight of Nocturne'' をリリース、弦飛びリフの応酬と抒情的なメロディが紡ぐドラマティックなMILITANT/FURY EDGEは膝付き必至。今年は3人目のギタリストTakumaが正規加入、5月(中止になった2021年の振替)と9月のBLOODAXE FESTIVALに連続して出演を果たしたりなど、過去類を観ない活動ペースを見せてきました。

 Gates of Hopelessといえば鬼気迫る圧巻のパフォーマンスでフロアもその熱量に巻き込んでいくんですが、今回もVo. RYZの命を削るがごとく気迫にあふれたパフォーマンスと、弦楽器を刀のように振り回す・フロアのオーディエンスを押し出す・しまいにはフロアに飛び込んだりクラウドサーフしたりする荒ぶるギタリスト隊によって大変なことに。90'sのVeganストレートエッジGreen Rageのカバーで始まったのは一部のオタクが狂喜乱舞していましたね。


 Gt. KAZZのMC「ラスト2コ前、この''狂い''に着いてこれる人いますか?」の通り、今回のセットリストは(おそらく)新曲の ''Burning Season'' から ''Black Dawn'' ''All Will Suffer'' など若手には負けないシャカリキ具合でした。特に新曲(?)はブラストビートや高摩擦トレモロリフ連発で手足がちぎれるんじゃないかと思いました。終盤はアルバムから ''to KILL'' そして言わずと知れたアンセム ''Proves My Existence'' で膝付きJUSTICEでTRUE感じすぎました。


 今週は例の流行り風邪の影響で3年ぶりの開催になるNERDS FESTに出演。ラインナップが激熱なのはもはや説明不要ですが、この日はRYZによるマーチフリマ祭や物販2,000円以上のお買い上げで最大168%オフになるという「ONE JUSTICE くじ」なる変態すぎるHOLY CHRISTMAS CAMPAIGNを開催、前者は先月のTEMPLE企画でBLACK DAWN FRIDAYとして実施してましたが、その時もすぐなくなったので気になる人はオープンから来ましょう。


そしてRYZが運営している橋本商店の企画も4/22に開催。詳細は解禁されてませんが頭の片隅に入れておきましょう。



PRESS ON AHEAD

 トリ前は導入部分でも触れたとおり、アルバム ''Blizzard Style Core'' を引っ提げて大阪にやってきたPRESS ON AHEAD。岩手・盛岡レペゼンの極悪ですメタリックハードコアバンドで、新譜も関西極悪メタリック~90's以降のUS東海岸のハードコア/デスメタルからの影響を飲み込み、絶対零度のリフ・ブリザードのように凍てつく轟音・そして痛切に訴えかけるVo. Trill Doom Roughのボーカルを織り交ぜたサウンドで、暖房がついている部屋にもかかわらず寒気がしました。あとはこの間の横浜のライブで上半身裸+タトゥーだらけのオーディエンスがフロアで暴れまわるという、世が世なら一斉検挙されそうな光景は衝撃でしたね。


 セットリストもそのアルバムに収録されている楽曲を中心にプレイ。チルアウト・アンビエントっぽいイントロから一転、''Eternal Tone'' や ''伴う痛みとともに'' など、どこまでも非情で冷酷な単音リフとブリザードのようなビートダウンが繰り返される楽曲はその壮絶かつ絶望的な世界観が楽曲からビシバシと伝わりました。ベンチの上に立っていた自分もさすがに狂いすぎてピットインするくらい最高でした。個人的にはインタールード的な ''Seasonal Changes'' も嵐の前の静けさからの急転直下的なビートダウンもブチ上がりました。


 これまた体格の良いTrill Doom Roughの圧倒的なオーラも半端なかったですね。UNHOLY11やPURGEやZETTONなど若手のメタリックハードコアバンドが活躍しているのを見て曲間に「今の若い世代がやってる感じ、俺ら世代がまさにこれなんですよ(自分が着ている43urbanのマーチを指さして)。(中略)今の若い世代が盛り上がっているのを見てると時代は繰り返しているのを実感します(意訳)」と風格漂うMCをしてくれましたが、説得力ありすぎました。セトリの最後でピットインしてくる姿も背中の鬼の入れ墨と相まって怖かったです。


 現状決まっている今後のライブですが、2/25に上前津Zionで行われるトッパーのPURGEのGt.ふじの個人企画 ''Dig For All'' と、半年以上先ですがALSEIDのDelek & KOHEIが主催している7/8の''Today Is Yesterday's Tomorrow''です。前者は先述のGates of HopelessやFallen GraceやDecasionも出演でもう熱いのが確定してますね。Zionの床は滑りやすいことで有名なのでケガしないようにしましょう。そしてシークレットゲストもいるとのこと。こちらは筆者も遊びに行く予定です。


universe last a ward

 大トリはもちろん福岡・北九州のuniverse last a ward。10~20代のハードコアキッズや同世代/後輩バンドのヒーロー的な存在として、コンスタントな音源リリースやライブ活動を続けてきました。今年はかねてからサポートを務めてきたGt. Katchang (ex. Paledusk/Sup. HOTOKE)が正規で加入し、さらには京都・沖縄・名古屋・大阪・東京でヒップホップ/クラブ x ハードコアのクロスオーバーイベント ''Start Today Extra Tour'' を実施。特に先日行われた東京公演は速攻でソールドして大盛況に終わったのも記憶に新しいです。大阪ではハマフェス(早朝出番)からVision of Fatima企画(昼過ぎ)の1日2公演が緊急で決まったのもとんでもなかったですね。

 Vo. シュウイチロウの「ここからあげていくしかないだろ!」という熱い煽りから、naiad影響下の叙情的な側面とReprisal/Arkangelなどのミリタント~FURY EDGEの要素が四方八方から襲い掛かってくるサウンド、前のめりに攻めまくる初期衝動全開のがむしゃらなパフォーマンス、そして葛藤と敵意をむき出しにした尖ったリリックでフロアのボルテージも最高潮に。


 活休前最後の大阪とあって、feat.も大盤振る舞い。''O.S.F.'' ではUNHOLY11からGKT & Ba.みずきの二人、''Not for Sale''では音源通りNUMBERNINEからVo. KAI、''Antipast''ではReVERSE BOYZからVo. アユム & 当日DJを担当していたErolin (BURNING SIGN, NODAYSOFF, 仕切田ドン etc…)がfeat. 彼らの楽曲に華を添えていきます。あとは昔の曲でもある ''ANS'' も披露。


 「大阪にはもう数えきれないくらい遊びに行っててすごいお世話になったし、今の盛り上がりを福岡で威張ってる先輩方に見せてやりたいです」「バンドも次の世代がすでに動いてるし、あとはぐらむ一派、あいつらもやっぱりすげえっす」というMCからも、このバンドがいかに愛されていたかをどうしても実感してしまうし、活動を止めてしまうという実感が最初はどうにも湧きませんでした。しかし、''全ての方にクソでけえ愛を''楽曲に込めた''LOVE FOR ALL'' が披露されると、現実だと受け止めざるを得ないことを悟らざるを得ませんでした。

 そして、最後に忘れてはいけないあの曲 ''Farewell'' が披露されると、最初に彼らを観た時のことを思い出しました。2016年にメロディックハードコアCapsizeが大阪に来た時、この時はVision of FatimaとAzamiのスプリットEP ''Wolf/Wave'' リリースツアーも兼ねてたんですが、この時にulawを初めて観てその時も最後にやった曲は''Farewell''でした。あの時はまだ何もわからなかったんですが、6年経って同じ曲を聴いてみると色々な曲のメッセージを受け取る感受性が3000倍になったからなのか刺さり具合が全然違いましたね。もちろんフロアがどうなってたかなんてもう言うまでもないですし、終わってからのオーディエンスが皆号泣していたのは忘れられない光景でした。


 多くのオーディエンスに疲労と感動を与えたulaw、次のライブは1/21に福岡Voodoo Loungeで行われる活動休止前最後の自主企画 ''Start Today Vol.10'' です。この日はトッパーと大トリの2回に分けて既存曲ほぼすべてを披露するスペシャルセット、既に多くのチケット予約来ているらしいです。この日は各地熱い公演が被っているうえ、残念ながら筆者も当日仙台で赴くことはできませんが、行きたい人は今すぐ予約を。しばしのお別れですが、またいつか。


末筆+α

 あれもこれも…って書いてたらいつの間にか12,000字くらいになってましたが、もはや平常運転です。やっぱり忘れられないライブこそちゃんと形に残るようにしたいと思ってるし、「自分の頭の中で繰り広げられていることを形にすることで、他社と共有できる部分を増やしたり感情を詳細に伝える」ことができるのは文章の一番の強みだと思っているので。もちろん人によって見方は違うし、「いや俺はこう感じた」って考えを知るのも面白いと思うんで、コメントとかもらえると嬉しいです。そしてこの記事を読んでくれる方が一人でも興味を持っていただき、是非ライブハウスに遊びに来ていただけると最高です。

 ライブレポは今回が今年最後になりますが、2022年は本当にWSUにお世話になりました。来年も年始早々からWSU関係者の企画が発表されているので、まだ言及してない公演についてわかっている範囲で載せときます。抜けてるのがあったら教えてください。

 来週は今年の総括ないし年末のご挨拶ということで、国内・関西のシーンとか、自分のこととか色々まとめます。

1/3: WSU Pre. ''Leave Youth Here Vol.4'' @心斎橋火影


1/8: ryuuka Pre. ''Sinister Syndicate vol.2'' @心斎橋CLUB STOMP


2/18: Aji (ReVERSE BOYZ) Pre. ''Roar Gathering'' @心斎橋クラッパー

WORLD END MANのアルバムレコ発大阪編です。


3/10: ReVERSE BOYZ Pre.
 ''Babylon Killer Night'' 

オールナイトイベントです


10/8: WSU & FCM共同企画 @TBA


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