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人一倍敏感な子だった息子の今 道のりは長かったような短かったような

先月、ついに4年間お世話になっていた民間学童を退所しました。
泣くかな~と思いきや、最終日は笑顔でお別れしたとのこと。

またいつ遊びにきてもいいんだからね!
家の鍵がしまっていたら、ここに帰ってきていいんだよ。
学童の前の公園に遊びにおいでよ〜、一緒に遊ぼう。
○○くんなら大丈夫!

最終日はパパのお迎えだったので、その前日、何人かの先生に先にご挨拶をさせていただいた。
たくさんの優しい言葉をかけていただき、帰り道の息子の目には涙が。そして袖で拭きながら、グッとこらえていた。
友達が立て続けに学童を辞めたときは、もうつまんないから冬休み後には辞めるとか言っていたのに、最後はやっぱり寂しそうだった。

いい学童に入れて良かったね。

息子も私も、この学童にどれだけ救われたんだろう。

はじめての小学校で怒鳴る先生に当たり、学校に行けなくなって「死にたい・・・」とまで思い詰めて学校で休んだ日も、その後不安定になったときもしっかり寄り添ってくれた。
子ども同士のトラブルも子どもたちで解決できるように見守ってくれたし、いつでも子どもの話をよく聞いてくれていた。
子どもがどんな様子か親にわかるように話してくれて、相談にもたくさんのってもらった。学童には珍しく若い男の先生も複数いて、工作やドッジボールも思いっきりさせてくれた。

同じ系列の保育園時代からほぼ9年間まるまるお世話になっていたので、中には保育園と学童とご夫婦でお世話になった先生もいたし、保育園で見知った先生がすぐ近くにいてくれた安心感もあった。

すごく泣き虫で、毎日泣いてばかりいた男の子だった息子は、心優しいところはそのままにすくすく成長している。
思い返せばめったに泣かなくなったな、と気づく。

***

息子はとても敏感な子どもだった。

本人にはあまり言ったことがないが、いわゆるHSCなんだと思う。
赤ちゃんの頃からそういう性質は顕著で、私は育てにくくてよく悩んでいた。

黄昏泣き(夕方になると赤ちゃんが泣きだして泣き止まない)は毎日一時間以上続き、背中にスイッチがあると言うのは本当で床やベットに寝かすとすぐ泣くので育休中で家にいる間はずっと抱っこしていた。
昼寝は必ず私のお腹の上。

復職してからも帰ってから必ず最低一時間は私とくっついていないとダメだったので、一年間はずっとワタミの宅食にお世話になり(今の時代だったら家事代行でお料理してもらってたと思う)夕飯を作るのは諦めた。
授乳も本人の強い意向で3歳過ぎるまで終わらなかった。

チクチクする服やタグが引っかかるものはダメなので、服のタグは切り、着心地の良いいつも同じメーカーの服を着せることになったし、空腹に耐えられないので(メルトダウンする)休みの日でも保育園と同じ時間に食事をすることを常にスケジュールしていた週末。

音や光など刺激が強いものは一切受け入れられず、ディズニーランドに遊びに行ったときは見事にショーしか楽しめない。
三歳の時グーフィーのペイント&プレイハウスくらいはいけるだろうと思って何とかなだめすかしてチャレンジしたら、静かにずっと耐えたのち、
「ママ、○○くんがイヤがることしないで」
泣くでもわめくでもなく、涙目で子どもから訴えられてママは反省。

どこかのHSCっ子のママさんのブログにあったけれど、HSCの場合、嫌だとか頭がいたいとかお腹が痛いなどは生理的なもの。
親がどうこうすれば何とかなるというレベル感ではなく、あるあるのエピソードの数々は他の子と比べるとかなり過剰で、常に起こるのである。
親は受け入れるしかない。

困り果てて、敏感っこや自閉症の子どもも含めた幼児教育の専門の先生に息子を連れて行って見せたところ「これはまた、ものすごく敏感なお子さんですね」といわれて、あぁやっぱりそうなんだ、と思って納得したことをよく覚えている。

***

そんな息子の今はといえば、あんまり敏感さは目立たなくなった。
そして私もそういえばHSCだったな、と思うくらいで気にしなくなった。

今はジェットコースターだって大好きだし、お昼は多少遅れたって大丈夫。
友だちと遊ぶのが何より大好きで、自分から誘って出ていける。
親と離れて1週間くらいのキャンプは大丈夫だし、見知らぬ子とも友達になれる。
相変わらずドキドキはするようだが、人前で話をするのは意外と得意だということに気づいたらしい。

特に取り立てて特別なところはないけれど、自分が何が好きで何が嫌いか、得意不得意は把握しているようだ。
身体を動かすのは好き。算数と理科が好き。

親はついついもっとを期待してしまうけれど、ふと、彼は彼のペースでしっかり成長しているんだなと思わされる場面を最近何度か見かけた。

そして私だけだったら今の彼はなかったとしみじみ思う。
保育園や学童、学校や習い事の先生やお友だち、ファミリーサポートの方、みんなにたくさん助けられて今がある。
人は人の中で育つというのは本当である。

人と人との出会いに感謝して、また新しい一年も彼にとって素晴らしいものになるように、そしてあらゆるトラブルも自分の糧にしていけるように、そう祈っている。


読んでくださってありがとうございます。

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