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読書&講演メモ:きみのお金は誰のため

寒くなってきたので冬眠したい、毎年そう思い続けていますが、なかなか現実は思うようにいかないmomomiです。
あたたかいほら穴のようなところにベットと小さなキッチンとテーブルを置いて、コトコトとポトフでも煮たりしながら本を読みたい、そんな風に思いますが、現実は仕事をしていなくてもなんだか12月は心が忙しい気がします。

さて、現在momomi家では家族全員で金融リテラシーを高めよう!キャンペーンが行われています。
というのも私も夫も金融リテラシーが低いせいでいろいろやらかしており、それもこれも、これまでお金の問題から真正面に向き合ってこなかった、そこに尽きます。

というわけで、今日は先日読んだ本&聞いた講演のメモです。
『きみのお金は誰のため』田内学 著

私はこの本のことは全く知りませんでしたが、探求学舎で開催されているセミナーの案内を見てなんだかとても気になり、結局本を読んで講演も聞きました。
後から振り返ると、最近私が悩んでいたことに対する回答が得られるのではないか?そう思ったことが最大のきっかけのように感じます。


働くとは何なのか?この質問に答えられますか?

私は現在早期退職して、仕事をする気があるが特に仕事はしておらず、仕事という側面から見るといわゆる失業中に該当します。
一方で、母親で結婚しているので、お金をいただいているか否かにこだわらなければ専業主婦ということもできます。

忙しく仕事をしていた時、仕事について考えることは多かったように思います。ワーママとして、仕事と家庭の両立というテーマは私にとってとても大きなものでした。
家族は大事にしたいけれど、仕事も思い切りやりたい、それはわがままなのか?という命題は常に私に付きまとっていたからです。

仕事を辞めた今、次に何をするかということもあり、働くってどういうことなのか?ということをよく考えます。
お金を稼ぐ、そのために仕事をする、それは私たちの中でとても当たり前の価値観のように感じますが、それは真実なのでしょうか?
でも、自分の能力を活かして楽しみながら何かの役に立てたら嬉しい。それでお金をもらえたらもっと嬉しい。そんな自分もいるのを感じています。

先日久しぶりに会った友人も『最近仕事って何だろう?ってよく考えるんだよね』と言っていたので、働くことについて考えている、そういう人が増えていることも実感しながら。

聞かれたことはありませんが、愛する息子に『働くってどういうこと?』って聞かれたら私はどう答えるんだろう。
その答えは今持ち合わせていません。
上手く言葉にできなくて・・・

『きみのお金は誰のため』とはどんな本か?

ジャンル的には経済教養小説に当たり、とても読みやすい本です。
小学校高学年から、という感じでしょうか。
主人公の中学生とボスと呼ばれる大富豪、投資銀行に勤める若い女性の三人の対話をベースにお金や社会の仕組み、日本が直面している問題に対して真っ向から切り込んでいく内容になっています。

所得、投資、貯金だけじゃない、
人生も社会も豊かにするお金の授業、開講!

現代の「お金の不安や疑問」を物語で楽しく解説!
・日本は借金まみれでつぶれるの?
・少子化でもやっていける方法って?
・物価が上がるのと下がるの、結局どっちがいい?
・どうして格差が広がるの?
・貯金をしても老後資金の問題は解決できない
・貿易赤字が「本当にヤバい」理由は?

Amazon 商品概要欄より抜粋

本&講演から学んだこと、考えたこと

お金自体には価値がない

「私たちはお金を過信しているんですね」
その言葉に、ボスは顔を輝かせる。
「まさに、それなんや」
それこそが、3つの謎を通して、ボスが伝えたかったことのようだ。
「お金は無力なんや。それに気づかへんと、お金を集めることだけに夢中になる。ここからがスタートや。ようやく君らと未来の話ができる」

『きみのお金は誰のため』田内学著より抜粋

よくよく考えてみると、私の心理学の師匠の一人は投資銀行でディーラーをやって大量に稼いでいたが辞め、カウンセラーになった人でした。大学の先輩はJPモルガンでディーラーになって多額のお金を稼ぎ、ロンドン近郊の5億円近くの豪邸を買っていました(これは一応ローン組んだと風の噂に聞きました)、でも数千万円稼ぐようになってからもいつもジャージで現れるような人でした。
お金もちの友人は仕事を辞めて、ボランティアをしたり、金融についてただで友達に教えたり、幸せについて考えるセカンドライフを楽しんでいます。

お金ってなんだろう?

田内さんはお金は誰かに働いてもらうためのチケットと表現されています。
お金自体には価値がない、ただ税金を払うことが必要になったときに共通の価値を示すものが必要になる。
そう、便宜上便利だから私たちはお金を使っているだけで、それ自体に価値がない、これがお金の不思議なところといっても過言ではないでしょう。

でも、私たちは忙しすぎていつもそのことを忘れてしまう。
そして同時に、資本主義社会で暮らすということはお金がないと困る側面がたくさん発生するから余計にややこしい。

お金は私たちの意思決定に大きな影響を与えている、それは確かな事実で、同時にそれ自体に価値はないという不思議さを改めて感じます。

お金より大事なもの、それは『仲間』

田内さんは講演でも強調されていましたが、お金よりも仲間の方が大事だ、とはっきりおっしゃっています。
誰かに働いてもらえるためのチケットであるお金があれば、確かに自分が困っているとき”協力してもらえるかもしれない”。
でも、友だちは困っているときに助けてくれる!

田内さんが本を出すきっかけになったのもご友人だそうです。
確かに、今私が孤独にならずに楽しく毎日を過ごせるのは、もともとの友人、家族、前職の仕事仲間、とあるコミュニティで知り合った友人たちのおかげという側面が強いです。

でも一方で、こう考えられるようになったのは自分がお金がたくさんあるわけではないけれど、今寝食に不自由していないから、という気もします。
本当にお金がなかったら、キレイごとばかりも言ってられない。

毎年お金が原因で亡くなる人がいる。
確かに仲間がいれば、こういった事態はよほどでない限り避けられるかもしれないけれど、それでも、お金が自由を保障してくれる部分はある気がするので、やっぱりあった方がいいなと思います。

ただ今年の8月に訪れた徳島県の神山町は、また少し違う未来のコミュニティを感じさせてくれました。こういうところが増えていけば、お金より仲間が大事という価値観は根付きやすいかもしれません。

田内さんから伝わってきた、日本に対して感じる危機感

とても印象に残ったのは、今日本で投資が大事、金融教育が大事と盛んに言われているが、日本では資産運用の側面でしか投資について話されていないことがとても心配、という田内さんのメッセージです。

個人的には、日本がそもそもそのステージに立っていないから今投資や金融教育についてこんなにいろいろ言われているのだと思います(来年から新NISAも始まりますしね)。ただ戦後の日本みたいな環境は別かもしれません。

スタンフォード大学の学生たちは、お金を増やすことを考えるのではなくて社会的課題を解決するためにお金を集める。だから自分が投資することばかりではなく、投資してもらえる側になれ!

これはけっこう強烈ですが、確かに私も自分の息子に言いたいことでもあります。稼げるようになることは大事。お金を稼ぐということは、人に対して価値を提供していることだから、そうやって社会に貢献できるようになってほしいと一人の親として思います。

でも、それ以前に、人から愛されて幸せに生きてほしい。
愛される人とは、やはり自分のことだけを考えているわけではなく、自分のやりたいことを楽しくやっているうちに、それが何故か周りのみんなのためになっている状態を恒常的に作っている気がします。
身近な人を見ても。

終わりに

詳しくはぜひ本を読んでみてください。
そして誰かと語り合いたいなと思います。

私の中で『働くとは?』『お金とは?』の正確な答えは持ち合わせていません。ただ、問いが自分の中に残りました。
そういう本はいい本だな、と思います。
息子にも読ませようと思いました。

お金と上手く付き合っていきながら、本当に自分の大切なものを大切にできる人生は豊かな人生だと思います。そんなセカンドライフにしたいです!

長文を読んでいただきましてありがとうございました!


おまけ:momomiの読書&講演メモ


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