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Sara Paretsky (1947.6.8- ) サラ・パレツキー『セプテンバー・ラプソディ(ハヤカワ・ミステリ文庫)』 山本やよい訳 カバー まきお 早川書房 2015.1  『カウンター・ポイント(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2016.12  『フォールアウト(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2017.12


サラ・パレツキー『セプテンバー・ラプソディ (ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバー まきお
早川書房 2015年1月刊
2015年2月23日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/415075375X


「ヴィクが挑むのは核開発の脅威!?
シリーズ史上もっとも壮大なスケールでおくる注目作

診療所の留守電に「殺される」という女性からの伝言。不吉な言葉を残し行方をくらました女性を捜して――友人の医師から頼みを受けた私立探偵ヴィクは、消えた女性ジュディの複雑な家庭事情を知る。彼女は家出後ろくでもない男と出逢い、薬に溺れた。ジュディにも希望の星があるはずだった。最先端企業で働く息子のマーティンだ。だが、彼も姿を消したことがわかり…家族関係の中に隠された闇にヴィクが鋭く切り込む!」

http://www.saraparetsky.com/
https://ja.wikipedia.org/wiki/サラ・パレツキー
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

Sara Paretsky (1947.6.8 - )
Critical Mass (2013)

2013年に米国で発表された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第16作。

季節はまだ真夏の炎暑が続く9月です。

ヴィクが五十代になってもう三冊目かな。
相変わらずタフでパワフルです。
682ページもある分厚い文庫本を五日間楽しみました。

原題の Critical Mass の意味をググってみると、
原子核分裂の連鎖反応が持続する核分裂物質の最少の質量を指す
「臨界質量」のようです。
物語の背景に1930年代のオーストリア・ウィーンの
放射能研究所が登場しますから、なるほどと思いました。

「ミック・ジャガーが 「無情の世界」 で
歌いつづけてることと同じよ、
ダードン。
"望んだって手に入るとはかぎらない"」 
わたしは軽い口調を崩さなかったが、内心では怯えていた。」
p.628「51 停電」

1969年7月4日に発売されたローリング・ストーンズのシングル盤
"Honky Tonk Women" のB面の曲で、
1969年12月5日発売のアルバム
Let It Bleed
の最終曲だった、現在のステージでも演奏され続けている名曲
"You Can't Always Get What You Want"
が引用されていて、高校に入学した
1970年にストーンズに夢中になった私はうれしくて、
ヴィクへの親近感が増しました。

https://www.youtube.com/watch?v=krxU5Y9lCS8
You Can't Always Get What You Want
Let it Bleed (1969) 45:48.



サラ・パレツキー『カウンター・ポイント(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバーイラスト/まきお
早川書房  2016年12月刊
2017年2月3日読了
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013412/
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753768

「25年前に起こった殺人事件。元恋人からその再調査を依頼された探偵ヴィクは、事件関係者に渦巻くウォーショースキー家の人間への敵意を感じ取る。どうやら彼女のいとこにして地元のヒーロー、ブーム=ブームと何か関係があるようなのだが……。生まれ育った街の暗部と過去の因縁に、ヴィクが毅然と立ち向かう!」

「25年前、ヴィクの地元で起こった殺人事件。元恋人からその再調査を依頼された彼女は、刑を終えた犯人を訪ねるものの、強く拒絶されてしまう。事件関係者にはなぜかウォーショースキー家の人間を激しく敵視しているものがいる。どうやらヴィクのいとこにして人気スポーツ選手だった、ブーム=ブームと何か関係があるようなのだが…。生まれ育った街の巨悪と過去の因縁。最大のピンチの中で見つけ出した逆転の糸口とは?」

2015年7月に米国で発表された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第17作。

原題 Brush Back は、野球で打者の体すれすれにボールを投げてのけぞらせるという意味のようです。第10章までの章題は全部野球用語で、最終章は「57 ホームスチール」。

季節はまだ寒い四月。

ヴィクの痛々しい描写を読むのが辛い622ページの文庫本ですが、
三日で読み終えてしまいました。

「「犯罪者が法律を破るときは、いつだって、もっともな理由があるものよ。人の人生を破壊しておきながら、自分のほうが偉いと思いこんでるから」

「あんただって派手に破壊してるぜ、ウォーショースキー。
人に泥をぶつけるときは、よく吟味して相手を選べ」
コンラッドは電話を切った。」
p.358 「32 野次」

コンラッド・ローリングズ(シカゴ市警警部補)は
第七作『ガーディアン・エンジェル』Guardian Angel (1992)
の頃のヴィクの恋人でした。
http://www.sgy2.com/vic/paretsky/people/body_4.html

Vic Fan Club: Sara Paretsky Site
http://www.sgy2.com/vic/paretsky/paretsky.html



サラ・パレツキー『フォールアウト(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバーイラスト サヌキナオヤ
早川書房 2017年12月刊
2018年2月11日
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013738/
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753776

「犯罪の疑いのある黒人の青年オーガストが、往年の名女優とともに失踪した。探偵ヴィクは彼らが向かったと思われるカンザス州の街へと赴く。オーガストたちは廃棄されたミサイル基地で何かを撮影していたらしい。調査に乗り出したヴィクは殺人事件に巻き込まれ……。中西部の郊外に渦巻く国家的陰謀の正体とは?」

http://www.saraparetsky.com/
https://ja.wikipedia.org/wiki/サラ・パレツキー
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

Sara Paretsky (1947.6.8 - )
Fallout (2017)
https://www.amazon.com/dp/0062435841

2017年4月に米国で発売された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第18作。

654ページを五日間楽しみました。

毎回お馴染みの、暴力によるヴィクの痛々しい描写は
598ページのテーザー銃(スタンガン)で撃たれる場面まではなくて、
私としては読みやすかったです。

第8作『バースデイ・ブルー』 Tunnel Vision 1994
https://note.com/fe1955/n/nae30aae123d2
はヴィクの40歳の誕生日の三ヶ月前、1992年4月の物語でした。

第14作『ウィンター・ビート』 Body Work (2010)
https://note.com/fe1955/n/nccf46a3e5ca7
で、五十歳ぐらいになっていましたけど、
その後年齢は明示されていません。
今は何歳なんだろう?

「「若くてトレンド好きならビールだね。地ビール」
ヘンペルが指定したのはホップハザードリーとかいう銘柄だった。
 … 
ヘンペルはホップハザードリーをふた口で飲みほし、ボトルを両手にはさんでころがしていた。」
p.54「5 クラフトビール」
  
「ホップハザードリー」でググってみても見つかりませんでしたが、Hophazardly で検索するとありました。

「シカゴの Begyle Brewing Co. が製造販売しているアルコール分7.1度の American IPA (インディア・ペールエール アメリカのクラフトビールの醸造所では最も多く醸造されているスタイル)です。」
https://www.beeradvocate.com/beer/profile/30121/91403/

https://ja.wikipedia.org/wiki/インディア・ペールエール


読書メーター サラ・パレツキーの本棚(登録冊数26冊 発表年順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091237

読書メーター ミステリの本棚(登録冊数357冊 著者名五十音順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091193

https://note.com/fe1955/n/n12763c05d8f7
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第1作 Indemnity Only (1982)
『サマータイム・ブルース(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 早川書房 1985.6
『サマータイム・ブルース 〔新版〕(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2010.8
第2作 Deadlock (1984)
『レイクサイド・ストーリー (ハヤカワ・ミステリ文庫)』 1986.3
第3作 Killing Orders (1985)
『センチメンタル・シカゴ (ハヤカワ・ミステリ文庫)』 1986.9

https://note.com/fe1955/n/n9a61cd5c63de
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第4作『レディ・ハートブレイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 早川書房 1988.7
第5作『ダウンタウン・シスター (ハヤカワ・ミステリ文庫)』1989.9
第6作『バーニング・シーズン (ハヤカワ・ミステリ文庫)』1991.4

https://note.com/fe1955/n/nae30aae123d2
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第7作『ガーディアン・エンジェル Hayakawa Novels』
山本やよい訳 早川書房 1992.9
第8作『バースデイ・ブルー Hayakawa Novels』1994.10
短篇集『ヴィク・ストーリーズ(ハヤカワ・ミステリ文庫)』1994.9
第9作『ハード・タイム (ハヤカワ・ノヴェルズ)』 2000.12

https://note.com/fe1955/n/n56d10804550c
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第10作『ビター・メモリー Hayakawa novels』
山本やよい訳 早川書房  2002.12
第11作『ブラック・リスト(ハヤカワ・ノヴェルズ)』2004.9
第12作『ウィンディ・ストリート(ハヤカワ・ノヴェルズ)』2006.6


https://note.com/fe1955/n/nccf46a3e5ca7
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第13作『ミッドナイト・ララバイ(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 早川書房 2010.9
第14作『ウィンター・ビート(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2011.9
第15作『ナイト・ストーム(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2012.9

https://note.com/fe1955/n/n7f4e64e7e5f0
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第19作 Shell Game (2018)
『クロス・ボーダー 上・下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 早川書房 2021.9
第20作 Dead Land (2020)
『ペインフル・ピアノ 上・下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2022.11

https://note.com/fe1955/n/n0204b24b491f
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
第1作『チャイナタウン (創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 1997.11
第2作『ピアノ・ソナタ (創元推理文庫)』1998.12
第3作『新生の街 (創元推理文庫))』2000.4
第4作『どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)』2002.6

https://note.com/fe1955/n/nae61ba300340
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
第5作『苦い祝宴(創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 2004.1
第6作『春を待つ谷間で(創元推理文庫)』2005.9
第7作『天を映す早瀬(創元推理文庫)』2005.8
第8作『冬そして夜(創元推理文庫)』2008.6
短篇集『夜の試写会(創元推理文庫)』2010.4

https://note.com/fe1955/n/n4bc95498af2b
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
第9作『シャンハイ・ムーン(創元推理文庫)』
直良和美訳 東京創元社 2011.9
第10作『この声が届く先(創元推理文庫)』2012.6
『永久に刻まれて リディア&ビル短編集(創元推理文庫)』2013.8
第11作『ゴースト・ヒーロー(創元推理文庫)』2014.7
第12作『南の子供たち(創元推理文庫)』2022.5

https://note.com/fe1955/n/n60bf9583961a
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
第1作『ゴッドウルフの行方』菊池光訳 早川書房 1984.10
第2作『誘拐』飯島永昭訳 立風書房 1980.10
第2作『誘拐』菊池光訳 早川書房 1989.2
第3作『失投』飯島永昭訳 立風書房 1977.3
第3作『失投』菊池光訳 早川書房 1985.10

https://note.com/fe1955/n/n6ed20bab5a3b
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
第4作『約束の地』菊池光訳 早川書房 1978.8
第5作『ユダの山羊』菊池光訳 早川書房 1979.9
第6作『レイチェル・ウォレスを捜せ』菊池光訳 早川書房 1981.12
第7作『初秋』菊池光訳 早川書房 1982.9

https://note.com/fe1955/n/na6b78450f7c1
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
第2作『度胸 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.7
第4作『大穴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.4
第5作『飛越 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.9
山本一生「D・フランシスの究極のミステリー」
『書斎の競馬学 』平凡社新書 2008.12

https://note.com/fe1955/n/n704a9c240bcb
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
第27作『横断 (ハヤカワ・ノヴェルズ)』
菊池光訳 早川書房 1989.11
Conan Doyle (1859.5.22-1930.7.7)
コナン・ドイル
『回想のシャーロック・ホームズ 新訳版(創元推理文庫)』
深町眞理子訳 東京創元社 2010.7
小池滋先生(1931.7.15- )
小野二郎(1929.8.18-1982.4.26)

https://note.com/fe1955/n/n9559f73b6968
古内一絵『キネマトグラフィカ』東京創元社 2018.4
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
第29作『標的(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
菊池光訳 早川書房 1996.9
コテージパイとシェパーズパイ

https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『快楽としてのミステリー(ちくま文庫)』 筑摩書房 2012.11

https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『決定版 深夜の散歩 ミステリの愉しみ』講談社 1978.6

https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ(創元推理文庫)』東京創元社 2019.10

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