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Sara Paretsky (1947.6.8- ) サラ・パレツキー 『レディ・ハートブレイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)』 山本やよい訳 早川書房 1988.7  『ダウンタウン・シスター (ハヤカワ・ミステリ文庫)』1989.9  『バーニング・シーズン (ハヤカワ・ミステリ文庫)』1991.4

Sara Paretsky (1947.6.8- )
サラ・パレツキー 『レディ・ハートブレイク (ハヤカワ・ミステリ文庫)』 山本やよい訳 表紙カバー 江口寿史
早川書房 1988年7月刊
2008年9月3日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753547
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/50404.html


「女医ロティの代診の医師が撲殺された。通りすがりの犯行でなければ、最近救急病院で死亡した妊婦の夫がギャングを雇いうらみを晴らそうとしたのか。わたしはその線を洗おうとするが、今度はロティの診療所がデモ隊に襲われる。錯綜する事件の向こうには何が? 女探偵ヴィクの苦くハードな闘いを描く第四作。」

http://www.saraparetsky.com/
https://ja.wikipedia.org/wiki/サラ・パレツキー
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

Sara Paretsky (1947.6.8 - )
Bitter Medicine (1987)

1987年に米国で発表された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第3作。
舞台は夏のシカゴ。

主人公のヴィクは、職業柄、活動的な体調を保つべく、運動と食事に留意しています。他の季節のトレーニングはランニング5マイルですが、本書では湖で泳いでいて、気持ちが良さそうです。

ただし食べ物は、時には破目をはずします。

「…ロティが <ドートマンダー> でわたしを待っていた … 昼食ではカテージ・チーズにあまり手をつけなかったので、たまにはいいだろうと、仔牛のチョップと <ドートマンダー> 特製のポテトを頼んだ。ポテトは二度揚げしてあるので、外はカリカリ、なかはふっくらフワフワである。

ロティはシーフード・サラダとコーヒーにした。だって、彼女はわたしより小柄だもの。カロリーの消費量だってすくなくてすむ。いや、それはわたしの屁理屈というものだ…」
p.279「ゴミの始末」

「… <ベルモント・ダイナー> に出かけた。昨日の夕食にフライド・ポテトをたべたからって、どうだというのだ。ブルーベリー・パンケーキ、二倍量のベーコン、たっぷりのバターとシロップ、そしてコーヒーにしたどうせ死んでしまえば、ダイエットする時間が目の前に延々と続くのだ…」
p.289「医療機材」


サラ・パレツキー『ダウンタウン・シスター (ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 表紙カバー 江口寿史
早川書房 1989年9月刊
2008年9月7日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753555

「生まれ育った街サウス・シカゴには古い友人たちがいる。 その一人で、姉妹のような間柄だったキャロラインが父親を探してと頼んできた。 病に伏している母親が私生児の彼女に絶対に実父の名を明かそうとしなかったのだ。 幼なじみのたっての依頼で、わたしは母親が勤めていた化学工場に探りを入れるのだが、やがて調査は意外な様相を…… V・Iの命を賭した行動を描き、英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞受賞の第五作」

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https://ja.wikipedia.org/wiki/サラ・パレツキー
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

Sara Paretsky (1947.6.8 - )
Blood Shot (1988)

1988年に米国で発表された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第5作。

読み始めて最初にあれ? と思ったのは
第1章の章題が「追憶のハイウェイ 41」だったことです。
ボブ・ディランが1965年に発表した
LP 『追憶のハイウェイ 61』 を連想しました。
「ライク・ア・ローリング・ストーン」が収録されている、
年寄りなロック・ファンには有名なアルバムです。

最終章の標題は
「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」で、これも
ボブ・ディランが1965年に発表したLPの題名です。

『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』に収録されている
「ミスター・タンブリン・マン」は、フォークロック・バンド、
バーズがカバーして大ヒットしました。

Mr. Tambourine Man (1965) / The Byrds
https://www.youtube.com/watch?v=4yLsTTaWvbs


私はボブ・ディランのファンではありませんが、この2枚のLPは、
高校生〜大学生の頃に(1970-77)、何十回以上も聴いています。
残念ながら歌詞の内容を憶えていないので、
本書の章題との関係は分かりませんけど。

Bob Dylan - Highway 61 Revisited [Full Album] 51:13
https://www.youtube.com/watch?v=8PP2MjP84Gw

https://en.wikipedia.org/wiki/Highway_61_Revisited
https://ja.wikipedia.org/wiki/追憶のハイウェイ_61

https://en.wikipedia.org/wiki/Highway_61_Revisited
https://ja.wikipedia.org/wiki/追憶のハイウェイ_61

Bringing It All Back Home - Bob Dylan (Full Album)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLXRKTcRs-Xs4VBG76rh0C9EZsURxfQZP1

https://en.wikipedia.org/wiki/Bringing_It_All_Back_Home
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム


「 … 今日はブルーベリー・マフィン以外、ろくにものを食べていない。
一軒のバーにサブマリン・サンドウィッチ(フランスパンにハム、ソーセージ、トマトなどをはさんだ大型のサンドウィッチ)とイタリアン・ビーフの看板が出ていたので、ミートボール・サブマリンと生ビールを頼んだ…」
p.211「父親の陰に」 

これまでの4作同様、読んでいると、
うつ病な現実を忘れさせてくれました。

サラ・パレツキー『バーニング・シーズン (ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 表紙カバー 江口寿史
早川書房 1991年4月刊
2008年9月10日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753563

「父の妹のエレナはアル中で身持ちが悪く、昔から一家の悩みのタネだった。そんな叔母が、不審火で住まいにしていたホテルを焼け出され、わたしのアパートに転がりこんできた。一日でも早く苦手な叔母を追い払うために新しい住居探しを始めたが、一方、叔母の隣人の娘が別なビルの建設現場から死体となって発見された。事件の背景を洗い始めたわたしにも、やがて生命の危機が…。シカゴの女探偵の怒りの行動を描く最新作。」

http://www.saraparetsky.com/  
https://ja.wikipedia.org/wiki/サラ・パレツキー
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

Sara Paretsky (1947.6.8 - )
Burn Marks (1990)

1990年に米国で発表された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第6作。

「サルの生ビールは小さなビール会社が彼女個人のために作っている。
ビール党の友人たちにいわせれば、とてもご機嫌なビールだそうだ…」
p.139「放火捜査に火をつける」

ヴィクの旧友、サル・バーテルが経営している、
バー「ゴールデン・グロー」は、
第1作から毎回登場していて、常連の一人、
新聞記者のマリ・ライアスン(男性)は、
この店に来るとドイツのビール、ホルステンを飲みます。

私もビール党なので、
サルの生ビールとホルステンの両方とも飲みたいなあ。

「 … ロビンはわたしと一緒に <ゴールデン・グロー> に向った。
サウス・ループにあるわたしの行きつけの、大好きなバーである …
店にいるのは経営者のサル・バーテル …
わたしたちが腰をおろし、
ロビンが本物のティファニー・ランプに歓声をあげるまで待ってから、
注文をとりにきた。

「いつものだろ、ヴィク」
ロビンがビールを頼んだのに対して、サルが尋ねた。
いつものとは黒ラベルのストレートのこと …
ウィスキーを飲みたいと思ったときには、ウィスキーを飲もう …

ロビンが生ビールを一口飲み、感激の面持ちで目をみはった。
「この横を百回は通ってるはずなのに。
こんなうまいビールをどうして見落としてたんだろう」

サルの生ビールは小さなビール会社が彼女個人のために作っている。
わたしはビール党ではないが、
ビール党の友人たちにいわせれば、とてもご機嫌なビールだそうだ…」
p.139「放火捜査に火をつける」

1990年当時は、
「クラフトビール」という言葉は、
まだ無かったでしょうね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Craft_beer
https://ja.wikipedia.org/wiki/クラフトビール

世界のビール ホルステン
http://worldbeers.blog71.fc2.com/blog-entry-794.html
「800年の歴史を持つハンブルグの北部ドイツ最大のメーカー、アルコール度数5%のピルスナースタイルのビールです。
口に含むと、ほのかに藁の様な麦芽と青みのあるホップの風味が感じられ、後味には強めの苦味が残ります。
甘味のあるモルトと程よいホップ感があり、強めの苦味と全体的にしっかりとした味わいのあるビールです。」

https://bier.jp/itemdetail/Ax122  
【終売】 ホルステン プレミアム瓶
本格的ドイツビール。
ビール純粋令に従って大麦、ホップ、水のみから造られているビールです。
すばらしい風味とコクを有しています。800年の歴史をもつハンブルグの北部ドイツ最大メーカーです。
※在庫限りで終売予定


https://www.amazon.co.jp/dp/B00IWQ6GWU
「素材の味を最大限に生かした本場ドイツビール
ホルステン プレミアム
現在在庫切れです。
この商品の再入荷予定は立っておりません。」


第6作『『バーニング・シーズン』も、
今までに読んだ5冊同様に、
うつ病な現実を忘れさせてくれました。

読書メーター サラ・パレツキーの本棚(登録冊数26冊 発表年順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091237

ミステリの本棚(登録冊数357冊 著者名五十音順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091193

https://note.com/fe1955/n/n12763c05d8f7
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第1作 Indemnity Only (1982)
『サマータイム・ブルース(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 早川書房 1985.6
『サマータイム・ブルース 〔新版〕(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2010.8
第2作 Deadlock (1984)
『レイクサイド・ストーリー (ハヤカワ・ミステリ文庫)』 1986.3
第3作 Killing Orders (1985)
『センチメンタル・シカゴ (ハヤカワ・ミステリ文庫)』 1986.9


https://note.com/fe1955/n/n7f4e64e7e5f0
Sara Paretsky (1947.6.8- ) 
サラ・パレツキー
第19作 Shell Game (2018)
『クロス・ボーダー 上・下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 早川書房 2021.9
第20作 Dead Land (2020)
『ペインフル・ピアノ 上・下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2022.11


https://note.com/fe1955/n/n0204b24b491f
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
『チャイナタウン (創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 1997.11
『ピアノ・ソナタ (創元推理文庫)』1998.12
『新生の街 (創元推理文庫))』2000.4
『どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)』2002.6


https://note.com/fe1955/n/nae61ba300340
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
『苦い祝宴(創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 2004.1
『春を待つ谷間で(創元推理文庫)』2005.9
『天を映す早瀬(創元推理文庫)』2005.8
『冬そして夜(創元推理文庫)』2008.6
『夜の試写会(創元推理文庫)』2010.4


https://note.com/fe1955/n/n4bc95498af2b
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
『シャンハイ・ムーン(創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 2011.9
『この声が届く先(創元推理文庫)』2012.6
『永久に刻まれて リディア&ビル短編集(創元推理文庫)』2013.8
『ゴースト・ヒーロー(創元推理文庫)』2014.7
『南の子供たち(創元推理文庫)』2022.5


https://note.com/fe1955/n/n60bf9583961a
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
『ゴッドウルフの行方』菊池光訳 早川書房 1984.10
『誘拐』飯島永昭訳 立風書房 1980.10
『誘拐』菊池光訳 早川書房 1989.2
『失投』飯島永昭訳 立風書房 1977.3
『失投』菊池光訳 早川書房 1985.10


https://note.com/fe1955/n/n6ed20bab5a3b
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
『約束の地』菊池光訳 早川書房 1978.8
『ユダの山羊』菊池光訳 早川書房 1979.9
『レイチェル・ウォレスを捜せ』菊池光訳 早川書房 1981.12
『初秋』菊池光訳 早川書房 1982.9


https://note.com/fe1955/n/na6b78450f7c1
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
第二作『度胸 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.7
第四作『大穴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.4
第五作『飛越 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.9
山本一生「D・フランシスの究極のミステリー」
『書斎の競馬学 』
平凡社新書 2008.12


https://note.com/fe1955/n/n704a9c240bcb
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
『横断 (ハヤカワ・ノヴェルズ)』
菊池光訳 早川書房 1989.11
Conan Doyle (1859.5.22-1930.7.7)
コナン・ドイル
『回想のシャーロック・ホームズ 新訳版(創元推理文庫)』
深町眞理子訳 東京創元社 2010.7
小池滋先生(1931.7.15- )
小野二郎(1929.8.18-1982.4.26)


https://note.com/fe1955/n/n9559f73b6968
古内一絵『キネマトグラフィカ』東京創元社 2018.4
ディック・フランシス『標的(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
菊池光訳 早川書房 1996.9
コテージパイとシェパーズパイ


https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『快楽としてのミステリー(ちくま文庫)』 筑摩書房 2012.11


https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『決定版 深夜の散歩 ミステリの愉しみ』講談社 1978.6


https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ(創元推理文庫)』東京創元社 2019.10


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