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Sara Paretsky (1947.6.8- ) サラ・パレツキー『ペインフル・ピアノ 上・下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』山本やよい訳 早川書房 2022.11 『クロス・ボーダー 上・下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』2021.9

Sara Paretsky (1947.6.8- )
サラ・パレツキー『ペインフル・ピアノ 上(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバーイラスト サヌキナオヤ
早川書房 2022年11月15日発行 384ページ
2022年12月12日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753806

「おもちゃのピアノを鳴らすホームレスの女性。声を失った元アーティストの彼女は、殺人の目撃者だった。ヴィクは捜査を行うが……」

https://viewer-trial.bookwalker.jp/03/13/viewer.html?cid=93b010a0-d2a3-4f98-917f-27c0d24273f5&cty=0&adpcnt=7qM_t

で、34ページまで、試し読みできます。


福岡市総合図書館予約10人。

2020年1月に米国で発売された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第20作。
https://www.amazon.com//dp/1473624452
Dead Land
January 1, 2020

Sara Paretsky (1947.6.8- )
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

去年2021年10月に読んだ、
第19作『クロス・ボーダー』以来、一年ぶりの新作。

今年5月に刊行済みな第21作
https://www.amazon.com/dp/0063010887
Overboard: A Novel (V.I. Warshawski Novels, 22)
Book 21 of 21: V.I. Warshawski Novels
May 10, 2022
の日本語訳を早く読みたいなぁ。

https://en.wikipedia.org/wiki/Anacaona
「「十五世紀にスペイン人に殺された女性、
恥ずかしながら、わたし[ヴィク]には初耳だったけど、
アンコーナとかいう名前だったわ」

「アナカオーナだよ、イスパニョーラ島[カリブ海、ドミニカ共和国・ハイチ]に住んでいた。ヨーロッパ人が来る前は未開の地だったから、女だって部族の指導者になれた。わたしも、妹たちも、アナカオーナの話を聞きながら大きくなったんだよ。スペインの連中は彼女の黄金と土地を奪おうとした。彼女が抗戦して敗れると、連中は男たちの慰み者になるか、死ぬか、どちらかを選べと言った。彼女は死を選んだ」

サル・バーテル[バー「ゴールデン・グロー」経営者、ヴィクの旧友]
も妹たちもシカゴ生まれだが、両親はハイチ生まれの移民だ。」
p.47「3 トレーダーの愚行」

1955年生まれの67歳な私は、大学生の頃、LPレコード
Fania All Stars Live At Cheetah (1971.8.26)
https://youtu.be/67lLSbWcM-k?t=872
https://www.discogs.com/ja/release/4060329-Fania-All-Stars-Live-At-The-Cheetah-Vol-1
で、

チェオ・フェリシアーノ「アナカオーナ」1971
Anacaona Cheo Feliciano (Letra)
https://www.youtube.com/watch?v=q2K-_EnL33Q
Cheo Feliciano (1935.7.3-2014.4.17)
https://en.wikipedia.org/wiki/Cheo_Feliciano
を聴いていましたけど、
シカゴ生まれ育ちな五十歳以上のヴィクは、
1970年代に、
サルサ(ニューヨーク・ラテン)を聞いていないんですねぇ。

第1作『サマータイム・ブルース』Indemnity Only (1982)
の頃に、既に三十路だったのに。

7月に読んだ、
S. J. Rozan (1950- )
S・J・ローザン『南の子供たち(創元推理文庫)』2022.5
リディア・チン&ビル・スミス・シリーズ第12作
https://note.com/fe1955/n/n4bc95498af2b
(第1作『チャイナタウン』China Trade 1994)
https://note.com/fe1955/n/n0204b24b491f
と同様に、
『サザエさん』や『じゃりン子チエ』のような、
キャラクタは歳を取らない設定なのでしょう。

サラ・パレツキー『ペインフル・ピアノ 下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバーイラスト サヌキナオヤ
早川書房 2022年11月15日発行 384ページ
2022年12月14日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753814

「おもちゃのピアノを鳴らすホームレスの女性。声を失った元アーティストの彼女は、殺人の目撃者だった。ヴィクは捜査を行うが……」

https://viewer-trial.bookwalker.jp/03/13/viewer.html?cid=0dd4b8ba-44ba-4a3e-8e60-c62b4dfc92a0&cty=0&adpcnt=7qM_t

で、34ページまで、試し読みできます。

福岡市総合図書館予約10人。

Dead Land (2020)
Sara Paretsky (1947.6.8- )
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

上巻は三日ほどかけて、ゆっくり楽しみながら読んでましたけど、
下巻は一気に一日で読まされてしまいました。

ハードボイルド・ヒロイン(元公選弁護士なシカゴの女性私立探偵)による、フーダニット&ホワイダニット・ミステリですねぇ。

「ベア[大型犬]を車に乗せて事務所へ向かった。ミッチ[大型犬、ペピーの子供だったかな?]がベアをいじめるのを止めようとしてミスタ・コントレーラスに奮闘させるのは気の毒だという配慮からだが、それだけではなく、クープの居場所がわかったら一刻も早く犬を突き返したいという思いがあったからだ。
わたしはコルタードを飲みながら、犬はデスクの下で犬用ガムをかじりながら、両方が事務所に腰を落ち着けた」
p.11「31 みんなで追跡」

コルタードってなんだろう?
以前読んだ作品でもヴィクが飲んでいたような気がするなぁ、
と思いながらググりました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/コルタード
「コルタード(Cortado)は、少量の温かい牛乳で薄めたエスプレッソである。牛乳とコーヒーの比は1:1から1:2であり、牛乳はエスプレッソを作った後に加える。コルタードという言葉は、切るという意味のスペイン語の動詞の過去分詞である。」

https://en.wikipedia.org/wiki/Cortado
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/エスプレッソ
https://en.wikipedia.org/wiki/Espresso

「ピッツェッロ[女性・部長刑事]は
[ヴィクが淹れた]エスプレッソに口をつけないまま、下に置いた。
「ミルクがないとおいしくない」」
p.332「26 洞窟のヴァンパイア」

高校生の頃(1970-72)に通い始めた喫茶店でコーヒーを憶え、
その後、コーヒー豆を買って来てドリップで淹れて飲むと
たいていの喫茶店よりずっと美味しく飲めることを知ってから、
もう四十年以上ブラックで飲み続けてますけど、
ロサンジェルスの私立探偵・フィリップ・マーロウが
砂糖とミルクを入れて飲んでいるのを読んで、
えっ、ハードボイルド探偵は甘いコーヒーを飲むんだ
と知って驚いたのも、高校生~大学生の頃だったかなぁ?

その数年後、
ボストンの私立探偵・スペンサーを初めて読んだ時も、
あれ、フィリップ・マーロウと同じだな、と思いました。

サラ・パレツキー『クロス・ボーダー 上(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバーイラスト サヌキナオヤ
早川書房 2021年9月刊 368ページ
2021年10月22日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753784

「私立探偵ヴィク、4年ぶりの帰還!
小さな仕事をさばきながら、何とか糊口をしのいでいる探偵ヴィクのもとに、一本の電話がかかってくる。それは親友ロティの又甥が殺人容疑をかけられているというものだった。彼を助けるために調査を始めた彼女だったが、そこにまた別の事件が持ち込まれる。ヴィクの姪リノが失踪したというのだ。期せずして彼女はふたつの事件を同時に追うことになるが……弱きを助け強きを挫く、V・I・ウォーショースキー堂々の帰還!」

「事件の捜査を進める中、ヴィクはリノの妹とともに謎の男たちに襲われてしまう。傷を負った彼女はボロボロになりながらも自身の追う殺人事件と失踪事件が互いに関係している可能性に思い至る。そしてそれらを結びつける鍵を握っているのは、彼女の元夫ディックだった! 彼の周辺を調査していくうちに華やかなシカゴの街の裏に潜む巨悪の姿が見え始め……。複雑な事件に立ち向かうヴィクの雄姿を描くパレツキーの会心作!」

福岡市総合図書館予約8人。

2018年10月に米国で発売された、
シカゴの女性私立探偵 V.I.ウォーショースキー・シリーズ第19作。
Shell Game: A V.I. Warshawski Novel
https://www.amazon.com/dp/0062435868
Sara Paretsky (1947.6.8- )
https://en.wikipedia.org/wiki/Sara_Paretsky

2018年2月に読んだ、
第18作『フォールアウト』
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/1794330877308210
以来、四年ぶりですから、750ページを四日で読んでしまいました。

「「ロティ先生の力になっておったのなら、
あんたはまさに正しいことをしたわけだ。
上へ行って、熱い風呂に入って、清潔な服に着替えるといい。
わしがこの二匹[ペピーとミッチ、ゴールデンレトリバー]と一緒に
夕食を運んでやるから」

ミスタ・コントレーラスの料理のレパートリーはごくわずかだ。
トマトソースで和えたスパゲッティ、ステーキ、チキンのオーブン焼き。
今夜はスパゲッティで、
トマトは彼が去年の秋に自家菜園でとれたのを瓶詰しておいたものだ。

そこにわたしがパルメザンチーズを加えた。このチーズは母がいつも買物をしていた古いイタリアン・デリで買ってきた。ハーレム・アヴェニューに巨大小売店がいくつも進出するなかで、この店はどうにか生き延びている。」
p.143-144「13 一日一個のアップルが……」

〈V・I・ウォーショースキー〉シリーズ最新作!
初めての人でもわかる『クロス・ボーダー』登場人物紹介!
https://www.hayakawabooks.com/n/nc4c201203c73

サラ・パレツキー『クロス・ボーダー 下(ハヤカワ・ミステリ文庫)』
山本やよい訳 カバーイラスト サヌキナオヤ
早川書房 2021年9月刊。384ページ
2021年10月24日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753792

福岡市総合図書館予約6人。

「ペピー[ゴールデンレトリバー]はわたしと一緒に階段をのぼって、
食料戸棚を点検するわたしを期待の目で見守った。

「あなたが買い物に行ってくれてれば、まともな夕食が出せたんだけど、
この状況では、チーズサンドイッチか卵料理しかなさそうね。
サンドイッチなら火を使わずに作れる」

上質のパンを冷凍するのを忘れていた。
パンは冷酷な緑色に変わっていた。
ライクリスプ・ブレッドにチーズをのせた。美味。
ジョニー・ウォーカーの黒ラベルで流しこんだ。さらに美味。」
上巻 p.300「27 家具の一部」

「母の形見の赤いヴェネツィアンガラスのワイングラスをとりだし、
ブルネッロ[Brunello di Montalcino 中部イタリア・トスカーナ州の高級ワイン]の栓を抜いた。深い赤、芳醇なボディ。
トーストしたチーズサンドイッチをつまみながら飲むのにぴったりのワイン。居間の床に寝そべり、カブスとマリンーズの試合を見ながら、サンドイッチを食べた。6回裏に入ったあたりで眠りこんでいた。」
p.184「48 上等なワインを劣化したチーズと一緒に」

シカゴで生まれ育ったヴィク
(父はポーランド、母はイタリアからの移民)
が食べているチーズは、どんなチーズなんだろう?

第8作『バースデイ・ブルー』1999.5
Tunnel Vision (1994)
https://bookmeter.com/books/511550
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753636

は、ヴィクの40歳の誕生日の三ヶ月前、
1992年4月の物語でした。

第14作『ウィンター・ビート』2011.9
Body Work (2010)
https://bookmeter.com/books/4091166
https://www.amazon.co.jp/dp/4150753725

で、五十歳ぐらいになっていましたけど、
その後、年齢は明示されていませんね。

「「きみにはその傷から顔を背けるようなパートナーがいないといいのだが」
「以前はいたわ。あわてて顔を背けてスイスへ行ってしまった」

「わたしは五十歳、新たな道を、新たな冒険を求めているんだと思う。
年をとりすぎて冒険できなくなる前に」
サンセンはわたしの手を握りしめ、それから放した。」
下巻 p.76「彼らが運んできたもの」

読書メーター サラ・パレツキーの本棚(登録冊数25冊 発表年順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091237

ミステリの本棚(登録冊数357冊 著者名五十音順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091193


https://note.com/fe1955/n/n0204b24b491f
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
『チャイナタウン (創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 1997.11
『ピアノ・ソナタ (創元推理文庫)』1998.12
『新生の街 (創元推理文庫))』2000.4
『どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)』2002.6

https://note.com/fe1955/n/nae61ba300340
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
『苦い祝宴(創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 2004.1
『春を待つ谷間で(創元推理文庫)』2005.9
『天を映す早瀬(創元推理文庫)』2005.8
『冬そして夜(創元推理文庫)』2008.6
『夜の試写会(創元推理文庫)』2010.4

https://note.com/fe1955/n/n4bc95498af2b
S. J. Rozan (1950- ) 
S.J.ローザン
『シャンハイ・ムーン(創元推理文庫)』直良和美訳 東京創元社 2011.9
『この声が届く先(創元推理文庫)』2012.6
『永久に刻まれて リディア&ビル短編集(創元推理文庫)』2013.8
『ゴースト・ヒーロー(創元推理文庫)』2014.7
『南の子供たち(創元推理文庫)』2022.5


https://note.com/fe1955/n/n60bf9583961a
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
『ゴッドウルフの行方』菊池光訳 早川書房 1984.10
『誘拐』飯島永昭訳 立風書房 1980.10
『誘拐』菊池光訳 早川書房 1989.2
『失投』飯島永昭訳 立風書房 1977.3
『失投』菊池光訳 早川書房 1985.10


https://note.com/fe1955/n/n6ed20bab5a3b
Robert B. Parker (1932.9.17-2010.1.18) 
ロバート・B・パーカー
『約束の地』菊池光訳 早川書房 1978.8
『ユダの山羊』菊池光訳 早川書房 1979.9
『レイチェル・ウォレスを捜せ』菊池光訳 早川書房 1981.12
『初秋』菊池光訳 早川書房 1982.9


https://note.com/fe1955/n/na6b78450f7c1
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
第二作『度胸 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.7
第四作『大穴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.4
第五作『飛越 (ハヤカワ・ミステリ文庫)』菊池光訳 早川書房 1976.9
山本一生「D・フランシスの究極のミステリー」
『書斎の競馬学 』
平凡社新書 2008.12


https://note.com/fe1955/n/n704a9c240bcb
Dick Francis (1920.10.31-2010.2.14)
ディック・フランシス
『横断 (ハヤカワ・ノヴェルズ)』
菊池光訳 早川書房 1989.11
Conan Doyle (1859.5.22-1930.7.7)
コナン・ドイル
『回想のシャーロック・ホームズ 新訳版(創元推理文庫)』
深町眞理子訳 東京創元社 2010.7
小池滋先生(1931.7.15- )
小野二郎(1929.8.18-1982.4.26)


https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『快楽としてのミステリー(ちくま文庫)』 筑摩書房 2012.11


https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『決定版 深夜の散歩 ミステリの愉しみ』講談社 1978.6


https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ(創元推理文庫)』東京創元社 2019.10


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