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2019年2月の記事一覧

残念なリンゴに出合ったら、キャラメルアップルトーストを

残念なリンゴに出合ったら、キャラメルアップルトーストを

February 21, 2019

なんだか味が薄い、残念なリンゴに出合ってしまったら、少量のバターときび砂糖をフライパンに敷いて、薄く切ったリンゴをソテーします。水分が抜けて、バターと砂糖でほどよくキャラメリゼされて、濃密になるというか、同じリンゴとは思えないおいしさです。

さらに仕上げにレモンをキュ、と絞ってもいいし、好みでシナモンを振りかけたり、生クリームやギリシャヨーグルトをトッピング

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それを買う理由

それを買う理由

February20, 2019

幕張メッセで開催されるモバックショウ(国際製パン製菓関連産業展)へ。
窯などの機器や原材料メーカーの打ち出す傾向をチェックするのはもちろん、普段はなかなか会えない方々にお会いし、情報交換できる貴重な機会である。

彼らはステージに立っていることも多い。21世紀になってこの展示会に初めて足を踏み入れた頃にはすでに、窯や食材メーカーのブースで行われるベーキングのデモ

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この世で一番美味しい、たまごサンド

この世で一番美味しい、たまごサンド

February 10, 2019

たまごサンドは、みんなに愛されている。

『日々のパン手帖』(メデイアファクトリー 2007)の冒頭、「この世で一番美味しいサンドイッチ」というプロローグに、たまごサンドのことを書いた。

家庭のサンドイッチは、好きなものを好きなようにはさむことができる。マヨネーズもカラシも好きなだけ。それは世界でひとつ、特定の誰かのためのもの。たまごサンドにおいしい思い出を

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BEAVER BREAD(東日本橋)

BEAVER BREAD(東日本橋)

February 6, 2019

銀座のビゴの店とレカンでパンを焼いて20年余になる割田健一さんが東日本橋で「BEAVER BREAD」をスタートさせたのは一昨年末のこと。

レカンではフレンチの枠を軽やかに超えて、「ベーカーズマフィン」や「ギモーヴドーナツ」などなど、水を得た魚のように個性的で新しいパンを次々とつくりだして、わたしたちを楽しませてくれたのだったけれど、だからといって、それらにこ

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お昼はコロッケサンド

お昼はコロッケサンド

February 5, 2019

雑用をすませたあと、鰹節をきらしていたのを思い出して、いつもの店で二袋買う。自分で削ることはしないけれど、いつもたっぷりつかう。手抜きをしても、出汁だけはとるのだ。昔、憧れた綿菓子のように大きな袋を抱えて、贅沢な気持ちになる。

乾物店のはす向かいに精肉店があり、メンチカツが人気で平日でも行列ができている。メンチカツを買わないひとは並ばなくてよいので、コロッケを

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Le seul et l’unique(厚木)

Le seul et l’unique(厚木)

February 3, 2019

昨日書いた、唯一無二という名のベーカリーは厚木にある。

公園(いまは貯水池工事中)に面した、鉄と木とコンクリートのシンプルな外観の店は、焙煎の香りでもしてきたら、コーヒーショップと思ってしまうかもしれない。でも外のベンチから見えるのは、ドイツ製のオーブンと磨かれて光を放つ作業テーブルだ。(設計施工 有限会社東匠)。

パンを焼いているのは、山神高志さん。菓子職

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唯一無二であること

唯一無二であること

February 2, 2019

わたしたちはみんな、ひとりひとり違っていて、かけがえのない存在だ。それは学校や企業に所属していてもそうだけれど、個人で独立して店など開業し、長く続けていくためには、他では代替できないモノやコトを提供していることをお客に認識してもらうことが、より大切になってくると思う。製造業であれ、サービス業であれ。たんに消費されるだけではなくて、必要とされるために自分ができるこ

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