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丹精込めて育てた野菜を捨てるのはもったいないっていうけれど


ファットリア神楽では野菜をよく捨てます。

捨てるといっても畑の端っことか畝間のちょっと目立たないところにさりげなく。そして、ちょこっと土をかけておく。

こんなことすると、もったいない、とか、畑の見た目がよくない、とか言われちゃいそうなんだけど、化学肥料を使わない畑はいつも養分が不足気味になるので、野菜でも雑草でも光合成して作った葉っぱや実は養分の宝庫。できれば、そんな有機物を畑に残しておきたいなって思っちゃうんです。

しかも、農薬を使わないから、虫食いは当たり前。
「虫食いなんて全然気にしないよ。虫が食べるくらいおいしいんだから。」と言ってくれるお客さんも多いので、実際、多少ならお店に出させてもらうこともあるけど、虫食いの部分から傷みやすくもなるから、できれば、積極的には売りたくない。

ということで、作物の種類にもよるけど、ファットリア神楽では、育てた分の何割か、ときには半分くらい、は畑から出ずに土に還ってもらいます。

もちろん、病気が出てしまった株は、感染拡大防止のため、作物から離れた場所に穴を掘って埋めたり、燃やしたりしますが、結局は土の中でミミズや微生物に分解してもらう。

さらに、スーパーの直売所にお野菜を出しているので、旬になると売り場には一斉に同じような野菜が並んで、価格競争が激しくなってしまい、売れ残って廃棄されてしまうのが日常的。

だから、お店で捨てられてしまって、ごみとして焼却されるくらいなら、生まれた畑の土に還ったほうが、野菜たちにとっても本望だろうし、最近はやりのSDGsっぽくて、いいよねって。

こんな話をしたら、プロの先輩農家さんから、
「旬との時期をずらして収穫するように、工夫するのが当たり前。」とか、「ネット販売なりブランド力をつけるなり売る努力をしないからだ。」ってお叱りを受けるかもしれないですが。

確かに初物は高く売れるけど、無理に加温して成長を早めたりするのは、野菜にとって不自然だ。(一度手をかけると最後まで過保護にしないといけないから、放っておいて自然に育つほうが楽。というのが本音)

そもそもファットリア神楽のお野菜が売れれば売れるほど、誰かほかの農家さんの売る野菜が減るわけだから、社会全体で見れば、プラスマイナスゼロ。ならば、努力した農家さんに還元されるほうがいいよね。(ファットリア神楽の野菜は変わり種が多いなので、そんなことはまずないだろうけど)

と、ほどほどにしか頑張らないファットリア神楽は思うのです。

ま、どの角度から見ても、"言い訳" なんですけど。。

結局、何をいいたいのか、よくわからない長いつぶやきになってしまったけど、お店でファットリア神楽の野菜を見かけたら、その蔭には土に還っていった多くの野菜たちがいるんだよ。と、思いを馳せていただければ、野菜たちも報われるんじゃないかな。って。

そして、今日もファットリア神楽は、自然と闘い傷ついた野菜たちに、「太陽の恵みを今までありがとう、生まれた場所にお還りなさい。」といって、畑の土へと見送るのです。

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