破壊衝動と妄想
己も気付かぬまま、我慢していたらしい。
破壊的妄想が一日中頭を占領している。
行くあてのないまま歩いていた時
すれ違う人を急にビンタしたくなったり。
カフェで壁を眺め続けた時
手元の飲み終わったグラスを割りたくなったり。
駅のホームで電車を待っていた時
線路にジャンプして降りたくなったり。
だけどそれが現実になることはない。
我はただ、その衝動を欲しているだけだ。
もっとわかりやすい例えをしよう。
ヒーローに憧れる人っているだろう?
敵に立ち向かい、勝ち、人を助け、感謝される。
でも多くのヒーローに憧れる人は現実には動こうとしない。彼らが欲しいのは、最後だけ。
他の苦悩や辛さはできれば避けたいのかもな。
もちろんすべての人がそうとは限らないが…
まぁ、大抵は頭の中で終わる。
とまぁ、話は逸れたが…。我もまた頭の中で終わらせるものだ。もし一度でも現実に頭の妄想を具現化したら…考えるだけで恐ろしい。
人生を棒に振ってしまう。
でもそんなわけないと思っているその一線は、ちょっとしたきっかけで簡単に越えられてしまうということも知っていた。
なら、我はどうこれを対処すべきかー。
わかっていたら、悩んでない。
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