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2022年5月の記事一覧
「さようなら」のその前に。
橙色に染まる空。
数羽の鳥たちがまばらに飛んでゆく。
すーっと一直線の雲を描く飛行機は沢山の人々を乗せて遠くの街へと旅立たんだよね
ぐーんと上へ、上へ。
少し下の方へ目をやると海は波打って轟音を立てていた。その内に段々、空の色と同化していく。
空と海の境界線が曖昧だ
吹き荒れる潮風が冷たい
水平線へと消えゆく太陽を眺めながら僕は重い感情に支配されていた。
振り返れば振り返るほど、この地に
味方はいないと思ってた
消えない雫。
見えない先。
どこにも居場所なんてないならさ
どうなったっていいじゃない?
味方も敵もいない
だからどうなろうにもなれないんだけど
もはやどうにかなってしまいたいとさえ思うけど
止まらない闇。
定まらない旗。
ここで煙みたいに消えちゃってもさ
他人に影響を与えているような
そんな大いなる人間じゃないから
一瞬悲しむヤツはいるかもしれないけど
それまでだよね
ならいいじ