今とこれからに捧ぐ人生賛歌『宵巴里』
もう中島桃果子が小説を出すことはないかもしれないとずっと思っていた。
2014年に私の人生と中島桃果子『魔女と金魚』が北海道にある苫小牧の図書館で衝突してから早8年。
その間にも桃果子さんは何かしらをずっと書き続けていて――それは男女の濃密な恋愛を描くライトノベルだったり、毎週月曜日に更新される「月曜モカ子の私的モチーフ」(調べてみると、第1回は2015年3月2日の「東京百景」という回)だったりして――私はそれらをくまなく読んでいた。
ただ2012年に『誰かJuneを知らな