私の人生を変えた本『魔女と金魚』【連載】「彼女の軌跡は私たちのアート」初回
世界で私のことをわたし以上に分かってくれる人は、中島桃果子以外にはいないと思った。
当時のわたしは、ある些細な、でもそのころの私にとっては重大な出来事に傷ついて、
その傷自体よりも、傷ついたことによって起こった身体、精神の変化がずっと後をひいて、苦しんでいた。
ずっと船酔いのような状態が続き、ひどい時は壁をつたってしか歩くことができず、
一日中家で床に横になって、ごはんも満足に食べられない、食べてももどしてしまうのが怖くて、
その気持ちも、その気持ちを話す言葉も知らなかっ