Diorの香水 宇宙の気体ブランド「ミスク」
シャネル。バーバリー。グッチ。
お洒落なブランド品の高級感。
果たして人はそこに何を求めているのか。
■ブランドとは
まず、「ブランド」の定義である。
グロービスの記載を見てみよう。
つまり、「無形・有形問わず価値観により顧客と共通の認識を有する事、それを期待させる事」がブランドそのものであると言うことだ。
■場面定義
では、特定の企業に対してどんな共通認識と期待が出来るだろうか。
場面を定義して考えてみる。
さて、この場面においてどんなモノを購入するだろうか。
購入者の思考として例えばこんなモノが挙げられるだろう。
こんなところだろうか。
頭にこんな事を考えながら百貨店を歩き回り、ディオールの香水を見つけて買ったとしよう。
■場面における「ブランド」
この過程における「ブランド」はどんな内容だろうか。考えてみよう。
こんなところだろうか。
顧客とこの「高級感」「かわいらしさ」「世代感」「信頼」を共有し、顧客に「期待」させているのである。
さらに「数」「年数」を重ねる事でこの「期待」が強化されていく。
さらにこの「ブランド」を考察する為に場面を追加してみよう。
■場面追加 宇宙ブランド「ミスク」
百貨店にこんな商品があったらどうだろうか。買うだろうか。
〇宇宙のブランド「ミスク」
(読み方は不明だが)日本人が聞くと「ミスク」と聞こえる宇宙のブランドがある。宇宙で大人気のこの老舗ブランドは宇宙で使え、体にまとい続けられる気体を販売している。
この気体は微細に発光するとともに、軽度の衝撃であれば吸収が可能だ。気体を封入する気体ビンの見た目は及び香りは自由にカスタマイズが可能で、呼吸によって気体を吸い込むとリラックス効果も得る事が出来る。
価格は¥23,100としてみよう。
■追加場面における「ブランド」
この商品を見た時「ブランド」は有効だろうか。
まず、可愛さや価格感についてはディオールへの期待と同様になるはずである。又、香りについてもクリアされているはずだ。
発光は不要だろうが、「信頼性」について言えば「宇宙規模」で「老舗」なのだから地球上の「信頼性」より遥かに高いはずである。
しかしながらこの購入者は「ミスク」の気体は買わないはずだ。
なぜなら、この購入者自身が「ミスク」のイメージを保有していないからである。購入者からすればなんだか良く分からない怪しげな商品になるだろう。
「自分自身」と「その周囲」が相互にブランドへの期待を保有していなければ意味を成さない。
■終わりに
「ブランド力」は何よりも「共通認識」と「期待」を生み出す事が重要である事が良く分かった。
逆に言えばこれさえ生み出せてしまえば、自発的な購買を生み出す事が出来るだろう。
ただ、私だったら気体に期待して「ミスク」を買うだろう。阿呆である。