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タイムマシンと神様のヒマ潰し

今、あなたの目の前には最新鋭のタイムマシンがある。


タイムマシン乗って、一度だけ自分の過去 or 未来に行けるとしたら、どちらに行ってみたいだろうか?


自分の未来に行って「良い状態」だったら、今からワクワクが止まらなくなるかもしれない。

一方、「良くない状態」だとしたら、今から不安と恐怖で押しつぶされそうになるかもしれない。


また、自分の過去に行って、失敗をしてしまう直前の自分に会いに行き、忠告をして行動を正すのもアリかもしれない。もしくは、やらなかった後悔を晴らすため、思い切ってアノ子に告白してみるという手もある。

僕だったらどうするのか、考えてみた。

確かに未来を知りたい気持ちもある・・。そして、過去の自分に忠告したい気持ちもある・・。うーん。

と、考えた結果、


僕は正直、過去も未来も行かなくていいなと思った。

いやいや、自分で問いを投げておいて、それはないだろう?というツッコミはあると思う。いや、ほんとごめんなさい。


でも、僕は本当に過去・未来、どちらにも行かなくていいなと、思ったわけである。


もちろん、過去・未来が気にならないと言えばウソになるが、それを知って行動が変わったとして、果たしてそれが最善になのか?というのが、ギモンなのだ。


タイムマシンといえばドラえもんなので(※いや、バック・トゥ・ザ・フューチャーでしょ!という人もいるかもしれないが)、ドラえもんを例に考えてみる。


未来から来たセワシくんによれば、ジャイ子とのび太が結婚した後、のび太の会社が倒産、その時の莫大な借金がセワシくんの代にまで迷惑をかけている、という悲惨な未来になっているわけだが、

たとえ迷惑の原因が「ジャイ子とのび太の結婚」だとしても、その結婚相手を変えてしまうというのは正直どうなのだろうか?(漫画的な面白さは抜きにして)

セワシくんがドラえもんをのび太のもとに送り、ドラえもんがひみつ道具で力を貸してくれるのは、「のび太にとっては」非常に心強いはず。

ただ、セワシくん自身が、セワシくんの時代の中でやれた努力というのもあったのではないかと思ってしまう。


結局、のび太の結婚相手を変えるという方法は、自分を取り巻く不幸な環境の原因を、他者・外部にあると言っているようなもの。


つまり、セワシくんは過去に囚われているのだ。

とはいえ、セワシくん自身は何も悪くない。これら一連の出来事は、「時空間を行き来できる」という技術の発展が生み出した弊害である。


僕が過去・未来、どちらにも行かなくていいと考えた理由の一つは、ありきたりな考えになってしまうが、

過去の失敗経験、悔しかったことがあったからこそ、今の自分があると思っているし、未来を知ってしまったら、それこそ自分の成長が止まってしまう気がするからだ。

何が起こるのかが分からないからこそ、面白いし、何かに向かって夢中になれるのだと思う。


仮に「全知全能の神様」がいるとして、何もかもすべてを知っている状態というのは、すべてが予定調和に見えてさぞかしヒマだろうなと思う。


で、ヒマすぎたからこそ、

予測不可能な行動を取る「人間」という存在を創り出し、どういう行動をするのかを天からハラハラドキドキしながら観て、楽しんでるのではないだろうか。(※だとしたら悪趣味な神様だ)


知りたい」という知的好奇心は大切だけど、知らなくていい情報・事実というのもまた、あるように思う。

例えば「病名」というのも、ある意味「知らなくて良い事実」という場合がある。

自分の体の体質として、多少気にはなっていたけど、別に病院に行くまでもないか。と、思っていたことが、

ふとしたテレビがきっかけで、「〇〇という状態は、コレコレという病気と言えます」という事実を知ったとする、

すると、その事実を「知らなかった状態」から「知っている状態」となり、自分の思考・感情は必ず影響は受けてしまう。

平たく言えば、今まで気にしていなかったことが急に気になってしまい、余計なエネルギーを消費して疲れてしまうというわけだ。

そして、今まで「病気」として扱われてこなかった症状に「病名」が付くことにより、それに伴って「患者」も増える、というわけだ。

もちろん、病名を知ったことによって安心したり、治療することができるようになるのも事実としてあると思うが。


ようは、受け取る情報の影響度が大きすぎると、その情報をもとにすべての行動が左右されてしまい、囚われてしまう可能性がある。セワシくんのように。


自分の過去・未来の情報というのは、あまりにも影響が大きすぎる情報であり、取り扱い注意の危険物と言える。

だからこそ、僕は知らなくていいかなと思ったわけだ。


そして、僕は過去・未来に振り回されるのではなく、今を大切にしたいと心から思っているし、それが、結果的に良い未来にも繋がる気がしている。


さて、僕の考えは以上となるが、もう一度聞いてみる。


タイムマシンにのって自分の過去 or 未来に行けるとしたら、どちらに行ってみたいだろうか?

もちろん、タイムマシンを使わず、"今”を大切に生きるのもアリだ。

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