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【マンマローザを食べればイルローザが分かる】

当社は洋菓子屋です。

37年間店舗運営を続けてきました。


ご存じの方もいらっしゃると思いますが、
イルローザ全9店舗を年度内で閉店します。


四国の徳島県で、小さく小さく開業したあのお店が


37年間もの月日を、地域のお菓子屋
イルローザを愛していただき、
本当にありがとうございました。


全店閉店の背景には、語り切れない程、強い想いがありますが、
それらを表現するには、感謝の気持ちしか出てきませんでした。


これから、イルローザは再出発します。


店舗でお菓子を届けるサービスから、形を変え、我々にとってかけがえのない徳島で、ひいては全国で変わらず、お菓子をお届けします。


お菓子という人の想いを届け、
大切な人との繋がりを深める
素晴らしいものを、作り続けます。




noteをはじめた理由。



「当社の代表菓子マンマローザをどうしても発信したい!」
という理由ではじめました。

それにしても、この奇跡のお菓子を語るには、
あまりにもストーリーが壮大で、
当時の自分の実力では、到底表現できない。



それを導くかのように、ある宿題が与えられました。


お菓子の品質向上を37年、毎日やめずに
徹底してこだわっているのに、



その企業努力、
肝心のこだわりを全然発信してない。


「食べてその違いを判断せよ」
というザ・職人気質のスタイルだったので、


これは、マンマローザを発信するまでの、
修行になるなと思い、


イルローザのお菓子一つ一つに焦点をあて、
おいしさの秘密をお伝えしてきました。


「まーた来たのか」
職人には呆れられるくらい、工房に足を運びました。


何百回、何千回と取材を行い、


なぜ、当社がここまでお菓子にこだわるのか
理解できる日がくるまで
目で、耳で、心で観続けました。



”たかだか、マンマローザ以下のお菓子でしょ”

正直、最初はそんな舐めた気持ちで、取材してました。


しかし、そこには、想像を絶する苦労があり、
毎回度肝を抜かれ、イルローザの企業姿勢を知りました。



マンマローザを発信したい!
そう掲げた目標も、取材を重ねる度に、


職人や店舗スタッフ、
イルローザという会社が、社員が



どれだけ気合を入れて、
どれだけ大変な思いをして、
情熱を注ぎ、


「ひとつのお菓子のために」
動いているのか。



その真心をお伝えしなければいけない。


そんな使命感に変わっていました。


今ようやく、このタイミングで

「マンマローザ、書いてもいいぞ」

そう言われてるような気がして、
機が熟するとはこの事だと思い、


イルローザが、職人の想いが生み出した、
今も尚、成長し続ける奇跡のお菓子。

発信すると決めて1年半越しに(笑)
ようやくマンマローザをご紹介します。


1997年。


イルローザ脇町店のオープン記念のお菓子で
開発されたのがマンマローザです。



当時、徳島県で牛乳を使用したお土産菓子「乳菓」は作られておらず、
地元の酪農家さん、メーカーさんを応援できる


徳島を代表するとんでもないお菓子を作ろうと開発しました。


もちろん、贈答用や大切な人と食べるお菓子なので、それはそれは、開発に物凄い時間をかけたのですが、


驚くべきは、その後です。


商品化した後の方が、このお菓子は、大飛躍しています。


例えば、今では最大1日2万個もの製造能力も、当時は、1つ1つを手作業で、成形していました。


ただ昔と比べて、
製造数が増えてるー!すごーい!




という話ではなく、昨日より、今日、今日より未来で、このお菓子はおいしくなっているのか?

問い続けた飛躍なので、当時とは比べものにならない段違いのおいしさだという事は言うまでもありません。



このように、常に非効率で、困難な極め方をしたがゆえ、

「手づくりと機械化のハイブリッド」


製造技術は、いつしか怪物級の強みが身についていました。


そんな強みを無自覚で、今日も当然のように
職人達はどうすればもっとおいしくなるか、
真心を込めて、作ります。


このお菓子の最もクレイジーなこだわりは、
より安全に、よりおいしくするため
手段を選ばない事です。


「ミルク感が増えて、コクが出るから」
と隠し味にホワイトチョコを使っていたのですが、
乳化剤など添加物が含まれています。


そこで、ホワイトチョコを全て解体し、成分を調べ尽くし、
添加物を排除した、カカオバターと全粉乳を隠し味に加えています。



これは、非常に分かりやすいほんの一部の例で、
「もっとおいしくしたい」一心で、
職人達の想いを、刻み込みながら、

無数の改良を行ってきたのが


マンマローザです。


中のミルク餡と包み込む生地が
究極にしっとりした


「全てを超越する一体感」




マンマローザの代名詞と呼ばれる
この強い特徴も

牛乳嫌いをも唸らせる
老若男女問わず、愛される商品に成長したのも、

全て運命です。


26年前に開発したあの日から、
想いを受け継ぎ、
バトンを繋いだマンマローザは、

イルローザの魂そのものです。



「イルローザのお菓子を掘り下げたから分かった事」



当時、マンマローザを発信したい!と
思っていた自分では、分からなかった事です。


でも、今なら分かります。


マンマローザとは、


「お菓子を購入した先のドラマまで責任を請け負う」



イルローザの企業姿勢そのものです。





過去紹介したイルローザのお菓子、
店頭に並ぶお菓子、
社員の心、


全てに、その企業姿勢は反映されており、


マンマローザが特別なのではなく、
イルローザという菓子屋が込める

真心そのものが、日々積み上げてきた
とんでもない奇跡でした。



この姿勢が、創業から37年
たったの1度も変わらなかったのは、
イルローザの信念だからです。



それは、これからも決して変わりません。



だから、通常のお菓子屋と比べて、
ポンポン新商品も出せない。

お菓子に何があろうと
手が抜けない不器用さも、

商品化への異常なハードルの高さも、
既存商品への厳しい改良も。

これらは、購入した先の、人と人との会話や絆を想像するからこそ、
非効率だろうが、儲けが少なかろうが、
意味が分からないくらい、徹底的にこだわる。


イルローザが顧客に行う、圧倒的価値提供です。


お客様にかける想い、
お菓子にかける気合いは本物です。




だから、世界一おいしいお菓子ですとか



昔食べた、忘れられないお菓子を色んな所を食べて回っても全然違うけど、イルローザのお菓子で思い出せたから、一生買い続けますとか


入院してずっと何も食べてくれないのに、イルローザのお菓子は食べてくれましたとか



嘘みたいな奇跡のエピソードを
数え切れないお客様からいただきます。



このためにやってるんだよなあって
涙がでるほど、嬉しい
直接いただいたお声やお手紙は、

宝物として、私たちの心に、一生忘れない記憶となり、
お菓子を届ける原動力になるように、


その方達にとってもまた、一生忘れない素敵な思い出になっているのだと思います。


ただ、お菓子を作っているわけではない。



イルローザが真心を大事にする理由は、これです。



いつだって人との繋がりが、イルローザを
ここまで大きく成長させてくれました。


今回、年度内で店舗を閉店すると発表した日も、
このような声をたくさんいただき、
ただ、ただ、感謝の気持ちを抱きました。

そして、店舗営業は終了しますが、
これからもこの魂を、

徳島のお菓子メーカーとして、
変わらず、人との繋がりを大切に
日々、成長していきます。


「イルローザのこれから」



商品開発
商品改良
ひとつのお菓子のために
お客様へのホスピタリティ


人をしあわせな気持ちにする
お菓子づくりをするイルローザだからこそ、
どの場面においても、真心を磨き続けられました。


店舗を構える洋菓子屋から、
洋菓子メーカーとして、歩んでいきます。


当社がお菓子づくりにかける
真心は、これからも何ひとつ変わりません。


イルローザの職人の想いが生み出した、
奇跡のお菓子マンマローザは、永久不滅です。




マンマローザ、焼き菓子、バースデーケーキ
お店で37年間お届けした大切なお菓子を

これからはサービスの形を変えて、
徳島、ひいては全国で、お菓子をお届けします。


これからもイルローザを
応援していただければ、幸いです。





37年分のありがとうを。

そして、イルローザはこれからも歩み続けます。

全てのお客さまと
この美しい徳島の未来のために、
私たちにできることがきっとある。







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