【詩】なんで絵本はおおきいの
靴も、お箸も、つみきも、シャベルも
子どもが使うものはなんだって小さいのに
なんで絵本はおおきいの
絵本はおおきい
物理的な話だ
それは、面積の話だ
絵本はおおきい
小さな手で、小さな体で、扱うには
あまりにも、おおきい
絵本はおおきい
子どもが絵本を手に取る
おおきな絵本は小さな背丈の半分くらい
絵本はおおきい
両方のうでをめいっぱい開いてよむ
体はすっぽりと、絵本に隠れてしまう
絵本はおおきい
意味合いの話だ
それは、自由の話だ
絵本はおおきい
世界で一番、自由な彼らにとっては
それくらいが、ちょうどいい
絵本はおおきい
動物もしゃべるし、物だってしゃべる
物語はいつだって空を飛び、すぐ消える
絵本はおおきい
つまっているものが、たくさんある
キラキラも、かわいいも、大好きも、愛も
絵本は大きい
常識的な話だ
それは、比べてみての話だ
絵本は大きい
岩波文庫も、コミックスも、
私たちが読む本は、皆、小さい
絵本は大きい
私の棚のサイズに合わない
分厚くないのに場所をとるんだ
絵本は大きい
いや、内容も、サイズも
今の私には、とても小さい
なんで絵本はおおきいの
文字を大きくするためかな、
絵を大きく見せるためかな、
なんで絵本はおおきいの
僕が子どもだったからかな、
僕がまだ純粋だったからかな、
なんで絵本はおおきいの
たくさんがつまっているからかな、
世界で一番、自由だからかな、
なんで絵本はおおきいの
世界はおおきいって知ってほしいから
おおきな人になってほしいから
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