たけのこ

幽体離脱である。 言葉は僕から抜け出て文に帰る。 あなたが読むのは抜け殻の僕の前にある…

たけのこ

幽体離脱である。 言葉は僕から抜け出て文に帰る。 あなたが読むのは抜け殻の僕の前にある、この一文だ。 書く仕事ください→take5989@gmail.com

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  • 一日一詩。

    言葉にできないコトバをことばにします。

  • 一日一話。

    なんとなく思いついたコトをことばにします。

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2024.4.27 題未定

人生をむつかしくしているのは いつも自分です そもそもは白紙だったのです そこには、道も、山も、 帰る家さえなかったのです 筆を手にしたそのときから わからなくなることは始まっていたのです 悲劇でしょうか、 喜劇でしょうか、 外側からは、 どちらにしても劇的でしょうか、 すると、 内側からは、 どこまでも嘘になりましょうか、 嘘でも、真でも、 それは滑稽な病です、 一方、 私の側からは、 どうも呪われているように見えます 人生をむつかしくしているのは いつも自分で

    • 【詩】あの人の涙

      その涙を 私は見つめられなかった どうしてか 受け止められない気がして ちゃんと見つめないと ちゃんと受け止めないと あの人の流した涙は 私の言葉を戒める 一粒の滴となって 落ちるのだから

      • 【詩】やわらかな答え

        答案用紙に書いた私の答えは その時の鉛筆のように鋭く尖っている 私にはやわらかな答えが出せない 登り詰めた山の頂上はどうしても狭く 走り続けた道の先はどんどんと孤独だ 未知の世界は多くの人にとってインチキで 存在しない正しさに向けて開拓者は船を出す やわらかな答えはいったいどこにあるのだろう 語ろうとすれば 言葉は誰かのナワバリを荒らし がんじがらめの自分の居場所で 愛する人へ糸電話をかける 愛し合おうとしていた頃 私たちの愛はまだやわらかだった 冷え固まった蝋のよう

        • 【詩】していい

          けっして、したほうがいいわけじゃない かといって、しちゃいけないわけではない でも、「まぁ、しない」ってことがある ただ、ほんとうのきもちって じつは、そういうことだったりする おとなになったせいか がまんできるようになってしまって べんきょうしたせいか うまくいかないきがしてきて じゆうになったせいか していいことがわからなくなった もしも、もういちど なにかをやりなおせるのなら きみはなにをやりなおすだろう していいことは じつはむげんにあったこと それだけでも お

        2024.4.27 題未定

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        • 一日一詩。
          85本
        • 一日一話。
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        記事

          【詩】フィットネスです。

          最近、フィットネスジムは コンビニに弟子入りしたらしい。 若いサラリーマンたちが 強いられた労働に勤しんだ後 自由な苦行に浸っている。 身も心もムキムキになって 握手の力加減を間違える。 強くなったおかげで 誤って誰かを傷つける。 傷ついた者が声を上げる。 犠牲者の声は街中のスピーカーに響く。 加害者はすぐに処刑台に上げられる。 謝る暇もない早さで。 加害者に同情する傍観者。 ある人は怒り、ある人は笑い、 ある人は目をつむった。 新しい犠牲者が出るたびに 新しい法律が作られる

          【詩】フィットネスです。

          【詩】僕は加害者

          だって、きっと、僕だって、 同じことしかできなかった。 No なんて言えなかった、 実現もできなかった。 だから、僕は加害者。 失ったんじゃない、 追いつめたんだ。 壊されたんじゃない、 仕方ないと言ったんだ。 だから、僕は加害者。 できることって なんだろうか。 すべきことって なんだろうか。 わからないまま 生きている。 わからないから 生きている。 ほんとうのことが わかるまでは、 生きていないと いけない気がする。

          【詩】僕は加害者

          【詩】鉛筆とボールペン

          鉛筆とボールペン、それは僕の両足。 右足は鉛筆で、左足はボールペン。 太さも濃さも不規則な鉛筆は、 いつも僕の一歩目。 そんな一歩目を補うように、まとめるように、 次に続くはボールペンの二歩目。 こうして僕は前に進んでいく。 一本の棒は前には進まない。 肉体が中心から枝分かれしたおかげで 僕たちは前に進める。 感情の発露だけでもいけない。 整えられた合理性だけでもいけない。 僕たちはきっとこれからも両足で前に進んでいく。 いや、そうして進んでいくべきだ。 全自動前進装置に乗っ

          【詩】鉛筆とボールペン

          【詩】距離

          夕方 突然に輝きだした空 何もせず終わりかけた週末を 取り返そうとする私のよう—— その輝きは美しすぎた 心をよせた私の姿とは あまりに対照的なほど これまでの曇り空が、 急に苦節に思えてきて 絶望がそっと私に囁く 実際の距離と同じように ほのかに抱いた親近感が 劣等感へと伸びていった

          【詩】距離

          【詩】部屋と二人

          こんなに狭い部屋なのに 二人ではさらに狭く感じます。 あなたの布団は一人分なのです。 家賃を払っていなくても、 あんなに狭かった部屋が 今は布団一枚分、広く感じます。 家賃も払っていなかったし 私の生活は特に変わりません。 たしかに広い部屋だけど なぜか広すぎるように感じます。 私の生活が変わらなすぎたせいか 空いている場所がいつもあります。 こんなに広い部屋なのに 私の居場所は小さく感じます。 代わりにあなたの居た場所が とても大きく見えています。

          【詩】部屋と二人

          【詩】めがねを外してみて

          めがねを外してみる 全てがぼやけている 何も見えないと言っても うそではないほどに むしろ見えすぎていた めがねをかけていた僕の視界 はっきりとくっきりと 嘘を僕は見ていた 今 見えている世界こそ 僕の本当 僕にとっては ほとんどが 見えていないことこそ 本当に見えているということ でも それではどうも生きていけなくて 僕はめがねをかけている 僕にとっては それはめがねだけど 誰かにとっては それはファッションだったり ある人にとっては それは愛情だったりする めがね

          【詩】めがねを外してみて

          【詩】それでも僕は幸せ

          幸せにならないと幸せになれないような奴に 俺のこの気持ちが分かってたまるか まだ幸せじゃない 今は幸せじゃない これからも幸せじゃない あまりにも幸せじゃない それでも僕は幸せ 常識から外れないと常識から外れられないような奴に 俺のこの気持ちが分かってたまるか まだ終わっていない 今は幸せじゃなくても これからが本番だろう あまりにも負け惜しみだけど それでも僕は幸せ

          【詩】それでも僕は幸せ

          【詩】知らずに歩いて

          知らない町で知らない道を 目的もなく歩いていると 思うのです この道を右へ行くべきか左へ行くべきか そんなことに正解はないのだと おもしろそうな道を選べばいい 楽しそうな道を選べばいい なんとなく心惹かれる道を選べばいい 知らない町で知らない道を 目的もなく歩いていると 思うのです それでもなお、正解などなくても 人はどちらかを選び歩いていく 選ぼうとせずとも選んでいる 左に行けば出会えた人 左に行けば見られた景色 そんな可能性を知ることもなく 人は右の道を歩く

          【詩】知らずに歩いて

          【詩】知らない人たちの密林

          僕の周りには知らない人たち 知らない人たちが、たくさん、たくさん 見渡すかぎり、そればかり、そればかり 知らない人たちばかりがたくさん パソコンとにらめっこ知らないお兄さん 携帯とにらめっこ知らないお姉さん なにとにらめっこ? けげんそうな顔の知らないお母さん 会話の動きだけが見える知らないお友だちは口パクのエキストラみたい 皆それぞれの世界でそれぞれを生きている だから僕らは知らない人たち 知らない人たちの溜まり場 知らない人たちの行列 知らない人たちを捌く知らない人

          【詩】知らない人たちの密林

          【詩】電車のなかで

          何も知らなかった頃 誰もが全てを知りたがった 電車に乗れば それはもう冒険で これから待ち受ける未知が 楽しみでしかたなかった 高速で通り過ぎる窓の外 動いてないのに動いている不思議 周りに座っている知らない人の奇妙 不定期に止まったり動いたりする意味 喋っている人がいないのに聞こえてくる声 いつ来るのか分からない終わり 全てが疑問で、 全てを知りたがった なんで?どうして?これはなに? 声をあげると優しくパパは注意する 「静かに」 目に映る全ての疑問に 僕は沈黙し

          【詩】電車のなかで

          【詩】裸眼

          僕は、目がわるいから 眼鏡をかけて視力を矯正している 僕は、頭がわるいから 勉強して頭を矯正している 僕は、性格がわるいから 怒られて性格を矯正している 誰しもわるいところがあって、 眼鏡をかけるだけで救われ、 努力するだけで救われ、 孤立するだけで、 救われる 裸眼で見る世界の生きづらさが 誰かのほんとうの生きづらさだとして だれがわるいか、ほんとうにわるいか

          【詩】裸眼

          【詩】動く絵の具

          絵の具が踊っている 四角い板の中で 美しく色とりどりに でも絵にはなれない ただ 動く絵の具

          【詩】動く絵の具