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15年間の副業と学びの変遷②ホームカウンセリング編

こんにちは。たなゆうです。

こちらでは独立するにあたり、今までの副業経験について書いております。

はじめに

前回からの続きとなりますので、まずはこちらをご覧いただけるとうれしいです。

2013年頃のステータス

本業:住宅商品企画・ブランディング・不動産マーケティング
副業:田中家ホームカウンセリング

という事で、今回は『田中家ホームカウンセリング』についてのお話です。『人の本当のニーズを見つけ、そこに辿り着くサポートがしたい』という想いで、副業で始めたコーチングスキルと本業がめでたく統合されたので、タイトルに~統合編~ とつけてみました。

まるで、これで完結のようなタイトルですが、これから

~幅だし編~
~ピボット編~
~独立準備編~

があります。まだまだ続く旨をこの場を借りてお詫び致します。

本業とプライベートの変化

前回の記事時点では不動産の知識も経験もあまりなく、とにかく逃げ出したかった訳ですが、そこから本業に集中することを決め、仕事に燃えていました。

本業では土地を査定するための市場調査をしたり、土地に合ったマンションを建てる過程で間取りを検討したり、オリジナル収納を開発したり、デザイナーさんと共に素敵な空間を作ったりしながらプロモーションするような仕事をしていて、結構華々しかったです。

社外の人とも積極的に関わるようになり、様々な場所に出向く中でデベロッパーの情報交換会で知り合った夫と結婚することになりました。2013年頃です。

同業者で不動産や新たな学びなどが大好きなマニアック夫婦なので、2人で様々なイベントに参加することが多く、名刺交換のたびに違う社名の名刺を出して『私は〇〇社で▲▲の仕事をしていて、夫は〇〇社に勤めていて▲▲しているんですけど、同業他社に勤める夫婦なんです。』と説明するのが面倒になり、家族の屋号として『築地田中家』と名乗り始めます。通称『田中家』です。普通です。

ニーズの深掘り×不動産=ホームカウンセリング

田中家になってからは、多くの人が我が家に遊びに来てくれるようになりました。そんな中、自然発生的に私たちの本業でもある『不動産』、特に住宅に関しては一般の方よりも詳しい事もあり、友人知人の様々な相談を受けるようになりました。

『家を買いたいけど、どの選択をするのが一番よいのか?』という、きわめて個別性が高い相談を受けながら、『その人(家族)のニーズの深掘り』して、最適解を見つけるサポートをしていました。まさにストックしていたカウンセリングスキルが活きて、本業と統合された瞬間でした。

多数ある不動産検索サイトを見ても、まず『沿線』『立地』『間取り』『価格』などの条件を聞かれます。『私にとっては何が一番よい?』と聞いたところで、応えてくれる検索サイトは当然ありません。

不動産業者さんに相談すれば、もちろん話を聞いて適切な物件を紹介してくれます。『本当のニーズは何か?』というところまで掘り下げてくれるプロも大勢いらっしゃると思いますが、多くの場合は『どんな物件をお探しですか?』と、やはり条件から聞かれることが多いと思います。

また、不動産というものに触れる機会は人生の中でも少ないせいもあり、誰に相談したらよいかわからなかったり、『それを売っている人』に相談すると、なんとなく売りつけられそうで不安という方が多いのも事実。

その点、友人であり気心が知れていて、不動産に対する知見も普通の方よりはあり、さらに『売ることが目的ではない』という事が明確に分かっている田中家は、信頼を得られたのだと思います。

プロセスとしてはシンプルです。

・夫婦や家族それぞれの現状を確認

・何が嬉しくて何が不満か、家の中だけでなく生活全般から抽出

・抽出したものを家や環境に落とし込み、どう変えたいかを明確化

・変えるための要素を『家・不動産』に翻訳し、現実的な条件を具体化

この辺りは私たちを介在しなくても家族内でできる事ですし、多くの方が家探しをする上で無意識に考えている事なのですが、田中家を介在すると良さそうだったことが2つありました。

家族会議の難しさ①家族の『不』の洗い出しで揉める

これはですね、家を検討したことがある方は結構経験されているかもしれませんが、一例をあげると夫婦で相談しているうちに、こんな会話が起きたりします。

『もっと広いキッチンがいいんだよね』

『え、でもそんなに料理してないし、今くらいで十分じゃない?それよりも〇〇を置くスペースが欲しい』

『え、でもあの〇〇そんなに使ってないじゃん』

みたいな。

『いや、でもさ~…』と会話は続くわけですが、忙しい日々の中でこれが無数に起きると疲れてきます

家族の中で『意見が違う』事が多数浮上してくると、なんか『この人とは気が合わない』ように思えてきたり。時には話がそれて家事分担への不満に発展したりして、『家の話をしなきゃいけないんだけど、気が進まない』という事態に陥る方も少なくありません。

結婚式の準備なんかも似たような現状が起こりやすいかも。

そこに田中家が入ることで、『個々で別々の人間なんだから、ニーズが違って当然』という前提の第三者として整理をし、お互いを否定せず、一緒に最適解を導きだすという作業をすると検討時のストレスが大幅に削減されると思います。

家族会議の難しさ②妄想不動産に辿り着く

条件を家族で色々とすり合わせていくと、時に『実在しない妄想不動産』に辿り着いたりします。理想の条件が沢山詰まった家が、ありえない価格でありえない立地にあるような感じです。

まだ家探しが具体的ではないうちは楽しいのでそれでOKなのですが、具体的に検討しているプロセスで、①のような家族会議の苦労も乗り越えてようやくたどり着いた物件が実は『妄想不動産』だったりすると、その後現実を知っていったときに振り出しに戻ります。ぐったりです。

そこから色々と勉強して、納得して、家を手に入れた時にどこかに妄想不動産の記憶が残っていると、せっかくたどり着いた住まいが『妥協の産物』のように感じてしまう可能性だって無くはない。

その点、ある程度不動産のマーケット感覚がある私たちと話すことで、妄想の入り口段階でストップをかけながら、現実的な検討を最短でしてもらえたのではないかと思います。

相談に乗った友人からいただいた感想はこちら。わざわざ手書きで書いてくれてうれしかったです。

感想1

感想2

もちろん、『家を買う』事ばかりをお勧めするわけではありません。

その人が持つ価値観や、不安に感じやすい要素、現状の課題、ありたい姿、家族それぞれのビジョンなどを可視化すると、選択肢は色々あります。それを迷うことなくお勧めできることは『担当物件を売る』という事が使命だった不動産営業時代には叶わなかった理想のサポートのひとつだった思います。

また、私自身が最も意義を感じたのは『家を検討する』というアクションの過程で見えてくる『ありたい姿』『生き方の世界観』『共に暮らす人への想い』『人生観』みたいなものに、田中家との対話を通して出会ってもらえる事でした。

前回書いたように、私は『本当の望み』に気づき、『最適な選択』をする事に価値を感じているので、それが機能しやすい場面の一つが『家を検討する』タイミングなのだと思います。

『想い』と『得意』を統合した副業で得たもの

理想のサポートが出来てよかったです!ゴールです!となりそうな空気ですが、そういう訳ではございません。

また、この場で田中家ホームカウンセリングを売りたい訳でもございません。

この取り組みは今もご縁のある方に対して提供しているものの、私の想いは以下の通りです。

①人の心に寄り添い、得意を活かしてサポートできるのはとても幸せ
②友人に求められれば、これからも役に立ちたい
③しかし、常に夫婦で個別に対応できる数は少なく、友人の範囲に限られる
④この方法では、少人数にしか価値を提供できない
⑤カウンセリングでお金をもらうとしても事業としては成り立たず、物件購入費用に相談コスト上乗せするようなビジネスモデルは違和感
⑥物件紹介までを仕事にすれば金銭的には成り立つが、それでは普通の不動産仲介業者ではないか
⑦信用のバランスも含め、やはりこれは友人にのみ成り立つモデル
⑧違った形で、多くの人が『自分の暮らしの価値観』を知り『不動産リテラシー』を高め、『最適な選択ができる』仕組みを作りたい

不動産というものに対して一般的には触れる機会が多くない為、いざ検討の段階になるとストレスが大きいのは事実です。そこの解決をしていきたいという想いをストックしつつ、私の事業の模索は続きます。

次回予告

このホームカウンセリングと同時期に、2015年頃、第一子の育児休業中に取り組んでいた『民泊運営』等々について書きたいと思います。

自己紹介が全5本の長編になり恐縮ですが、3本目の次回も引き続きお付き合いいただけますと幸いです。

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