自走力を鍛える
ベンチャーにいると「あの人は自走できる人だよね」といった会話をよく耳にします。一般的には自走している人=仕事ができる人、と言えると思いますが、自走している人とは具体的にどのような人でしょうか?
今回は自走している人の特徴がどのようなものかを整理していきたいと思います。自走力を鍛えるために、まず自走している人の特徴を知っていきましょう。
自走できる人の3つの特徴
特徴はシンプルなものが多く、一見簡単そうに見えるけど、できる人は極僅かという肌感です。「当たり前のことが当たり前にできる」というのは、意外と難しいことだと思います。私はできるから関係ない、と思っている人ほど大体できていない傾向にあるので、理解してもらうのが難しかったりするのですが。。
「自走できる人」を定義すると、以下の3つの特徴をもった人、と考えられます。細かく言えば他にも色々定義はありそうですが、今回は重要な特徴に絞っていきます。
①自ら目標を立て、努力して実現できる人
「自ら」目標を立てる、ここがポイントです。自走できる人は、誰かに目標を立ててもらうことがありません(もしくはほとんどない)。自分の頭で自分が何をすべきかを考え、やや難易度の高いストレッチな目標を設定します。そして、その目標を確実に遂行するためにどうすれば良いのかを徹底的に考え抜き、すぐ行動に移すことができるのです。「考えるだけで行動に移さない」または「何も考えずに行動するだけ」というのは成果が出せない人の発想です。考え抜き、即行動する。両方実行することが大切です。
更に、自走できる人は、自ら立てた目標が達成できない場合でも、すぐに反省&軌道修正し、次の目標に活かすことができます。基本的には、失敗しても、それを自ら立て直すことができさえすれば何も問題はありません。目標の軌道修正力も自走する上では非常に重要な能力になりますので、目標が未達成・失敗したからといってすぐに諦めずに、できるだけ速やかに、サッサと修正していきましょう。
他方、上司からの目線で見ると、何も言わずに自ら適切な目標を立てて提案してくれる部下は非常に頼りになります。自発的に目標が設定できない、目標設定の時期が来たからといって目標を渋々立てているような人は、「マネジメントコストが高い人」のレッテルを貼られ、伴って評価も低くなってしまいます。自ら目標を提案し上司の承諾を得る、そういう「先手」を取った行動ができるようにしていきましょう。
②ベストなタイミングで報連相ができる人
以前公開した『20代で差がつく信頼獲得術』の後半で説明した、「信用貯金が貯まる人の特徴」の「②報連相を怠らず、上司や周囲を不安にさせない人」の欄に詳細を記載しています。
報告、連絡、相談も一見簡単そうに見える一方で、聞き手や読み手のことを考えず、自己満足なものになっている人が多いです。報連相したからOKではなく、聞き手や読み手側に安心してもらう、納得してもらう、理解してもらうことが大切です。これらが達成されていない以上、OKにはなりません。
自走できる社員は、報連相のコツを上手く使いこなして、人から信用・信頼され、重要な仕事を任される傾向にあります。筆者の感覚では、報連相ができない人で、重要な仕事を任されている人を見たことがありません。常に聞き手や読み手の気持ちを意識した報連相を心掛けるようにしましょう。
③道義的な判断ができる人
仕事を任される上では、スキルのみならずマインドも非常に重要な要素になります。仕事を任せた側が安心できるのは、任された側が(きっと)道義的な判断ができるだろうと信じているからです。自走できる人は、この道義的な判断ができる人、とも言えます。
では、道義的な判断とは一体何でしょうか。これは一義的なものではなく、なかなか定義するのが難しいのですが、仕事をする上での道義的な判断とは、
・会社のルール(規則や約束)に沿っていること
・会社のビジョンや理念に沿っていること
・上司の期待に沿っていること
だと考えています。会社のルールはコンプライアンス上非常に大切で、一般論のため詳細は割愛しますが「悪いこと(不正)はダメ」というお話です。これが後で発覚すると、信用が地に落ちて自走どころではなくなるので、止めましょう。仮に失敗した時は、不正でごまかそうとするのではなく、正しい方法で軌道修正することが大切です。嘘をつくことや、上司や同僚の悪口・陰口もNGです。人として基本的なことは守りつつ、会社のルールに沿って常に真摯に正直に仕事に向き合いましょう。
自走できる社員になるためには、会社のビジョンや理念に沿った行動が取れるかどうかも重要になります。ビジョンや理念は一般に社長(や役員)が決めるものですが、組織で一番上のボスが大切にしている考え方を表しています。つまり、会社のビジョンや理念は社長(組織で一番上の上司)から信頼されるために心掛けるべき判断基準であって、これに即した行動を取ることで信頼され仕事を任される=自走できるようになるのです。ビジョンや理念は普段から意識して覚えておきましょう。
また上司の期待に沿っていることも大切です。上司も人なので、それぞれマネジメント上のクセがあります。放任主義で最初から任せてくれる上司もいれば、マイクロマネジメントで細かく見てくる上司もいます。これらは相性の問題なので正直運もあるのですが、共通して言えるのは上司が仕事を任せてくれるポイント(自分への期待値)を早く見つけましょう、ということです。基本的にどんな相性が合わなそうな上司であっても、安心できる部下と判断されれば仕事を任せてくれるようになります。相性が悪い上司だからといって腐ってしまい、更に評価が落ちるといった悪循環を防ぐためにも、上司のクセや期待値を速やかに見つけ、上司の期待を超えていくことが大切です。(ブラック企業とか、そういう劣悪な環境の場合は別の手段が考えられますが、以下本記事では割愛します。)
自走できないとどうなる?
これまでの内容を見て「自走できる人になるのは何だか大変そう・・」と思う方もいるかもしれません。ですが、実際には自走できない人の方が大変な思いをする場面が多いと思います。
たとえば「マイクロマネジメント」もその一つです。なぜマイクロマネジメントで上司から日々細かく業務確認をされるのかといえば、あなたが仕事を進められない人だと思われているからです。スキル面でも、マインド面でも、何かしら上司が不安に思う要素があり、任せられないから心配になって細かくチェックしているのです。やがてマイクロマネジメントされている方も、している方も窮屈になり、お互い疲弊してしまいます。この状況を変えるには、部下である自分が自走できる人になれるよう意識を変えていく必要があるのです。
他には「評価」もその一つです。評価される人は、得てして自走している人になります。自ら目標を立て実行し、適切に報連相を行い上司や周囲を安心させ、道義的な判断ができる人を会社が評価するのは当然です。一方、目標を渋々立て、報連相が弱く上司や周囲から進捗確認され、道義的な判断ができるかどうか信用できない人を会社が評価することはできません。給与が上がらない、役職がもらえない、と言っている人は、普段上司に信頼されないような発言・行動をしていないか一度振り返ってみましょう。直接上司に「どうすれば信頼してもらえますか?」と聞いてみるのも、意外と良いかもしれません。期待値を擦り合わせることは、何事でも非常に重要です。
目標を立てよう
ちょっと古い記事ですが、目標を立てることの意識調査によれば「目標を達成できた」人が多いのは経営者・管理職層、高年収層、生活程度が高い人、という傾向もあるようです。自走力の高い人はそれ相応の成果も伴う、ということかもしれません。
「自走力を高めたい!」「重要な仕事を任されたい!」という人は、今すぐ目標を立ててみることをオススメします。自ら目標を立てて、実行すること。一見当たり前に見えますが、とても重要なことです。まだ目標を立ててなかった、やっぱり目標を立ててみようかな?という方は、是非時間を使って考えてみてください。自走できる人に近づくためにも、その特徴を満たせるよう少しずつ努力して鍛えていきましょう。
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