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西尾維新&岩崎優次『暗号学園のいろは 1』雑感

前置き  昨年(2022年)11月に週刊少年ジャンプで連載が開始された、西尾維新さん(原作)と岩崎優次さん(作画)による漫画作品──その単行本第1巻。  デビューから20年で100冊をゆうに超える小説を世に出し続けている西尾維新さんではあるけれど、その陰で漫画原作者としても精力的に活動しており、読切、連載を合わせて結構な数のタイトルを発表している(大暮維人さんの『化物語』のような、原作小説のコミカライズとはまた別に。コミカライズ作品も沢山あるのが怖いところだが)。  その中

    • 西尾維新&岩崎優次『暗号学園のいろは 4』雑感

      第二十六号『先んずれば暗号を制す』  暗号学園に眠る暗号資産500億モルグを発掘するための眼鏡兵器……の所有権を巡って繰り広げられるクラス対抗暗号バトル、その名も学年大将念々対戦。  兵長試験を勝ち抜き、学級兵長に就任したいろは坂いろはが所属するA組(無差別解読クラス)の対戦相手は、東洲斎一派との因縁を窺わせる縊梨慕率いるE組(潜入捜査クラス)。  5vs5の勝ち抜き戦となる最初のクラスマッチ、しかしE組の先鋒を務める蜂起星千変万歌(ほうきぼし・せんぺんばんか)の姿が見当

      • 西尾維新&岩崎優次『暗号学園のいろは 3』雑感

        第十七号『下手な戦争休むに似たり』  第三回学級兵長選抜試験・兵棋演習『暗号学園殺人事件』は匿名希望の驚愕の反則プレイにより幕を閉じた。  そして本日は、一学期に一度のun暗号デー。  1年A組の生徒達でレクリエーションを提案し合う中、予選を勝ち上がった学級兵長候補のひとり・要塞村鹵獲(ようさいむら ろかく)の鶴の一声で、皆でバウムクーヘンを作ることが決まり……?    濃度の高い暗号バトルが続いた中でということもあり、読者としても、いろはとしても息抜きが欲しかった…

        • 西尾維新&岩崎優次『暗号学園のいろは 2』雑感

          第八号『踊る戦争に見る戦争』  物語の舞台は、来る世界大戦に備え新設された、暗号解読に長けた少女達を養成する高等学校──その名も暗号学園。  謎に満ちたM組の少女・洞ヶ峠凍の意に沿う形で、クラス(A組)の学級兵長の座を目指すいろは坂いろはは、東洲斎享楽、絣縁沙とのチームいろは坂を結成し──更に朧そぼろ、海燕寸暇との共闘により兵長選抜第一試験『頭脳破壊の四重奏(カステット・カルテット)』を突破する。  そんないろはに対し、海燕を介して凍から伝言が届く。曰く、「実際の戦争を

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          個人的に好きな百合漫画3選

          ちょっとした前置き  娯楽・嗜好としての百合というものについて、どうやら色々な定義があったりなかったりするようですが(恋愛がどうとか友情がどうとか)、自分としては、女の子と女の子がいちゃいちゃしているもの、的な感じでゆるく認識しています。  その中から、今まで読んだことのある作品の中で特に良かったなと感じでいるものをここで軽く語っていきます。 ハッピーシュガーライフ 作者:鍵空とみやき 出版:ガンガンコミックスJOKER(スクウェア・エニックス) 巻数:11巻(完結)

          個人的に好きな百合漫画3選

          雨の夜、寝言とっ散らかりし時分

           幼い頃から、なかなか眠れなかったり唐突に目覚めたりなどして、深夜にひとり起きているという状況に置かれると、「自分が死ぬ瞬間・生を終える瞬間ってどんな感じなんだろう?」なんてことをよく考えていた。  苦しみもがいた末に死に達するのか(それともゴールすらなく永久に苦しみ続けるのか)、それとも日々体験している睡魔のような感覚でやさしく意識を奪われるのか⋯⋯どうしても後者だとは思えなかった。当時、そういった漠然とした不安に苛まれることが恐ろしかったと共に、どこか心地良く感じる自分も

          雨の夜、寝言とっ散らかりし時分

          ブリリアントダイヤモンドプレイ記録(後編)

           画像が多めなので2つに分けました。  ミオシティに着き、6人目のジムリーダー・トウガンさんと対決。ヒョウタさんのお父さん。  開始早々ドーミラーからハガネールに交代されて、特性がんじょう+かいふくのくすり+すごいきずぐすりで長期戦を強いられるなど(こちらは勝ち抜き制で戦闘中に道具を使わない縛り⋯⋯結果、マナフィで3タテする)。  図書館に呼ばれていたが、先に鋼鉄島へ。  劇場映画主演を務めた2匹の熱い共演でギンガ団を倒す。  ミオ図書館へ。  他の地方で進化する伝説の

          ブリリアントダイヤモンドプレイ記録(後編)

          ブリリアントダイヤモンドプレイ記録(前編)

           『パワプロクンポケットR』と一緒に買いに行きました。  いくつかスクリーンショットを撮っていたので、そこに一言二言付け加える形で、十何年ぶりとなるシンオウ地方の旅を振り返っていきます。  どちらかと言えばブログ(?)とかでやるべきようなことで、note向きではないかもしれないですが⋯⋯。  シリーズ恒例の博士がポケモン世界へと導いてくれるやつ。  シンオウ地方ではナナカマド博士。  懐かしいなあ。  主人公の名前はタイトルから取ってリリアン。人名っぽく。  ライバルの名

          ブリリアントダイヤモンドプレイ記録(前編)

          西尾維新『モルグ街の美少年』雑感

           目的ではなく、夢とも言える。  還暦を超えてまでまだ夢があることはお追従でなく素晴らしいと思うけれど、しかし十四歳の誕生日にわたしがそうしたように、大紬氏にも諦めてもらおう。  夢を見ることは美しい。  しかし夢を諦めることもまた同様に美しい──     アンコール! もう一度きみと 謎解きだ!      美少年シリーズ第12弾。  と言っても、美少年シリーズは前作『美少年蜥蜴【影編】』で完結と銘打たれており、本作は番外編的な立ち位置となっている。  完結したはずのシ

          西尾維新『モルグ街の美少年』雑感

          西尾維新『掟上今日子の鑑札票』雑感

           だって、本どころか、誰かの書いた読書感想文を読んで、自分が読破したつもりになることだって、人間にはできるのだ──本を持っていなくてもグッズを持っていれば、それで愛読者のつもりにだってなれる。僕達はいったい、読んでない本の名言を、どれだけ引用している? 未読であろうと知った風に語れる本こそが名作である、なんて見方もある。  前作『掟上今日子の設計図』以来、およそ1年ぶりのシリーズ第13弾。  『設計図』巻末の刊行予告では『五線譜』と『伝言板』の2タイトルが発表されていたけれ

          西尾維新『掟上今日子の鑑札票』雑感

          「メガシンカ」「ゲンシカイキ」「Zワザ」「ダイマックス」の設定について

          ※無駄に長いです。 ※以前書いたもの(↓)の余剰分(本題から逸れた部分)をこちらで書き直した感じの記事となります。 ※あくまで原作についてまとめたものです。メディアミックス等への言及は控えています。 ※備考欄以外はなるべく「主観」を省こうと頑張ってみましたが、それが非常に難しい⋯⋯(ダメだった)。 メガシンカ (画像:『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』) ※登場作品⋯⋯『X・Y』『オメガルビー・アルファサファイア』『サン・ムーン』『ウ

          「メガシンカ」「ゲンシカイキ」「Zワザ」「ダイマックス」の設定について

          西尾維新『新本格魔法少女りすか2』『3』『4』全話雑感

          もしも全13話ではなく全50話の小説だったら、大人りすかのヴァリエーションをもっと増やしたでしょうね。未来は可変であり、少年少女はどんな大人にでもなれるというのが、少なくとも彼女が使う魔法の神髄であり、2003年の僕が書きたかった小説なのでしょうから。 (『ダ・ヴィンチ 2021年1月号』西尾維新ロングインタビュー)    雑誌『ファウスト』で連載が開始した2003年から、17年振りに(雑誌『メフィスト』で)連載が再開され、この前ようやく完結を迎えた『新本格魔法少女りすか』

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          西尾維新『人類最強のヴェネチア』雑感

          「なんだよ。俺の臑ならもうないぞ」  呆れたように旧警部がぼやいたが(帯も下駄も奪われれば、ぼやきたくもなるだろう)、しかし、臑はなくとも、そして救難ロープもウインチもなくとも、この土地には、いくらでもあって使い放題な自然の恵みがひとつある。島全体を取り囲んでいて、汲めども尽きぬ生命のスープ。 「もしかして⋯⋯、う──海?」  アクア・アルタを起こすぞ。それも、とびっきり酷い高潮を。  戯言シリーズ、人間シリーズ、最強シリーズと、同一世界線上で長らく活躍を続けている人類最強

          西尾維新『人類最強のヴェネチア』雑感

          ポケモンの寿命や生息年代についてのまとめ

          ・『Pokémon LEGENDS アルセウス』発表記念に書いた記事となります。 ・『LEGENDS アルセウス』の冒険の舞台は遥か昔のシンオウ地方になるということで、ポケモンの世界において、ポケモン達はいつ頃からいて、何をしていたのかというのを、図鑑説明を中心にまとめてみました。 ・「○○年」「○○年前」などの表記がごちゃ混ぜになっており、恐らく非常に見にくいです。二桁年数から遡る形になりますが、抜け落ちている箇所もかなり見受けられると思われます。 ・作成途中に知って

          ポケモンの寿命や生息年代についてのまとめ

          神と崇められしポケモンのまとめ

          ・『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』発表記念に書いた記事となります。 ・『ダイヤモンド・パール』の冒険の舞台となるシンオウ地方には、神と称される伝説のポケモンがたくさんいるということで、ポケットモンスターシリーズ(原作ゲーム)の世界で、神のように崇められているポケモンについて、図鑑説明を中心にまとめてみました。 ・ポケモン図鑑において「神」と称されているポケモン、あるいは直接称されていなくとも、「化身」「神の遣い」「神話」「まつられる」「

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          美少年探偵団/美少年シリーズについて

          美少年探偵団団則 1、美しくあること。 2、少年であること。 3、探偵であること。 1 概要(はじめに)  アニメの放送日が決定したのでそれまでに全巻読み返しておこう、そのついでにこのシリーズの記事はここではまだ書いてなかったし何か書いてみようなどと思いながら作成した、作品紹介風の何かになります。  2021年の2〜3月あたりにじわじわと書き上げたものですので、それ以降の情報は含まれておりません。    ★小説  小説作者:西尾維新  小説挿画:キナコ  小説出版:講談社

          美少年探偵団/美少年シリーズについて