週末レポート:「こはる日記」読書感想文
まだ行動範囲が広くない中高生時代に感じたこと、この年だったからこそ味わっていたこと。
共感する場面が多かったのは、私も作者の益田ミリさんも通ってきた道だから。
面倒くさくて、でもお守りでパスポートみたいな友だち。
中学生の「チュー」から高校生の「キス」という言葉の移ろい。
男子の視線や生理のこと。
心配性でおせっかいなお母さん。
敬遠しがちだけど、ケーキでつるお父さん。
ケンカするけど、たまに仲良くなるきょうだい。
生きること、死ぬこと。
無限に広がる漠然とした未来に、身近な大人と重ね合わせ、調合しながらぼんやり描く自分の将来。
あの頃はなんにも考えてなかったな、
と一見思ってしまう。
けど、過去の自分もそれなりに、そのとき、
悩んでること、考えていることあったのだ。
案外、あの歴史の授業で夢を描いたり、妄想してたりしたことが後になって決心する素(もと)
になってることもあるのかもしれない。
わたし、思春期を生き延びた。
今も生きている。
素晴らしい。
漠然と考えている今に自分も、あの頃とそんなに変わってないのかも。
それもまたいいんじゃない?と思っている20代のわたし。
livre;
『こはる日記』益田ミリ
角川文庫/令和5年5月25日出版
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