エッセイ【その先には】
「ひとつの出来事から、多角的に楽しみを見つけることができる」
それは、日頃から物事に対してどのように向き合っているかということだと思っています。
そんなことを実感したのは、ある日花束をいただいた時でした。
「お花が綺麗で嬉しい」という気持ちで家に帰り、花束を飾り、何日かかけて花瓶に小分けしてアレンジを楽しみました。それがいつもの感覚でした。
ある日なんとなくフラワーアレンジメントもっとを楽しみたいという気持ちになり、レッスンを受けることにしたのでした。
レッスンでアレンジのテクニックが身に付いたことはもちろんのこと、フラワーショップの彩り豊かな花や香りに囲まれた中でレッスンを受けたこともあり、なんとも言えない内面的な豊かさを感じたのです。
花には、他人に想いを伝える効果・花を育てる花卉栽培者の愛情・販売するフローリストの想いなど、様々な人間模様があるということ。
花は組み合わせ方次第で、どんなライフスタイルにも馴染むという特性があること。
五感で花を楽しんでいると、凝り固まった頭の中がほぐれていき、想像が膨らんでいくのがわかりました。
その日をきっかけに、お花を飾る楽しみが何倍にも増えたことをよく覚えています。
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食事が趣味。旅が趣味。
いろんな趣味を持つ人がいます。
美味しく食べてお腹を満たしたり、見知らぬ場所や人と出会うというだけでなく、友人や家族と時間を過ごすことが目的というのも素敵なことです。
いつもの過ごし方の中で、視覚や嗅覚・想像をさらに巡らせると、その背景にあるドラマや人の想いにあらためて気づくことがあると思います。
「いただきます」「こんにちは」「ありがとう」
いつもと同じ暮らし、いつもと同じ言葉、いつもと同じ行動でも「その先」にあるものを意識してみる。
すると、もっと気持ちのこもったものになる。
感性こそが暮らしを豊かにする。
いつもと同じ出来事の見方を変えて日々の暮らしを大切にするために、忘れないでいようと思います。
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