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知の学びを創造する者
2023年12月20日 23:39
彼は、いわゆる撮り鉄。ホームの一番前まで走っては、カメラに電車を収める。「次は5番ホームに新型車両が入って来るんだ」と、レストランで大好物が出されるかのような顔をする。私は何が楽しいんだろうと思いながら、いつになくテンションの高い彼を横目に見ていた。たぶん、今の彼を止めることは出来ない。私なんかそっちのけ。彼の目に映るのは遠くから迫りくる銀色の輝き。ふいに、私は思う。
2023年12月17日 13:24
俺は急いでいた。アカネが転校する。今日は引っ越しの当日だった。俺は坂道を走り、家の前に辿り着いた。引っ越しのトラックが停まっている。「ハアハア、間に合った」ダンボール箱を抱えたアカネが玄関から出てきた。「どうしたん?そんな慌てて」「お前にさ、渡し、渡し忘れてたから」俺はポケットから消しゴムを取り出した。「それ、うちが貸した消しゴムやん。もう無くしたんかと思ってた
2023年12月3日 00:54
月と交信している。誰もが笑った。「そんなことして、何の意味があるんだよ」意味?意味なんているのか。僕は好きだから電波を探しているだけだ。アイツらは目的と概念を欲しがった。申し訳ないが、そんなものはない。少なくともこの方法で上手くいくのかさえ分からない。だが、僕は月を知りたかった。「社会ってさ、正しい方法ばっかりを求めるよな。その基準ってさ、一体、どこにあるんだろ