【読書日記】 見えにくい、読みにくい「困った!」を解決するデザイン を読む
障害のある人の情報アクセシビリティについて、デザインの視点で勉強したいと思い、読みました。
第1刷:2022年11月30日
発行元:株式会社マイナビ出版
著者:間嶋 沙知
内容:本書は、ダイバーシティやインクルージョンを実現するために、デザインの力でできることを紹介する書籍です。具体的には、色、文字、ことば、図解、UIという観点で、基礎知識と改善例を交えて解説します。作例はBefore/Afterで視覚的にわかりやすく、丁寧にまとめました。(Amazonより)
奥が深い内容だった
デザインはもちろんのこと、認知心理学、アクセシビリティ、障害特性などに関わる内容も充実しており、大変奥が深い内容でした。
単に「デザイン」のみについてハウツーを書かれた本であれば、途中で挫折していたかもしれません。
障害のある人との情報伝達を思い浮かべながら読みました。「こういう根拠があるからこのように対応すればよい」という書きぶりなので、よく理解できました。
認知負荷を減らすことについて
特に関心をもって読んだところは、「わたしたちの視覚情報の処理には一定のパターンがあります。・・・人の認知特性を知り、自然な処理の流れに沿うことで、伝わりやすさが高まります。」(156ページより引用)という部分です。
情報を知覚、認知、判断する一連の処理のしくみであるワーキングメモリーにかかる負荷を減らすことによって、いろいろな「困った!」が解決できるといいます。
認知負荷を減らす方法は以下の通りです。
見やすく、読みやすく表示する
馴染みのある表現にする
一貫性を保つ
選択肢を絞る
ノイズを減らす
これらは「教室のユニバーサルデザイン」の内容と重なるものが多いです。
さらに、私が普段接している、特別支援学校の知的障害のある子どもたちとのコミュニケーションや授業づくり、教材作成、教室環境で大切にしていることとも重なります。
認知負荷を減らし、視認性が高く、理解しやすい情報提供の方法は、だれか一人に対するものではなく、どの人にとっても有効なものなのだと改めて思いました。
こういった視点は、今後も仕事の上で大切にしたいと思います。
また、現在、第二ステージに向けてホームページを作成中ですが、この本の視点で再度見直し、一人でも多くの方にわかりやすい情報提供をしていきたいです。
「デザイン」についてわかりやすく学ばせてくれた、この本に感謝します。
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