2024年9月後半の読了本+感想、活動報告
こんにちは。
9月後半は、まず文学フリマ札幌への参加がありました!
こちらへ感想を書いていますので、良かったら読んでみてください!
10月27日には、文学フリマ福岡へ参加予定です!!
そして地元・徳島のタウン誌『CU』で担当している書評コラム『やっぱり読書はやめられぬ』では、波木銅さんの小説『万事快調 オールグリーンズ』を紹介しました。
高校の屋上で“ある植物”を育てて売り捌くことを企む、はちゃめちゃな面白小説でした!
ぜひ四国旅行を予定されている方、どちらも旅のお供にどうぞ!
さて、読書感想文です↓↓
2024年9月後半に読んだ本
①『わたしを空腹にしないほうがいい』 くどうれいん
小説家くどうれいんさんの21歳の頃の6月の日記と、22歳の日記を少し。
食べることと、食べるものを作ることが大好きなくどうさん。お粥について書かれた箇所があったが、本当にお粥やたまご雑炊みたいに優しい本。
それでいて「わたしを空腹にしないほうがいい」という一度聞いたら忘れないタイトルのように、そこらじゅうにパンチラインとなる一文が書かれている。この一文どうやって思いついたの、と思うものばかり。文体は優しくて、感性は鋭い。
「グレープフルーツ」=「両手で持てばどことなく安心する重さ」だなんて考えたこともなかった。
何か作りながら、空き時間に読み返したくなる。
②『みんな蛍を殺したかった』木爾チレン
しっかり嫌ミス、ちゃんと胸糞。面白くて、キャラクターの深掘りが特に印象的だった。
デュビアなどのヤバい描写も多いけれど、何よりストーリーの謎の仕掛け方が魅力的で「なんで?」と「そういうことか!やられた!」の絶妙な間。うまい。
ストーリーは女子高生4人の群像劇。
舞台は2007年、京都の私立女子校。
猫井栞、五十嵐雪、大川桜の3人は生物部に所属している。この3人の目線が交互に綴られ、物語が進んでいく。
生物部とはいっても一匹だけいるアロワナに餌をやるだけで、活動はなし。スクールカーストの底辺にいる3人は、放課後そこで小説を書いたり、漫画を読んだり、ゲームに熱中したり。要は『オタクの巣窟』と化していた。
そこへ東京から転校してきた美しく可憐な少女・七瀬蛍が入部する。
蛍は「私もね、オタクなの」と告白し、三人と心を通じ合わせようと試みる。三人はなんでこんな可愛い子がここに?と戸惑うが、蛍はみんなに優しく、遊びに誘ったりするのだった。
しかしある日、蛍は急に線路に飛び込み亡くなってしまう。彼女に何があったのか、謎を残したまま第1章が終わるのだが、最後に誰の言葉かわからない独白で「あの夜、蛍を殺してしまったことを後悔している」と記される。
第二章は、それから13年後の2020年。
「ずっと暗闇にいるから気づけなかった。蛍は暗闇の中では美しいが、光の中ではただの気持ち悪い虫だと——。」
この一文が特に印象的だった。
そしてチレンさんのあとがき、けんごさんの解説も良かった。自分のオタクだった過去も赤裸々に語り、「絶望を吐き出すように本作を書いた」と綴られているように、魂こもった一作を楽しませていただいた。
③『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』山岡彰彦
Fラン地方大学(本人談)出身の山岡さん。
四国のコカコーラボトリング社に就職し、ルート営業(会社・店舗・事業所に自動販売機の売り込み)に配属される。
しんどくてやりがいのない日々が続き、上司に飲みの席で愚痴をこぼしたところ「なんとなく仕事してると仕事の嫌な分だけがみえてくる。目指すことのために仕事をしなさい」となだめられる。そこからの成長の日々を綴っている。
ルート営業編、フードサービス編を経て、営業でナンバーワンとなり、東京の日本コカコーラ本社へ出向となる。
仕事との向き合い方、自社製品への愛情、お客様への真摯な姿勢がとても良かった。学びが多かった。
印象に残ったこと。
【ルート営業編】
・雨の日に「君だけが商品を濡れないように服の下に入れて店まで持ってきた」と言われたこと。
・上手くいかなかったことは繰り返さない、何が上手くいかなかったかかんがえる。
・汚れていた自販機の清掃、節電のための電源スイッチを押す作業などを店舗に変わって行うことで受注が取れたこと。
【フードサービス部門編】
・ドリンクバーの設置営業を担当。ファミレスはどこも既に設置済み。どこに置いてもらうか頭を悩ませる山岡さん。
・自分の仕事をお客さんの側から見るという気づき。
・パチンコ店へ設置の際、「しかるべき人を連れてくる」ように言われ、本社に相談したところ、日本コカコーラの副社長まで来ることとなり、商談がまとまったこと。
・設置できなかったビアガーデンに通い続け、翌年の設置を勝ち取ったこと。売って終わりじゃない。
【コカコーラジャパンへ出向編】
・ボトラー時代との働き方の違い。
・ふたつのうちどちらにするのか決めたら蒸し返さない。いかに仕事を進めるかに集中しないと具体化しない。
・なんのためにやっているのか、やったらどんな効果があるのかを常に考える。仕事と余計な作業を混同しない。目的を達成する以外の作業はやらない。
・状況把握の大切さ。いきなり具体策からやらない。
・仕事の向こうにある人をみる
今後の予定
①文学フリマ福岡
日時:10月27日、11時〜
会場:博多国際展示場&カンファレンスセンター
URL:https://bunfree.net/event/fukuoka10/
第一芸人文芸部のブースは【Aー24】になりました。
入って左奥です!!
福岡の皆さま、九州の皆さま、山口の皆さま
会えるのを楽しみにしています!!
第一芸人文芸部のレギュラー
① 毎週水曜22時〜 stand.fm生配信
今週読んだ本の紹介、そのほか文学ニュースについて語ったり、活動報告も行なっています。お便りコーナーもあるので、質問等お待ちしております。
第一芸人文芸部の活動のベースとなっております!
② 毎週日曜16時30分〜BSよしもと『俺の推し本』
毎週レギュラー放送中。アーカイブはBSよしもとのサイトから!
また放送から1週間後にBSよしもとのYouTubeチャンネルでも公開されます!
YouTubeは記事の下の方にまとめているので、ぜひ!
そして9月29日から4週にわたって、特番仕様になります!!
豪華ゲストも参戦!お楽しみに!
放送予定
10月6日 特別編②
10月13日 特番(60分)
10月20日 総集編
10月27日 シーズン2スタート!
拙著について
① 『きょうも芸の夢をみる』
2023年3月に発売した“芸人”をテーマにして書いたショートショート&短編小説集『きょうも芸の夢をみる』。めちゃめちゃ自信作です!!
Amazon、読書メーター、ブクログなどで感想書いていただけたらめちゃくちゃ喜びます!!
こちらに発刊への想いは、以下に綴っています。
そして以下のリンクから芸人の解散をテーマにして書いたショートショート『エルパソ』を無料公開しているので、ぜひ読んでみてください!
② 小鳥書房 『本屋夜話』 (「小鳥書房文学賞」詞華集: とりをめぐる12話の物語)
こちら小鳥書房さん主催の「小鳥書房文学賞」を受賞させていただき、その後発売されたアンソロジーです。“とり”をテーマにした12作。僕の『私・芸能人・鳥』という作品も掲載していただいています!
③『第一芸人文芸部 創刊準備号/創刊準備二号』
ともに一般流通していませんが、以下の本屋さんで取り扱ってくれております。自信作です! ぜひゲットしてください!
アーカイブ
①(2024年7月〜)『第一芸人文芸部 俺の推し本』
④ (2023年10月〜2024年3月)Amazon Audible 『本ノじかん』
2023年10月〜2024年3月までの半年間、パーソナリティを担当させていただきました!豪華なゲストと本や創作について語っているのでぜひ!
また番組内の『クチヅタエ』という企画で、バイク川崎バイク(BKB)、しずる・村上、3時のヒロイン・福田、ニッポンの社長・辻、レインボー・ジャンボたかおのリレー小説の連載が完成し、第23回では全員集まって反省会をしています!各回の朗読は、声優の白井悠介さんです!
東野圭吾さん初のAudible作品『誰かが私を殺した』の配信を記念して、2024年7月24日~28日までの5日間に渡って実施されたイベント「真夏のミステリーライブラリー」で公開収録した特別編も配信中!
面白いもの書きます!