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古典文学×ヒロイックファンタジー

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古典文学×ヒロイックファンタジー=新しい時代 古典文学に題材をとった作品のマガジン Photo by Artem Sapegin on Unsplash https://unsp…
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【和風怪奇短編小説】山伏、舟ひっくり返すこと【梗概】

【和風怪奇短編小説】山伏、舟ひっくり返すこと【梗概】

 本記事は、短編小説「山伏、舟ひっくり返すこと」の梗概です。結末部分を含むネタバレがあります。ご了承ください。

 この物語は、渡守が乗客に聞かせる経験談という体裁をとる。舞台は、中世日本の説話らしい和風の世界で、甲楽城(越前)の渡しという土地だ。

 他の渡守との客取り合戦に負けて肩を落としている船頭のもとに、小男と、山伏らしい大男の二人組がやってくる。二人は喧嘩をしていたので、船頭は彼らと関わ

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【和風怪奇短編小説】山伏、舟ひっくり返すこと

【和風怪奇短編小説】山伏、舟ひっくり返すこと

(あらすじ)越前国は甲楽城の渡しで船頭を営む塩次のもとに陰陽師と山伏が喧嘩しながらやってきた。船頭は厄介事は御免、はやく対岸に渡って休もうと、渡し賃をもっていた陰陽師だけを乗せて船を出すも、山伏の怒りをかったのか、海は荒れに荒れて船は思い通りに動かない。

先に結末を含む梗概を読んでおきたい方は→こちらからどうぞ。

序 甲楽城の渡しはいつもこうなんですよ。人がイナゴみたいに、失礼、お客さんのこと

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魚売と豪力娘(梗概)

魚売と豪力娘(梗概)

今昔物語集に取材したファンタジー小説「魚売と豪力娘」を公開しました。芥川龍之介の「羅生門」が元にした説話に、別の説話を2つ足したもので、小悪党がただものならざる存在に出会ってしまう短編小説です。

あらすじが分かってからのほうが読みやすい方もいるとおもい、梗概を以下に記します。結末とネタバレを含みますので、ご容赦ください。

生活苦ゆえ蛇の肉を魚と偽って売り歩く太郎は、賄賂がきかない検非違使の持衡

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魚売と豪力娘

魚売と豪力娘

あらすじ:平安時代。行商人の太郎は、京中でのインチキ商売を検非違使の持衡により暴かれて追われ続けた挙げ句、笠置山に逃げ込んだ。無罪放免を勝ち取るべく山中に住む娘と老婆を人質にしてはみたものの、検非違使は一歩も譲らず、老婆と娘にはただものならざる風格があった。

先にあらすじ(梗概)を読みたい方は→こちらをどうぞ

太郎
 平安時代
 ある年の水無月
 京の都の帯刀の陣にて

「ぜんぶ買ってくんねえ

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