作品とメッセージの違い
「作品」と「メッセージ」は比較できるものではないかもしれませんが、SNSやブログで文章や写真を投稿しているとき、しばしばこの違いについて考えることがあります。
クリエイティブの結果が「作品」なのか「メッセージ」なのかを考えることがあるということです。
作品とは
制作物
芸術的なもの
鑑賞の対象となるもの
メッセージとは
言葉またはそれに準じるもの・声明
人から人へ伝えられる考え方・見方
スタンスを明確にするもの
音楽における作品とメッセージ
楽曲は音楽家による「作品」ですが、そのなかには「メッセージ」が込められているものと、そうではないものがあります。
音やメロディやリズムにメッセージが込められるものもあるとは思いますが、それは作り手の勝手な思い込みによるもので、その楽曲を聴いた人が受け止めるものは違うことの方が多いでしょう。
少なくとも正確には受け止められません。
そこに「歌詞」が乗ることで、言葉という具体的な意味が伝わるようになり、楽曲がメッセージになる場合があるということでしょう。
かつての歌謡曲などの流行歌は、作詞家・作曲家・歌手が別々に存在していましたが、シンガーソングライターが登場したときに、それらが一体化しました。
単に鑑賞するためだけの楽曲ではなく、作り手本人が感じたこと、社会に対して発信したいことを、素直に曲と詞と歌声に乗せて送り出すことによって、聴いた人が人間性を含めて深く共感するという、新しいスタイルが生まれたのです。
シンガーソングライターが歌う歌は、作品であり、かつメッセージであったといえますね。
美術や写真における作品とメッセージ
美術や写真には「言葉」がありません。
したがって、具体的なメッセージを明確に見る人に伝えることは不可能です。
見る人は美術や写真のビジュアルを見て、さまざまな感じ方をします。
作者がビジュアルに何らかのメッセージを込めたとしても、見た人には届かない可能性の方が高いでしょう。
よほど説明的な絵にしない限り、伝えたいことは伝わりません。
せいぜい「絵から作者が感じるものと同じ感覚を見る人が得る」というレベルに留まると考えられます。
そして説明的な絵が、芸術的な価値を持つことは考えにくく、説明しないミステリアスなものの方に、人は価値を感じると思います。
つまり美術や写真によって伝えられるものは「イマジネーション」であって、メッセージではないといえるのではないでしょうか。
note における作品とメッセージ
音楽・美術・写真のアウトプットは、そのまま「作品」といってよいものですが、note の投稿は決してそうではないと思います。
とくに意図しない単なる随想や、つぶやきのようなものは、作品とはいえないでしょう。
また、芸術的な意味を持たない投稿も、もちろん存在するため、それらも作品とはいえません。
しかし、それらはメッセージではあると思います。
誰かに向かって発するために書かれる投稿は、基本的にはメッセージなのだろうと考えられます。
まとめ
音楽・美術・写真のような芸術のアウトプットは「作品」であり、そのなかに「メッセージ性」があるものと、そうでないものがある。
歌詞を伴う音楽を除いて、音楽・美術・写真には仮にメッセージ性があったとしても、それが見る側に伝わっているかどうかは全く不明です。
note のような投稿は「作品」と「そうでないもの」があります。
しかし投稿は自ずから「メッセージ」であり、作品でなくてもメッセージとして成立し得るものでしょう。
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