社会不安障害でも営業マンになれる? Vol.2
【続 社会不安障害編】 正式に社会不安障害の診断がおりたのであったが、処方された薬がまずかった。後ほど判明するのだが、はじめに処方された薬は効果は高いが、依存度が高く、効果も高すぎるものだった。( 田舎の医者だったからかも? ) 名古屋、千葉と比較的都会である町に引っ越しした際に紹介状を元に通院すると、ほぼ100%何かしらあやしまれるようになった。 クリニックでも変人扱いである。これには正直困った。 あるクリニックでは、診察から処方→薬局まで看護師さんに追尾されるということもあった。
処方された薬は見事に効果を発揮し、ブラックとはいえ、6年も在籍していたこともあり、仕事自体は順調だった。 訪問前には薬を服用し、呼吸を整え、無理やりテンションを上げて営業に行く!という場当たり的な対処法ではあったが、それなりに実績を上げ、本社の社長に何故か可愛がられた。( あいかわらず事務所では上長にイビられていたが...... ) 反面、そんな日々の中で私の精神は確実にむしばまれていた。 コップの水がじわじわたまり、ある日、ついに崩壊したのである。
【精神崩壊モード突入】 ある休みの日に、妻に「もう俺はダメだ!!潰れてしまう!!」と叫び、アラサーのオッサンにもなっていたのに大泣きしてしまったのである。 6年、もしくはそれ以上症状を放置していた代償として、私は屋外はもちろん、家 ( 妻 ) にもビクビクするようになっており、妻にも要らぬ苦労をかけていた。表現は悪いが、腐ったリンゴをリンゴ袋に入れると全部腐るというのを身に染みて感じてはいた。 あげくに、小学校以来、大学からの友人にもビクビク、コンビニ、レストラン、スーパーの店員にもビクビク。実家でもビクビクしてしまったのには我ながら驚いた!私が生まれ、育ててくれた環境、親に対してさえビクつくのである。 話が長くなったが、そんな流れを感じていた妻は理解を示してくれた。 本当にありがたかった!!反面、申し訳なさも感じた。そして会社を退職する方向で考え始めた。
【退職、転職ループの始まり】 情報弱者の私には会社を辞めるという選択肢はなかったが、そんなこともいってられないくらい精神崩壊し、一種のパニック状態だった。 直属の上司に「辞めます!!」と思い切っていったと思うが、正直記憶が定かではない。ただ、一応、退職を留まるよう話をしてくれたことは覚えている。決して性根から悪い上司ではなかったが、ブラック企業あるあるである「ここを辞めても次の職場でも一緒でお前など使い物にならない」といったお言葉をもらえたのは覚えている。 そんなお言葉をもらっても、とにかく現状から逃げ出したいという衝動しかなく、転職活動はもちろん、次の働き口のあてなど何もなかった.....。 母体がしっかりしていたこともあり、意外と有給をもらえ、少しばかり心身共に休めることはできた。
【初めての転職活動】 退職は決まったが、30歳を越え、狭い世界しか知らない私はこの先どうしたらよいのか全く分からなかった。 家族 ( 妻、娘 ) もいるので、稼ぎが必要なのはなんとか考えることはできたが、とにかく自分が楽になりたい!という思いが正直強かった。 ※この思いは今でも多分に自分の中で存在し、現状を受け止めず、場当たり的に現状から逃げ、他のせいにするという最低のクズオヤジであることを最近になってやっと分かってきた。 初めは現状から逃げ出したい強い思いから国外逃亡しか頭になかった。こんな自分を知らないところへ行きたかった。タイやベトナムなどに絞り転職活動を行ったが、お悔やみメールの連発。はては、面接官に「考えが甘すぎる」と諭される始末だった。不登校の為、中学英語さえあやしい私にはハードルも高く、そもそも覚悟も決めていなかったので当然といえば当然だ。 ※妻は真剣に考えてくれており、現地の保育園なども調べてくれており、心配している義父にも大丈夫と話してくれていたようだ。 そんな苦労も知っている中、現状からの逃げばかり先行していた?いる?私は本当にクズだと思う。 結局海外は諦め、数十社を受けていたところ、1社内定をもらうことができた!大手外資系タバコメーカーである。私は外資!というキラビヤカな言葉と年収が前職より上がるという2点のみでお世話になることを決めた! 問題は採用が名古屋という縁もゆかりもない地であるということだった。ただ、アホな私は田舎から都会へ出て、外資系で働き、ゆくゆくは海外赴任!といい年こきながらアホすぎる夢?幻想を抱いていた。 そんな私を信じ、周りの反対を押し切り、ついてきてくれた妻、娘には今でも本当に申し訳ないと思っている。 入社までもう少し。私は自分の現状、症状、立場などをしっかり考えず、泥沼の転職→退職→引っ越しの無限ループに入っていく自分を分かっていなかった......。
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