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30日間の革命 #革命編 80日目

 坂本は翌日、宣言通り原稿用紙20枚を書いてきた。内容は以下の通りである。

 1.服装の乱れについての反省

 2.再発防止への取り組み

 3.反省文という罰則について

 4.反省文の枚数について

 5.反抗的な態度について

 6.今後の対応について

 大きく分けて6つの構成でびっしり20枚埋めていた。前半部分では服装が乱れていた事実を認め、再発防止のための取り組みについてもしっかりと書いており、反省文という体はなしていた。そのうえで後半は、反省文という罰則についての意見、度を超えた枚数を書かせることについての抗議などについてを、本当に高校生が書いたのかというほど理路整然に書かれていた。

 坂本は朝一番に登校し、大友の到着を待った。高橋に渡せば、必ず大友に渡る前に再提出を課せられる。だからこそ、直接大友に渡すために誰よりも早く登校し、大友の到着を待ったのだった。

 待つこと数分、大友が姿を現した。大友は野球部の朝練に向かうため、練習着を着ていた。

 「大友先生、おはようございます」

 坂本は大友の姿を見つけると、駆け寄りまずはあいさつをした。

 「……おう、お前か。何だこんな朝早くに」

 大友は坂本の姿を認識すると、少し警戒しているような表情で答えた。

 「はい。昨日注意された服装の乱れについて、高橋先生から反省文を書いてこいと言われましたので、20枚書いてきました。大友先生にお渡しするためにお待ちしておりました」

 坂本はそう言うと、大友へと原稿用紙を差し出した。大友は差し出された原稿用紙を少し見て、

 「高橋先生に言われたんだろ。だった高橋先生に直接渡せ」

 と言い、原稿用紙を受け取ることなく職員室へと向かおうとした。

 「私が注意を受けたのは大友先生です。確かに反省文を書いていこと指示されたのは高橋先生ですが、反省の内容は大友先生に向けて書いています。だから大友先生に読んでいただきたいです。受け取ってください」

 坂本は大友の前に出て、再び原稿用紙を差し出した。大友は食い下がる坂本を睨んだ。しかし坂本は相変わらずひるむことなく原稿用紙を差し出し続ける。少しの間、お互い無言の時間が流れたが大友は時計をちらっと見ると、ため息をついて原稿用紙を無言で受け取った。そしてそのまま職員室へと姿を消した。

 そして少し時間が経ち、加賀が登校してきた。加賀は坂本の姿を見つけると、

 「小春おはよう。反省文書けたの?」

 と声をかけた。

 「ええもちろん。今朝大友先生に提出してきたよ」

 坂本はさらっと答えると

 「早っ! もう出してきたの? それも大友先生に直接? 何か言われなかった?」

 と加賀は驚いた様子を見せた。

 「最初は高橋先生に出せって言われたけど、高橋先生に渡したら絶対再提出って言われるからね。何とか食い下がって渡したよ」

 「うわー、さすが小春だよ。俺だったらビビるね。でさ、内容はやっぱり抗議文にしたの?」

 「服装が乱れていたことは事実だから、そこについてはちゃんと反省文を書いたよ。その後は、ちゃんと事実に基づいた抗議文を書いたね」

 「まじか。なら、この後どうなるかだね。もしかしたら呼び出しくらうかもよ?」

 「ええ、それも想定しているわ。どれだけ怒られても、私たちにとっては騒ぎが大きくなった方がいいから問題ないわ。とりあえず、大友先生の反応を見てみましょう」

 「そうだな。何かあったら俺も助けに入るよ」

 「ありがとう」

 間もなく始業のチャイムがなり、一日が始まった。

▼30日間の革命 第一部
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