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鋼の誓い #毎日ネタ出し64日目

【タイトル】

鋼の誓い

【あらすじ】

今ここでコイツを排除するのは簡単だ。でも、それでは今までと何も変わらない。だから私は拳銃ではなく手を差し伸べた。

2030年。日本の不況は深刻さを増して、大量の失業者を出し続けている。所得の格差は広がる一方で、低所得者が集まる街の治安は悪化の一途を辿っていた。

その中でも全国で1番治安の悪い街と呼ばれていた「特A地区」では、半グレが集まり「新皇会」を組織し独自のルールを制定しながら、事実上の治外法権状態となっていた。

風見俊二は20歳という若さで「新皇会」の幹部まで登りつめ、特A地区では知らない者はいないほどの実力者だった。その凶暴性で周りの人間を次々に従え、将来新皇会のトップになる男だとも言われている。

そんな風見は、とある事件を起こし警察に指名手配をされてしまう。更に、日本政府は「特A地区」での犯罪者には、その危険度から「発見次第排除しても良い」という通達がなされていた。

必死に逃げ惑う風見。警察は風見を中々見つけ出せずにいた。そんな中、私はとある路地裏で風見を発見した。悲惨な逃亡生活だったのであろう。私の姿を見ても、逃げる体力は残っておらず、その場から動けずにいた。

私は通達通りに風見に拳銃を向ける。ここで風見を排除すれば新皇会にも大きな打撃を与え、壊滅への一歩となるだろう。

しかし、風見を排除すれば必ず報復が起きる。そこで命を落とす人も出るだろう。私は風見に銃口を向けながらも必死に考えた。そして、出した答えは銃ではなく手を差し伸べることだった。

排除するだけでは日本は変わらない。風見に手を差し伸べることで、風見を救う。そして救われた風見はいずれ新皇会を救おうと思うだろう。

いつ風見に裏切られるかは分からない。そうなれば私のこの選択は大きな被害を生むことになるだろう。

それでも私は賭けたかった。この日本に住んでいる若い可能性に。風見が変われば日本も変えられる。

そして、風見も私の手を握って立ち上がった。

二人の人間が日本という運命を背負った瞬間であった。

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