30日間の革命 #革命編 21日目
「プチ革命!?」
加賀は思わず声をあげた。
「そう。プチ革命を起こすのよ。」
坂本は驚く加賀をよそに冷静に答えた。
「ごめん。まだよく理解出来ていないんだけど、そのプチ革命ってどういうこと?」
「その内容はまだ考え中よ。要は、口じゃなくて行動で示そうよって意味だよ」
「行動で?」
「うん。前回は、『革命がこの学校に必要だし、みんなにとっても大切なことだよ!』って集会を通して口で広げてきたじゃない? でもそれじゃあ人を動かすことは出来なかった。そんなことよりも、自分に直接関わるの悩み、つまり受験や進学についての方が大切だって思ったんだよ。そりゃそうよね。革命なんて起こさなくても、直接自分には関係ないんだから。だから、今回も口でいくら説得しても、もう誰も動いてくれないと思う」
坂本は懇々と説明を続ける。
「だから次は実際に行動で示してみせるのよ。革命を起こすとこんなに学校生活が変わるんだってことをね。それを見せることが出来れば、自分事として捉えてもらえると思うの。逆に言えば、もう私たちにはその選択肢しか残ってないかもしれない。人を振り向かせるためには、口だけじゃなくて実力を見せつける。そういう意味で、”プチ革命”を起こすことでみんなに私たちの実力を見てもらう。それが次の作戦よ」
坂本の話にはいつも説得力がある。加賀はそう心の中でそう思った。
「そっか。それで実際に小さい革命を起こしてみせて、みんなに革命が必要だって思ってもらうって訳ね。納得したよ」
加賀はすっかり坂本の作戦に賛同していた。
「あと大事なのは、みんなの不安を取り除くことね。今回分かったのは、やっぱみんな『受験』とか『進学』に対しての意識は強い。そこが脅かされる不安がなくならない限りは革命に賛同してもらうことは難しいかもしれない」
「た、確かに。特に3年生はそうだよな。もう完全に受験シーズンだし、これまでやってきた努力を水の泡にされるのは嫌だって思う人も多いだろうね」
「そうね。だから、そこをカバーするためにもう一つの案があるの」
「何々? 教えて!」
加賀は坂本の”もう一つの案”に興味深々だった。
「うん。まだ案の段階なんだけど、こう考えてるの……」
坂本は加賀へ”もう一つの案”についてを話した。すると、
「ま、まじで? それ本気でやるつもりなの?」
と、加賀はプチ革命の話を聞いたときよりも驚いた。
「うん。でも、それが実現したらみんなにとっての不安も拭い去れると思う」
坂本はそう確信を持って話をした。
「何か今回の作戦は本当にどれも緊張感あるな。もう行動を起こすしかないって感じだね」
加賀は少しため息をつきながらつぶやいた。
「そうよ。何回も言うけど、もう私たちに残された道は”行動”しかないわ。実行あるのみよ」
そう話す坂本の顔は笑顔に包まれていた。
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