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六本木と現し世の行方(2024年6月2話)

 今回の話題は「六本木の夏祭」「インドの古典を読む」「イスラエルと私達」「東京に二つある三田という地名」「ユダヤとアッシリア」「キリストの弟」「教会と現代人の堕落」です。

 令和時代の日本列島を舞台に、美少女キャラ達と主人公あなたが紡ぐブログマガジンです。

私小説『地球学徒の日記


6月16日(日曜)
六本木 季節外れの学園祭

東京 港区 麻布
東京 港区 麻布あざぶ

 本日は、港区の六本木(麻布区域)と乃木坂(赤坂区域)の間にある会場で、コンサートと模擬店を組み合わせた学祭風ライブ「季節外れの学園祭 灼熱の夏篇」が開催されました。今日は「父の日」でもあり、幾つかの外出プランを考えていたのですが、主演の梨木つむぎ様から案内を頂いたので、ネネカさんとメグミさん達が夜の部に伺う事にしました。

 六本木駅から北西(乃木坂方面)に歩き、神社の門前を通り、静かな路地を進むと会場に着きました。お祭り風なので、浴衣の方々が多くいらっしゃいます。もう、こんな季節になったんですね。

 毎度お馴染みの梨木つむぎ様は、各演者のイメージカラーを反映したカクテルの販売を担当されていました。因みに、梨木さんのは青系(ブルーハワイ)です。

 ざらめ様は、パンケーキを調理されていました。とても美味しく、ネネカさんもメグミさんも注文して食べていました。

 また、先月末の生誕イベントでお世話になった「よる。」様は、欠き氷を削るのに挑戦されていました。飲食だけでなく、記念写真撮影を申し込む事もできるので、ネネカさんは(先月は撮れなかったので)よる様と写る事にしました。

 帰り道にメグミさんは、六本木を鎮守する龍土神明宮 天祖神社に参拝しました。室町時代1384(至徳元)年に建てられ、日本の神々として天照アマテラス伊邪那岐イザナギ伊邪那美イザナミのほか、南極星(竜骨座カノープス)の化身である中華の福禄寿(七福神)を祀っています。

 現代的な大都会でも、伝統的な神様に挨拶できて、とても嬉しそうなメグミさんでした。

 この龍土天祖神社には、東京が水不足に悩んでいた1940(昭和十五)年の夏、突如として神水が湧き出して地域住民を救った「清龍の井戸」があり、それも神様のお蔭だと信じられています。

 六本木と言えば、冬や春に樹木がイルミネーションされた欅坂の思い出もあります。


6月19日(水曜)
ウパニシャッドを読む

 今朝、メグミさんとヒジリお姉ちゃんは、古代インドの宗教哲学書(バラモン教)である『奥義書ウパニシャッド』を勉強していました。

 ウパニシャッドは、紀元前500年頃を中心に、前8世紀~紀元前後までの数百年間に亘って、無数の思想家らによって記されたと考えられている、サンスクリット語(古代ヒンディー語)の文献です。現存する物だけでも108章あり、そのうち10~16個の章が、特に重要な聖典とされています。

 ウパニシャッドに書かれている思想は「私達の自我は、宇宙の根源と合一し得るものである」というものです。そして、この考えを発展させたり、批判的に考察したりしながら、仏教やヒンドゥー教などの東洋思想が紡がれました。仏教的には「個々の物事は結果に過ぎず、実体を持たないくうであるから、その原因を認識する事が大切」という「中観ちゅうがん」の見方や、心(精神)こそが唯一の実在であるという「唯識」の見方が挙げられます。

 ウパニシャッドの思想は、西洋哲学にも影響を与えました。また、科学的にも「私達自身を含む全ての現実存在は、宇宙創世時のエネルギーから生まれたものであり、私達がどこから来たかを探究すると、宇宙の根源に行き着く」という天文学的宇宙論と通ずるものがありますね。

 ウパニシャッドのうち、特に重要な12章が日本語訳されています。その一つである「カタ ウパニシャッド」は、ウパニシャッド全体の要点を、分かり易い言葉で凝縮し、多くの例を用いた物語で、人生をどう認識し、何を実践すべきか説かれています。そのため、カタ章は後世のインド思想家に高く評価され、豊富な注釈も書かれています。


6月21日(金曜)
ブッククラブ 心の刷新を求めて

 ヒジリお姉ちゃん達が参加している読書会では、先週に引き続き『心の刷新を求めて』を読み、人間の基本的側面と、私達の生き方について考えました。約20名の方々が参加し、次のような事を学び、考えました。

  • ボディー
     人間は、意志だけで生きているのではない。肉体に覚えさせる事で、ある程度は自動的に判断・行動する事ができる。従って、もし体が悪に慣れれば、誤った行動の癖が定着してしまう。ただ、肉体の本質が悪なのではなく、悪に染まっている事が問題。体を善悪どちらに形成するかは、自分次第である。

  • 社会的ソーシャル文脈コンテクスト
     人間同士の結び付きと、精神的な対象への結び付き。近代化した欧米文化は、真善美を拒絶する文化になりつつあり、本来あるべき社会的領域の再構築が求められる。

  • ソウル
     人間の全ての側面を一つに繋げ、一人の人間を形成する。人間の最深部にある高次メタなコンピューター的存在であり、正しき信念との共同作業によって、人生の方向性を正す事ができる。

全体像

 以上のような人間の側面を、円形の図に描いて表現する。上位の側面が、下位の側面に影響を与える事を理解する。そこから、どうすれば私達が本領を発揮できるか考える。

行動への影響

 これらの側面によって、私達の行動が決まる。そして、行動が私達の何者たるかを決める。行動は全人格の反映であり、悪を行うならば悪人、善を行うなら善人である。肉体的に生きるか、精神的に生きるか、トルストイ(1828~1910)の言葉を引きながら考える。

イスラエルと私達

 『旧約聖書』によると、エジプトから脱出したヘブライ人(イスラエルの祖先)は、エリコの戦い(ヨルダン西岸)に勝利してカナーン(パレスチナ)を統一し、王国を築いた。私達もまた、自らの心を征服し、それを行動に示し、新しい命を得なければならない。

ヘルタースケルターhelter-skelter

 これは「混乱した狼狽」という意味だが、現代の文化、人間の本質への理解、人格形成がそのような状態になっている。「人生は全て無意味」という言動は、しばしば自分勝手な欲望を正当化するのに用いられる。

 こうした事を学んだ上で、下記の問いについて考えました。

  1. 他者を世話ケアするため、どのような性質を理解するか?

  2. 人間の生活における、心の役割とは?

  3. 人間の基本的側面を六つ(ほかにもある?)に分類する。

  4. これら六つの側面が従うべき、最も大切な戒めとは?

  5. 現代社会(流行・大衆芸能・宗教)における感情の役割、行動への影響とは?

  6. 罪悪への誘惑を、どう解釈し受け入れられるか?

  7. 決意や選択は、どのように思考・感情に頼っているか?

  8. 行為は、その人の人格を表すか?

  9. ヘブライのカナーン征服と、私達が自らの全人格を征服する事を比較する。


6月22日(土曜)
目黒 もう一つの三田

港区 麻布
港区 麻布

 土曜日、私達は再び六本木に向かい、カフェやファストフード店での昼食を楽しみました。

 カフェのメニューには、一部で有名かも知れない「デザート欠き氷」もありました。

 そして、夕方には恵比寿へと移動します。

目黒区 三田

 夕方、地下鉄(日比谷線)で恵比寿駅(渋谷区)に移動し、そこから南に歩いて目黒区に入り、目黒三田のイベントバーに参りました。お世話になっている地下アイドル様と共に、一日店長のメニューを楽しみました。

 なお、今回の会場である「三田」という地名は、ここ目黒区だけでなく、港区の芝浦エリア(田町)にもあり、こちらのほうが有名ですね。調べてみると、両者はどちらも「江戸時代には三田村という一つの集落だったが、明治時代に芝区(港区)や目黒区に分割された」そうです。だから、二つの区域に三田が跨がっているわけですね。


6月23日(日曜)
蒲田教会 只中におられる

 日曜日なので、ヒジリお姉ちゃんは教会(大田区 蒲田町)に向かいました。本日は「詩篇」46章(旧約聖書)などを読みました。

 詩篇46の内容は、紀元前8世紀の近東(西アジア)史に基づいています。当時、メソポタミア(イラク)のアッシリア王国は、パレスチナ北部のイスラエル王国(前722年)を滅ぼし、続いて南部のユダヤ王国にも侵攻していました。攻囲されたユダ王国でしたが、預言者イザヤIsaiahの助言を取り入れて戦った結果、アッシリア軍を撃退し、王国は前586年まで存続する事ができました。

 詩篇の記述と解釈からも、当時の世界は、天変地異や政治的動乱の時代であったと考えられますが、それは現代も同じです。

 その後、昼には「ヘブライ人への手紙」(新約聖書)4章「偉大な大祭司」を読みながら、私達自身の人生における経験を交えて、弱さへの同情について語り合いました。また、パンデミックで休止していたお昼御飯の会食が、今日は久々に復活し、楽しい時を過ごす事ができました。

 そして、昼食後には聖歌隊の練習もあります。今回からは、秋の発表に向けて聖譚曲オラトリオに挑戦です。しかし、歴史ある本格的な合唱曲であり、しっかり最後まで歌い切る事ができるか、さすがのヒジリお姉ちゃんも少し不安気味でした。こうした賛美歌の歴史を調べると、西洋音楽の歴史が、教会と深く結び付いてきた事も分かります。


6月27日(木曜)
「ユダの手紙」を読む

 木曜のオンライン聖書クラブでは、旧約聖書「詩篇」「ヨブ記」のほかに、新約聖書「ユダJudeの手紙」を読みました。

 聖書には、同名の別人キャラクターが多く登場し、この手紙を書いたユダは「キリストを裏切らなかったほうのユダさん」です。このユダがどのような人物なのか、そもそも本当にこの手紙の著者なのか…と、不明な点も多いですが、聖書によると「キリストの兄弟であるヤコブの兄弟であるユダ」との事なので、恐らくはキリストの弟などではないかと考えられます。

 キリストには、少なくとも4人の兄弟(ヤコブ・ヨセフ・シモン・ユダ)がおり、ほかに妹(二人?)が居たとも言われます。但し、聖書に記されている兄弟姉妹の単語が、血の繋がった兄弟姉妹を意味するのかについては、疑問もあるようです。

 ユダの手紙には、当時の教会内(紀元1世紀)における、神の権威を尊ばない不道徳な風潮の広まりについて書かれています。キリスト教における「異端・カルト」問題の始まりとも言えそうです。


6月28日(金曜)
ブッククラブ 堕落した魂の「根本悪」

 先週に続き、今週もヒジリお姉ちゃん達は『心の刷新を求めて』を読む読書会に参加していました。

 今回の内容は、第3章「堕落した魂の根本悪」前半部の「堕落している事を認める」「現代人は悪と向き合えない」「教会に見られる魂の堕落」「教会の外でも」「預言の言葉」「パウロの纒め」「真の理解」「神ではない」「現実否認とそれがもたらすもの」です。

 米国の神学者(哲学教授)である著者は、米国を始めとする現代社会の混乱や、人々に正しい倫理を説くべきキリスト教会までもが堕落している現状(聖職者による不義・犯罪とその隠蔽)を指摘しています。


 夕方、アキさん達は天文部に参加し、夏至の太陽高度、これから見られる星座、宇宙の始まり(インフレーション・ビッグバン)、天体から地球まで光が届くのに掛かる時間について学びました。




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