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製薬企業向けコンサルティング事業

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医療現場×データサイエンスで課題を浮き彫りに【関連サイト】治療・処方実態の分析情報を無料で閲覧 Patient Visualizer https://pv.eucalia.jp… もっと読む
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#患者

ある薬剤のシェア拡大に向けた戦略転換の事例ストーリー

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 当社とまだお取引の無い製薬企業様との商談の中でいただくご要望の一つに「御社で行っているコンサルティングの事例を教えてほしい」というものがあります。 私どもが主にご提供しているのは「マーケティング・営業活動のコンサルティング」ですが、無形サービスであるため、具体的な内容やレベル感がなかなかイメージしづらいところがあります。 そこで、弊社の活動の実態を製薬企業の皆様に知っていただくために、過去のクライアント様との取

臨床現場における医師のコミュニケーション|がん患者さんとの信頼関係構築 PART2

製薬企業向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 5回シリーズでお伝えする乳がんの実症例を用いた医師のインタビューセミナー、第2回の今回は「家族背景・キーパーソン」についてご紹介します。 ウェビナーの概要実施日:2024年2月27日(火) 演題:臨床現場における医師と患者さんの コミュニケーションをひも解く     ~がん患者さんとの信頼関係構築~ 演者:坂井 威彦 先生     (公益財団法人がん研究会有明病院乳腺センター副

臨床現場における医師のコミュニケーション|がん患者さんとの信頼関係構築 PART1

製薬企業向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 乳がん患者さんの実症例に基づいたインタビューから医師のリアルな意見を聞いた、弊社主催ウェビナーでの配信内容をご紹介します。 医師へのインタビューにあたって実際の症例を用いると、仮想症例に比べて、より明確に臨床での思考を引き出すことができ、それをMR研修で活用いただくと下記のような教育成果が見込めます。 医師とのディスカッションの論点抽出 医師の処方意図や治療方針に対する洞察

呼吸器非専門医が多くを占める中小病院における 重症喘息の実態 -定性調査編-

製薬企業様向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 近年、重症喘息をめぐる臨床は進化しています。 「予防できる死亡」を掲げる厚生労働省による喘息死ゼロ作戦をはじめ、制度面での啓発や体制整備が進んでいます。 一方で、疾患特性上必要となる長期管理に加え、高齢化による慢性疾患の並存や生物学的製剤の台頭など、重症喘息の予防と対応は複雑・高度化しています。 弊社は独自の電子カルテデータベース「ユカリアデータレイク」を活用し、多くの重症

呼吸器非専門医が多くを占める中小病院における 重症喘息の実態 -定量調査編-

製薬企業様向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 患者数が多く長期管理が必要な喘息においては、地域特性により実情が大きく異なる一方、大病院ではスポットの診療記録しか残らないなど、患者さんの実態把握が困難な面がありました。 また、一部の情報はレセプトデータからも取得できますが、例えば喘息の重症度は、予後に多大な影響を与えるのにもかかわらずそれらには反映されません。 弊社では独自の中小病院電子カルテデータベース「ユカリアデータ

薬中心?リハ中心?患者さんに合わせた調整を

製薬企業様向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 病院薬剤師T様のコラム第5話は、「リハビリテーション薬剤」についてです。 リハビリテーション薬剤とはこんにちは。病院薬剤師のTです。 今回は、高齢化社会で重要な考え方の一つ、リハビリテーション薬剤(以下、リハ薬剤)について書きたいと思います。 リハは筋力の弱った患者に対して筋トレを行うイメージがありますよね。 もちろんそうなのですが、他にも、残った機能で出来ることを増やす訓

患者の「S情報」を元にした治療方針の深堀りが、医師との信頼関係を作る

製薬企業様向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 ユカリアとシミック・アッシュフィールド株式会社で共催したWEBセミナー「MRは患者像を描けているか ~トレーニングに活用できるカルテデータ~」の模様をお伝えする3回シリーズの最終回です。 今回は、Part.1・2の総括を行うとともに、MRが患者を理解してディテーリングを行うために必要なこと、医師との信頼関係を築くためのステップ、具体的なトレーニングの例について、看護師でもある

SOAPから患者の心情と医師の考えを読み解く

製薬企業様向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 弊社とシミック・アッシュフィールド株式会社で共催したWEBセミナー「MRは患者像を描けているか ~トレーニングに活用できるカルテデータ~」の模様をお伝えする3回シリーズの第2回です。 今回は、ある胃がん患者さんの具体的な電子カルテ記載をもとに、看護師の有本様が患者の心情や医師や看護師の視点を読み解いた様子をお伝えします。 70代 胃がん患者の症例 今回取り上げる症例は、以下

MRが医師と同じ枠組みで患者像を捉えるために必要な視点とは?

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 弊社とシミック・アッシュフィールド株式会社で共催したWEBセミナー「MRは患者像を描けているか ~トレーニングに活用できるカルテデータ~」の模様を3回シリーズでお伝えします。 シミック・アッシュフィールド様は製薬企業様向けにCSO事業などを展開されています。弊社ではMR教育用の資材として電子カルテデータベースから抽出した症例情報を提供するなどの形で、これまでパートナーシップを築いて参りました。 本セミナーは、同

症状の原因を正しく見極め、処方カスケードを防ぐ

製薬企業様向けマーケティング支援を行う株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 病院薬剤師T様のコラム第4話は、「処方カスケード」がテーマです。 病院薬剤師のTです。 今回は、ポリファーマシーの原因の一つと言える処方カスケードについて書かせていただきます。 カスケードという言葉の元々の意味は、連なった小さな滝のことを指す言葉です。それが派生して連続したもの、数珠つなぎになったものを意味する言葉として用いられるようになりました。 つまり処方カスケードは

ポリファーマシーの解消には、病院での運用体制設計に加えて患者のきめ細かな把握・信頼関係作りが重要

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 病院薬剤師Tさんのコラムの第3話、今回の話題はポリファーマシーです。 認知・対策は進むも実行面に課題を残すポリファーマシー 日本老年医学会による『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』で、服用薬剤数と薬物有害事象の発生頻度について、「6種類以上の群」と「1~3種の群」との間に有意差があると述べられた内容は、広く知られています。 しかしながら、全国の保険薬局における処方調査によると、65 ~ 74 歳の3割及

DI(Drug Information)業務は病棟ごとの現場ニーズにマッチした形に進化している

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 前回に引き続き、病院薬剤師Tさんのコラムの第2話をお送りします。 今回の話題は、DI(Drug Information)業務です。 コラム内で触れられている病棟での薬剤師業務については、2012年度の診療報酬改定で、病院勤務医の負担軽減や薬物療法の安全性向上を目的に「病棟薬剤業務実施加算」が設定されています。 薬剤師には、従来からの調剤業務・薬剤管理指導業務に加え、 病棟における抗がん剤のミキシング 処方変更

薬剤師が調剤しながら考えていること

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 今回は、新しくスタートする連載コラムをご紹介します。 内科医の先生の目線で「MRが医師と円滑にコミュニケーションする方法」をお話しいただいたコラムのシリーズに続き、ベテランの病院薬剤師Tさんに登場いただき、薬剤師業務や治療について日々考えていることを語っていただきます。 病院薬剤師Tさんの略歴病院薬剤師として25年以上の勤務経験を持つ。 日本静脈経腸栄養学会の代議員、日本病院薬剤師会の理事を歴任。 病院薬剤師の業

患者像を、典型例以外にも「幅」をもって理解する

株式会社ユカリア データインテリジェンス事業部の城前です。 電子カルテデータの症例を題材に、「医師の思考を知る」という観点から内科医のA先生に解説いただくシリーズの第7話です。 【参考】先生の略歴を含む第1話はこちら 典型例+αの患者像を理解することで、医師との会話が深まる内科医のAです。引き続きよろしくお願いします。 今回は高カリウム血症患者さんの症例を取り上げたいと思います。 基本的なおさらいですが、高カリウム血症の原因は主に以下の3つです。 CKDの進行 透析