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音楽家の旅行記 弘前・白神山地編 Part7 -白神山地解説パート2〜昼食〜旅最大の味覚-


白神山地解説〜樹幹流

前回に続き白神山地とブナに関して解説をしていこうと思う。
ブナの木には黒い線が走っていることがあるのだが、これはブナの木の独特な性質故なものである。雨が降るとブナはその雨水を集めるのだが、その際になんと幹の一箇所に集め一本の流れにして自分の根を張る土へと運ぶ作用があるのだ。これを樹幹流と呼びこの道筋が黒い線となるのだ。YouTubeで検索するとその不思議な様子を見ることができるので気になる方はチェックして見て欲しい。

ブナ林

白神山地解説〜木の個性

また興味深かったのは木にも個性というか性格というか、そういったものがあるという解説だ。ブナ林を歩いていると一本だけコブだらけでデコボコしているブナが存在していたりするのだが、基本的にブナは冬になると凍結防止のため自らの幹の内側の水を一旦全て地面に逃がすらしいのだが中には面倒臭がりなのかそれを怠る個体が稀に現れるらしい。その個体は冬になると内部の水が凍結し膨張し、なんと爆発してしまうのだと。コブはその修復された跡で人間でいう傷跡そのものだということ。基本的にその木一本の周辺の木々は同じような状態に陥っているものはなく私はそれらの解説を聞いて元々の本能だけではなく反面教師にしている木もあるのかもしれないと思ったり。特に森や山などを自然として植物を一つの存在として捉えがちだった私にとってこういった個体差に関するものは刺激になり興味深く感じたのだ。クラシック音楽を聴かせるによって植物はスクスクと育つこともあるという話を聞いたことがあるし、もしかしたら人間と同じように植物ともコミュニケーションが取れるだけではなく相性が良い悪いなんて事が感じられるようになれるのかもしれない、なんてことを考えながらブナ林のその独特な空気感を味わう。色が鬱蒼としているだけではなくどこか湿度が高いような、けれどもそれがコンクリートジャングルの中の嫌な湿度の高さとは全く違う、刺々しくないややひんやりとしたマイナスイオンを帯びたような優しい感覚だ。

白神山地解説〜クマゲラ

あっという間に時間が過ぎアクアグリーンビレッジに戻ることに。戻りながらの道中クマゲラの話題に。クマゲラは日本最大種のキツツキで大きさは50センチ前後、黒くオスは頭の部分が赤く染まっている。絶滅危惧種で白神山地には推定100羽程のみの生息であり、ガイドさんでさえこれまで1〜2度ほどしか目撃したことがないという。私はジャポニカ学習帳の表紙では知っていたが白神山地に生息していたこと、そこまで数が少ないことまでは知らなかった。次来る機会があれば是非拝んでみたいものである。

昼食

ツアーも終わり施設に戻る。帰りのバスまでの時間は少しあるのでここで昼食を取ることにする。昼食を待っている間にフリーのピアノがおいてあることに気がつき暫し弾いていると出来上がり取りに行く。

白神とうふランチ

元々は西目屋村の名物だった目屋豆腐をアレンジしたものだそうだ。
この豆腐には驚いた。とにかく強い。普段の柔らかい豆腐を想像するとこの強さ、詰まり方は全く別物のようにさえ感じる。焼き豆腐を超えるレベルで強い。タンパク質がとにかく力強く肉を食べているかと思うくらいの食べ応えがあり、豆腐の概念がどんどん塗り替えていくかのような昼食だった。その力強さもありお腹もしっかり膨れ、バスに乗る。もうあとの予定は東京までの帰路なのだが、まずは西目屋村まで目指す。

旅最大の味覚

西目屋村に到着し、弘前駅行きのバスを待つの兼ねて再び道の駅へ。
そしてそこで気になっていた青森産の牛乳のソフトクリームを注文。

青森産の牛乳のソフトクリーム(西目屋村産蜂蜜かけ放題)

このソフトクリームは西目屋村産の蜂蜜かけ放題のためたっぷりかけられるだけかけてパクリ。その瞬間に語彙力が崩壊して「ゔまい」しか言葉が出なくなった。それぐらい衝撃的でこの旅でもっとも美味しいと感じたのがこの蜂蜜だった。非常に透明感が高くあっさりとした味わいながらもその旨味と自然な甘みが濃縮されていて華やかな味わい。それでいて全然押し付けがましくない。今まで食べた蜂蜜が全てただの砂糖水なのではないかと思うくらいの質の違い。このソフトクリームもあっさりとしていて滑らかで、甘さ控えめで質が高いのがわかるのだがそれが完全に吹き飛んでしまうレベルでこの蜂蜜には衝撃を受けた。この蜂蜜は200gで1400円程というかなり高価なものだったためお土産には買わなかったのだがそれでも買っとけばよかったなと今執筆しながら後悔するレベルのまさしく美味な代物だった。

次回に続く。

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