桂歌丸さんが慢性閉塞性肺疾患(COPD)で亡くなったことに関して想うところ
落語家の桂歌丸さんが慢性閉塞性肺疾患(COPD)で亡くなりました。
物心ついた頃から、毎週日曜日の夕方、当たり前のように笑点で見ていた顔を永遠に見られなくなるのは悲しい物があります。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
ところで、この慢性閉塞性肺疾患 (COPD)という病気、9割がタバコの喫煙が原因であるという事実をご存知でしようか?
喫煙者の15~20%がこの病気になると言われています。
喫煙をすると、肺の中の肺胞が破壊され、血液への酸素の取り込みと二酸化炭素 の排出が出来なくなります。
肺胞は左右の肺で6億~8億個程度あると言われており、喫煙等により肺胞が次々と破壊されると、通常の呼吸による酸素の取り込みと二酸化炭素の排出が困難、つまり酸欠となり、最終的に慢性閉塞性肺疾患(COPD)になります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は20年以上の喫煙歴を経て発症するため、自覚症状が乏しいまま徐々に進行します。
一度、慢性閉塞性肺疾患(COPD)になると、治療で回復させることは現時点では不可能です。
日常生活でも常に酸素吸入が必要となり、移動の際には酸素ボンベをカート等に載せて酸素吸入をしながら移動する必要があります。
日本では喫煙率が急速に減少していますが、肺癌と同様に、慢性閉塞性肺疾患(COPD)も徐々に進行する病気であるため、患者は未だ増加傾向にあります。
また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)になっても、ニコチン依存症により喫煙を辞めない人が多いという問題もあります。
近年、鼻に酸素吸入用のチューブを付けて、酸素ボンベをカートに載せて運びながら歩いている方をよく見かけます。
喫煙所でもそういった方をよく見かけます。
酸素吸入をしながら、咳き込みながら、涙を流しながら、それでもタバコを吸っている方を見ると、とても悲しい気持ちになります。
日本のマスコミは、何故かタバコの危険性を訴えません。
それは、タバコ会社(JT)がマスコミの大口スポンサーだからです。
今回の桂歌丸さんの死因についても、あまりタバコと関連付けて報道していません。
喫煙率が下がっているのに、肺癌や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者が増えているから、喫煙はこれらの病気の原因では無いと、無茶苦茶な学説を唱えている学者もいます。
そして、それがマスコミに取り上げられたりしているのです。
先程も述べた通り、喫煙開始から病気の発症までは数十年の時間がかかりますし、自覚症状が乏しいまま症状が進行します。
喫煙率が急速に減少しているのに、肺癌や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんが増加しているのは、喫煙率が上昇していた頃に喫煙をしていた人達が、数十年の時を超え、今になって病気を発症しているに過ぎないのです。
喫煙は他人にも迷惑をかけます。
副流煙はフィルターを通していない非常に危険な物です。
身近な人の喫煙による副流煙で受動喫煙し、自ら喫煙をしていないにも関わらず、肺癌や慢性閉塞性肺疾患(COPD)になる人もいるのです。
また、受動喫煙により、多くの喘息患者や呼吸器疾患の方々が亡くなっています。
これは正しい知識が無かったとしても、非常に罪深いことであり、非常に悲しいことです。
タバコアレルギーについても、タバコアレルギーを判定するための試薬を製造していた会社が、JTに買収されたことにより、日本ではタバコアレルギーの診断をすることが出来ない状況にあります。
つまり、タバコアレルギーの試薬が流通しないため、日本にはタバコアレルギーが存在していないことになってしまっているのです。
なお、この件について、JTは買収しただけで販売を規制していない、買収された会社も需要が無いので自主的に販売を辞めたと言っています。
でも、普通に考えれば、子会社は親会社の方針には逆らえないですよね。
わざわざこの会社を買収したことが、全てを物語っていると思います。
また、試薬は既に特許期間が過ぎているので、需要があれば他の会社が作れると言っていますが、買収されるリスクがあれば他の会社も作らないですよね。
私達アレルギー疾患の者にしてみれば、タバコアレルギーの有無は真っ先に知りたい情報です。
タバコアレルギーの有無により命が左右されるので、私達アレルギー疾患はタバコアレルギーの有無を知りたいのです。
需要が無いなんてことはありません。
選択肢を奪われているだけなのです。
これは先進国として情けないことだと思います。
これらの事実を十分に理解している人がどの程度いるのでしょうか?
マスコミは何故か教えてくれません。
私達のような喘息患者等の呼吸器疾患の方々や医学に関わっている人にしか知らされていない情報なのです。
タバコに対するネガティブキャンペーンを行うと、必ず妨害する者が現れ、十分な情報を与えられていない人達がそれに続きます。
私達は、嫌煙家として喫煙者から嫌われています。
でも、私達はタバコは憎みますが、喫煙者は憎みません。
何故なら、喫煙者はニコチン依存症にさせられた被害者でもあるのですから。
喫煙者であった桂歌丸さんを憎むことはありませんが、桂歌丸さんの命を奪ったタバコが憎いのです。
タバコは単なる嗜好品です。
嗜好品が人の命を奪っても良いのでしょうか?
嗜好品は人の命よりも大切な物なのでしょうか?
タバコは、あまりにも発がん性物質が多く、毒性が強く、依存性があり、嗜好品と呼ぶには、あまりにも危険な代物では無いでしょうか?
私は重度の喘息患者です。
多くの喘息仲間をタバコによる副流煙で失いました。
タバコの煙は霧散し証拠が残らないので、喫煙者がそれで捕まることはありません。
私自身もタバコの副流煙で喘息の重篤発作を起こし、呼吸が停止し、心停止状態に陥ったこともあります。
その時喫煙していた人が誰かは判りません。
ただ、私が咳き込みながら倒れてすぐに逃げるように立ち去りました。
タバコを吸うなとは言いません。
ただ、自分の命も、他人の命も大切にして頂きたい。
喫煙は自己責任で済む代物では無いということに注意して頂きたい。
タバコは喫煙者だけの問題では無いのです。
喫煙をしていない人にも大きく関わる問題なのです。
これらの事実を知らされていない喫煙者も、ある意味被害者なのです。
タバコは百害あって一利無しです。
これ以上タバコによる悲劇を繰り返して欲しく無い。
悔やんでからでは遅いのです。
失われた命は戻らないのです。
私は、皆さんにタバコに関する正しい知識を身に付けて頂いて、喫煙者だけでは無く、非喫煙者も、ご自身の命を守って欲しいのです。
ただそれだけです。
ただそれだけのことなのです。
歌丸さん、もっと長生きして欲しかったです。
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