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今さら遅いとかじゃない「#私の学び直し」

0.はじめに

 つい先日、NHKのリスキリングに関する特番で、弟の会社が紹介されていた。もとは印刷会社ながらも、現在は新規事業としてデジタル事業を手掛け、売上の約半数まで伸びてきたという。

そんな中、継続的に行われているのが社内でのリスキリングの取り組みだ。リスキリングはあくまで個人の自己啓発という位置づけで、補助金などを導入する会社は多いが、積極的な活動として行っているケースはまだ稀かもしれない。

1.現状の日本の社会構造


 社会人になってから、自身のキャリアを再構築するというのは簡単なことではないと思います。専業主婦をしてきたが、子供も大きくなってきたので社会進出したいという方もみえるでしょう。

また、難しい専門職であればあるほど、年齢を重ねれば重ねる程、希望の職種に就くことは難しいのが現状の日本の社会構造であると思います。

というのも、いまだ年功序列で賃金が決められることが多いため、なんで未経験のやつが変わらないくらいの給料もらってんだよと、なるからです。

例えば、年齢を重ねていても、経験値が少ないから他の人より低い給料でいいので働きたいとしても、年下から仕事を教わらなければならない場面に必ず遭遇するので、そういった問題もあります。

かといって、日本企業の構造にいいところがない訳ではない、事実 高度経済成長期には世界を席巻してきたのは間違いないし、ただ時代の変化に合わせたやり方に柔軟に対応しなければならないということ。

2.技術者の給与が低い


 多くの企業で採用されているのが、大学院卒、大卒、短大専門卒、高卒で給与体系が異なってくるパターンです。この場合、職種で給与が変わらないことがしばしば

能力や評価による査定もありますが、基本的には年齢と管理職になると+いくらといったものの影響が大きくなってきます。

しかし、例えば中国企業のシャオミ(電気機械メーカー)など、躍進している企業はこういった低賃金で働かされている技術者をスカウトし、相応の報酬を提示して囲い込んでいます。金型技術者も中国に引き抜かれてます。

イギリスの社会人類学者が「クソどうでもいい仕事という現象」というエッセイを発表し、議論を巻き起こしました。

わたしはこの言葉自体はあまり好きではありません。なぜかというと、どんな仕事に就いているかで、その人の価値まで規定しているような言い回しに聞こえてしまうからです。人の価値はそんなことで決まらない。

ワンオペ店員など、過重労働により裁判で訴えるケースや、なりたくない仕事と見られることがありますが、どんな仕事でも(闇の仕事は別)一生懸命働いている人は非難すべきでないと思います。

3.正当な労働の対価とは


 仕事をしている人の尊厳とは別に、先程あった正当な報酬とはという話ですが、そういった意味で「どうでもいい仕事」という言い回しがされているのかもしれません。

会社には明らかに働いていないオジサンはいるものです。それでも、会社に行けば給料をもらえます。ご存じのように、日本の会社は簡単に人を解雇できません

極端な例かもしれませんが、そういった問題がクローズアップされているのも構造的な問題が背景にあります

それでは、会社の利益を生み出しているのは誰でしょう? 会社の歯車となっている一人ひとりがほぼ均一に利益に貢献しているのでしょうか?

もちろんそういった職種もあると思いますが、莫大な利益を上げている企業なんかは、一部の優秀な技術者が特許を開発したり、優秀なシステムエンジニアが効率的に回転する仕組みを生み出したりしているはずです。

日本がここ30年くらい、経済が停滞気味になってしまっているのも、少子高齢化だけでなく、国際競争が激化してきて変化に追従できなかったことも要因としてあると思います。

4.人材の流動性が低い


 海外ではキャリアアップの一環として、人生で何度も転職することが一般的のようですが、日本ではどこの会社行っても給料はさほど変わらないし、同じような人間もいるから一緒だという言い回しをよく聞きます。

転職するのがいいことかどうかは別として、転職することで今までにない視点で新しいアイデアが浮かんでくるようになったりとメリットはあるかと思います。

また、人材の流動性が低いことによって、技術を一部の人間が握りこんでしまったり、汚職などが蔓延するリスクなどもあります。

日本人の給料が上がらないという問題についても、影響しているのではないでしょうか。

5.学び直しの意義


 だからといって、これまで話したような問題があるから、がんばっても報われないと考えるのは、その人次第だと思います。

ありがたいことに、日本には職業訓練校という離職者が給付金をもらいながら、専門職について学べる機関があります。

わたしも機械分野の講座を受講したことがあります。そこに通ったからといってすべて習得できるという訳ではないですが、社会人になってから体系的に学べる機会というのは貴重なものです。

また、最近ではUdemyなど、オンラインでプログラミングやその他専門技術が学べる講座も充実してきています。働きながらでもできます。

勤勉に労働すること自体に価値があるというのは、幻想なのかもしれませんが、新たにスキルを得ることによって人の役に立ちたい(お金を稼ぐ稼がないに関わらず)ということも、動機としてあるはずです。

お金を稼がないと働く意味なんてないといった考えの人もいます。しかし、本当に人が働く理由って、お金だけのためなのかというところを問いたいです。

前回のダボス会議でグレートリセットが議題となっていました。資本主義のあり方に歪みがあるとして、株主主体の構造から、ステークホルダー全体の幸福というところに焦点が置かれようとしています

わたしたちは何のために学び直しをするのか、今一度そこから考え直してみるのもいいのではないでしょうか

99.おわりに(何を基準に学ぶものを選択するか)


 少子高齢化の日本が今後生き残る道として、「観光と農業」というキーワードがあります。直接的にそれらの事業を行わないにしても「グローバルな視野と農業技術」に少しでも関連することを学んでおくというのも手かもしれません。

もちろん、自分が○○が好きだから○○を学びたいということでもいいと思いますが、結局それは今は需要あるかもしれないけど、今後誰も見向きもしないよという事態もあり得るかもしれないということを、意識しておきたいです。

わたしは機械メンテの仕事をしていて、コマツの建機のように設備はどんどんIoT化されてきてますので、それをいかに活用して設備の状態監視をしていくかというところで、それらの技術について一から学んで構築していきたいです。


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