【映画】人を駆り立たせるもの 「キャッチミーイフユーキャン」
みなさんも自分が今熱中しているものに、なぜこんなに捉われてしまうのだろうと疑問に思うことはないでしょうか?
この映画は実話が元になった、どこか憎めない詐欺師のフランク(ディカプリオ)と、そのフランクを追うカール(トム・ハンクス)の逮捕劇と更生の物語です。ここからネタバレ注意
フランクは小さい頃に、両親の問題から家庭崩壊となっていく様に耐えかね、家を飛び出します。
「華麗なるギャッビー」という映画も大好きなのですが、若くして自分の生き方を真剣に考えなければならない状況に置かれた人間が生きていくために発する力は、胸を打つものがあります。
フランクの場合は詐欺という犯罪に手を染めてしまうのですが、生きるために本人は悪気なくやっている、幼さや計画のほころびなどにより詐欺師とバレそうになったりする様子を描いたりとコメディー要素もあり、展開の早さからもあっという間に映画を観れてしまいました。
おもしろかったエピソードとしては、フランクが医者になりすまそうと計画を練った際に、夜な夜なドラマで医者の仕草や用語を覚えて、実際に病院の役職者として勤務することになった話。
重篤な患者を前に部下となる医者から、この患者に何を施したらいいでしょう?と問われて、とっさに他の優秀そうな医者に○○くん、この場合はどんな治療法が考えられると話を振ってから、ドラマで得たフレーズで切り抜けたところでした🤣
他にも、フランクは色々な職業を転々とし、そこで知り合った女性と結婚までしています。フランクは作中、甘いマスクでモテモテで、婚約相手の親からも受けがよかった
この映画でFBIのカールがいい味を出しており、正義感が強く、組織内ではそこがめんどくさい人物と思われたりもしてますが、フランクを何度も追う中で、フランクがなぜこんなことをしているかということも考えながら、人として向き合う優しさを兼ね備えた人物だったからです。
途中、フランクは父親と再会する場面があり、談笑しながら詐欺の武勇伝を語るも、父親は怒るどころか、よくやったと応援する始末でした。
フランクは本当は心の中で叱って欲しかったのかもしれません。このことからも伺えるように、両親はフランクに対して無関心で愛に飢えていたのだろうか。
もちろん、幼い頃の家庭環境に問題があったからといって、詐欺をはたらいてよい訳はありません。
しかし、フランクはずっと寂しさを抱えたまま、自分を着飾っていたように、人に愛されたいという強い欲求が生まれてきたことを考えると、とても切ない気持ちになりました。
最終的にカールはフランクを捕まえることになりますが、その方法はフランクの心境から、悪いことをしているという気持ちを芽生えさせ自首させることでした。フランクもカールになら捕まってもよいと思ったのかもしれません
映画ではフランクのその後の人生についても語られています。フランクは自分と向き合ってくれたカールに深い情を抱くようになったのか、詐欺事件の捜査の協力を前向きに行うようになったり、実際に弁護士の資格まで取得したらしいです。
本当に更生して、努力をする力まで与えられたんですね。最後はフランクよかったね😂という、とても暖かい気持ちになりました。
さいごに、人を突き動かすものとして、心理学者のマズローは人間の基本的欲求を、以下のように分類しています。
低次の欲求とされる生理的欲求から、段階的に高次の欲求へ移行していくという説です。ある欲求が決定的に不足していると人間はそれを無意識的に求める行動と取るという理屈です。
この無意識的な欲求を制御するのが禅だとしたら、やってみるのも一つかもしれませんね。
驚いたのが、あのイチローがメジャーリーグの殿堂入りが決まった時だったかに言ったコメントが、「ぼくはずっとバカにされてきたので、それを見返したい思いでやってきた」と、どれだけ高いレベルに行っても満足しない果てしない貪欲さと、やり続ける根気はとんでもないものだと思いました。
満足はしなくとも、区切りをつけて諦めるのもありだと思います。自己実現欲求を満たした先には何があるんだろう?
今の自分には毎日を精一杯生きることしかないが、努力した先にしか得られないものがたくさんあると信じてやっていきたい。
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