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リーダーの定義は、自分たちで決める!〜全員がリーダーになる必要がある時代 〜

全員がリーダーになる必要がある時代

私の定義による「リーダー」は、「責任」ではなく、「責任感」を持っている人です。だから、新入社員とかインターンシップの子でも、全員がリーダーになることができます。責任感なので能力に関係なくできるのです。

■「どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て」中竹竜二著より

古いレールから乗り換えよう。時代は新しいレールへ。

令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。


これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。

これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。

Withコロナの時代、「あり方」の時代において、「リーダーシップ」についての定義も大きく変わっていくと思います。

オフ・ザ・フィールド1



ラグビーはあり方のスポーツ

ラグビーは「あり方のスポーツ」と呼ばれることがあります。

■これからの時代を生きるために必要なことを大切に育んできたラグビー

ノーサイドの精神、ワンチーム、多様性のスポーツ、一人一人の誇り、ノブレス・オブリージュ・・・ラグビーは競技としての面白さだけではなく、人間が生きる上での本質的な魅力に溢れています。

日本ラグビーフットボール協会理事であり、伝説のコーチである中竹竜二さん。

「リーダーシップからフォロワーシップへ」「人を育てる期待のかけ方」「鈍足だったら、早く走るな」、そして、最新刊「オフ・ザ・フィールドの子育て」など、中竹さんが豊富な経験をもとに語る教育論・組織論・チームマネジメント論・リーダーシップ論は、ラグビー・スポーツの分野のみならず、家庭や会社などでも広く注目されています。


中竹さんの言葉には、「人を育てる」ためのヒントがたくさん詰まっています。
中竹さんの新刊「どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て」の中から、特別に一部をご紹介します。


全員がリーダーになる必要がある時代


今は、「リーダーになれる人が素晴らしい」というような言われ方を社会ではしています。でも、私はリーダーの定義は自分たちで決めたほうがいいと思っています。世の中のリーダーの定義ではなく、自分の組織を見て、タイミングや状況を考えて、どんなリーダーが必要なのかを考えるべきだと思うのです。

時代とともにリーダー論は変わってきました。最近はマルチリーダー制が成功するとわかってきて、スポーツ界でも導入が顕著になってきました。今回のラグビーでは、31 名の公式枠中8人がリーダー(という役割)だったことがその一例です。

これだけのリーダーがいるため、ある試合ではキャプテンが控えに回るということがありましたが、そのことに誰も違和感がありませんでした。

時代背景として、「リーダーになりたくない」という人も増えています。なぜリーダーになりたくないのか。それは責任を持たされるのがイヤだからです。そう考えたとき、リーダーは責任ではなく「責任感がある人」でよく、それが何人いてもいいし、全員がリーダーでも構わないと考えることができます。リーダーとは「役職」ではなく「役割」の名称に過ぎない。それは能力も役職も関係なく、心がけ次第でできることです。

オーセンティックなリーダー、自分らしく誰のマネもしないリーダーがいるチームや、非公式なリーダーがいるチームは強いです。リーダー、副リーダー以外に、役職はないけれど、必ず「あの人は、リーダーだよね」という人がいる。全員がそんなリーダーになればいいと思うのです。

リーダーというのは、常に最高の場所にいることを望まれるものです。
でも、キャプテンだって調子の悪いことがある。実際に今回のワールドカップで言えば、「本当のリーダー(キャプテン)が最後の10分にコートに立っていないと勝てない。だから今は控えでいてくれ」と、監督がキャプテンに伝えた試合もあったようです。

実際にそうなることを予言していたわけでなく、そういう考え方をして全員が前向きにプレーをしたほうがいいという考えでそう伝えたようですが、実際にそういう展開になりました。しかし、リーダー役のみんなが、リーダーとして一選手として頑張ってくれた。そのため、キャプテンは一プレーヤーとして、試合に出ない時間をフォロワーに専念することができたのです。

「チーム作りは一人じゃできない。リーダーが作るのではなく、みんなで作るんだよ!」と常々言ってきました。その結果、一人ひとりが「自分がリーダーだ」と思うようになったのです。「自分が引っ張るんだ!」もしくは、「自分が支えるんだ!」ということが、私のリーダーの定義ではありません。全員がリーダーシップとフォロワーシップを持って戦う。全員が「リーダー」であるべきなのです。

私の定義による「リーダー」は、「責任」ではなく、「責任感」を持っている人です。だから、新入社員とかインターンシップの子でも、全員がリーダーになることができます。責任感なので能力に関係なくできるのです。

一番厄介なのは、責任はあるけれど責任感がない人。そういう人がリーダーだと他責」の空気が流れてチームが揺らいでまとまりません。

何か問題があったときに、直接関わってはいないけれど、「なんとかしなきゃ!」と思える人には「責任感」があります。他責ではなく、常に自責として考えられるリーダーがたくさんいるチームは、自ずと強くなります。

中竹竜二

✴︎
新刊には、他にも、たくさんの「人を育てる」ためのヒントが満載です。

目次より
■自分との向き合い方・振り返り方
■自分の好きを言葉にする
■「好き・得意・苦手」を理解することの意味
■「インナードリーム」という考え方
■弱さをさらけ出すことを恐れない
■「自分らしさ」を見つける方法
■親が陥る間違った「期待」のかけ方
■子供を伸ばす親になるための6か条
◎我が子を良く見る眼
◎本当に安心できる居場所になる
◎存在承認の最大の理解者になる
◎褒めるより認めることの大切さ
■過去の事実は変えられないが、そのとらえ方は変えられる
■スポーツに学ぶ「ヒューマンスキルの育て方」
■最大のパフォーマンスが発揮できる瞬間


ピンと来られたら、是非、ご一読いただけたら幸いです。

■「どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て」中竹竜二

日本ラグビーフットボール協会理事であり、伝説のコーチである中竹竜二氏だからこそ書けた、これまでにない「ラグビーに学ぶ子育て」本。

“サンドウィッチマン推薦! "

ラグビーがなかったら、いまの俺たちはいなかったと思う。

「中竹さん、ラグビーから学んだことは、今に活きています! 

―中竹竜二( Nakatake Ryuji )

中竹さん 250


株式会社チームボックス代表取締役。日本ラグビーフットボール協会理事。1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。


想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。