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令和の時代は「あり方」の時代 ~マイナスの個性を自分らしさとして活かすには。家庭は、親子がワンチームで「自分たち」らしさを磨く場~あり方のスポーツ・ラグビーに学ぶ!


令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。

これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。

これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。

ラグビーはあり方のスポーツ


ラグビーは「あり方のスポーツ」と呼ばれることがあります。

ノーサイドの精神、ワンチーム、多様性のスポーツ、一人一人の誇り、ノブレス・オブリージュ・・・ラグビーは競技としての面白さだけではなく、人間が生きる上での本質的な魅力に溢れています。

ラグビー日本代表は、私たちにたくさんの感動を与えてくれました!

■これからの時代を生きるために必要なことを大切に育んできたラグビー

他にも、ラグビーの魅力を知る上で、「あり方」の大切さがよくわかるキーワードがあるんです。

それが「オフ・ザ・フィールド」です。

試合や練習の際のフィールド上(オン・ザ・フィールド)のことだけに目を向けるのではなく、普段の生活や、休みの時間、家での時間など、オフ・ザ・フィールドを大切にするという精神が、ラグビーには根付いています。

オフ・ザ・フィールド、つまり、日々の「あり方」が、問われているんですね。

また、ラグビーは「多様性」が花開くスポーツです。「ワンチーム」という言葉がまさにその象徴でもあるのですが、実は、野球でもサッカーでも、世界のトップチームには様々な国と地域から優秀なプレーヤーが集まっているということです。

ラグビーもそれは変わりません。つまり、多様性とは、「民族とか文化の違う人たちが集まっている」という単純な話ではないということなのです。では、ラグビー独自の多様性とはどういうことなのでしょう。

ラグビーは1チーム15人という大人数でプレーします。そのため、各選手の役割が比較的はっきりと分かれているのが特徴だといえます。

野球で考えると、基礎体力やベースとなる運動能力がある一定の水準を超えていなければ、トップでプレーすることはできないでしょう。100メートルを10秒で走れても、キャッチボールができなければ野球選手にはなれませんし、それはサッカーでも同じだと思います。

ところが、ラグビーはちょっと違います。足が遅くても、体が小さくても、役割が分かれているために活躍することが十分に可能なのです。その結果、様々な個性や性質を持ったメンバーが集まることになりました。これがラグビーならではの「多様性」を生み出しているのです。

見方を変えると、これは「適材適所」ということです。つまり、企業やコミュニティーの理想とするあり方にきわめて近いということがいえるのではないでしょうか。

多くの人々がラグビーを愛し、ファンになったのは、突出した誰か一人の選手の活躍ではなく、ここは得意だけど足りないところもいっぱいあるという選手たちがお互いの弱点を補いながら、自分の得意な部分を発揮することで、「ワンチーム」として奮闘し結果を出す姿を見たからだったと思います。

それはまさに、私たちが必要としている「多様性」の一つのスタイルではないでしょうか。

それを教えてくれるのがラグビーなのです。

そして、様々なラグビーの考え方やあり方は、実は、子育てにも活かせることが多いのです。

日本ラグビーフットボール協会理事であり、伝説のコーチである中竹竜二さん。
「リーダーシップからフォロワーシップへ」「人を育てる期待のかけ方」「鈍足だったら、早く走るな」、そして、最新刊「オフ・ザ・フィールドの子育て」など、中竹さんが豊富な経験をもとに語る教育論・組織論・チームマネジメント論・リーダーシップ論は、ラグビー・スポーツの分野のみならず、家庭や会社などでも広く注目されています。

中竹さんの言葉には、「あり方」のヒントがたくさん詰まっています。
その言葉の中から、1つご紹介します。


■マイナスと思われることも、自分らしさとして活かす


ラグビーは競技の特徴として、長く練習ができないスポーツです。練習したとしても一度に2時間くらい。そのため、オフ・ザ・フィールドでチームのために自分をどれだけ成長させられるかが重要になります。その時間をどう使うか、どう充実させるかで、オン・ザ・フィールドの時の自分のパフォーマンスが決まると言ってもいいでしょう。

海外の強いチームは、このオフ・ザ・フィールドを意識的に大切にしています。
ニュージーランド代表がここ20年で強くなった要因の一つに、「チーム全員で食事をする日を決めた」ということを挙げる人もいます。些細なことのように思われるかもしれませんが、それくらいオフ・ザ・フィールドが大切だと考えられているのです。

自分の得意な面を最大限活かしてチームに貢献し、逆に自分の不得意な面は仲間が全力でフォローする。これこそがラグビーの大きな魅力です。
スポーツの中では、かなり特殊だと思います。

でも、これって〝実社会の在り様"にかなり近い面があると思いませんか?

「適材適所」という言葉があります。まさにラグビーにピッタリの言葉で、そういう意味では、企業活動や様々なコミュニティーの「縮図」のような存在がラグビーだと言えるのではないかと思います。そうであれば、一般の方にも学ぶべき点が多いのではないか、多様性の時代を生きていくために、「ラグビーに学ぶ」という視点があってもいいのではないか。

わが子に「個性」や「自分らしさ」を見つけてほしいと願う保護者が多いことも、「私なりにそのヒントを提示することができる」と考えた理由です。

様々な「役割」を活かすために「個性」や「自分らしさ」を見つけたい。でも、 一般的に親から見たわが子の「自分らしさ」というと、どうしても「いい面」にばかり目が行きがちです。しかし、ラグビーは「足が遅い」とか「体が小さい」といった、一見するとマイナスに思われることも「自分らしさ」として活かすことができるのです。 

■親子が「ワンチーム」になって、「自分たちらしさ」を磨く

親子や夫婦というのも、ある意味、一番基本の一番小さいチームであるので、親子が「ワンチーム」になって、「自分たちらしさ」を磨いていくオフ・ザ・フィールドの場が「家庭」なのだと思います。ラグビーというスポーツを、親子や夫婦がチームワークを高めていくヒントとして見てみるのも面白いのではないでしょうか。


■「どんな個性も活きるスポーツ・ラグビーに学ぶ オフ・ザ・フィールドの子育て」中竹竜二

日本ラグビーフットボール協会理事であり、伝説のコーチである中竹竜二氏だからこそ書けた、これまでにない「ラグビーに学ぶ子育て」本。

“サンドウィッチマン推薦!"

ラグビーがなかったら、いまの俺たちはいなかったと思う。

「中竹さん、ラグビーから学んだことは、今に活きています! 」

―中竹竜二( Nakatake Ryuji )

中竹さん 250

フットボール協会理事。1973年福岡県生まれ。早稲田大学卒業、レスター大学大学院修了。三菱総合研究所を経て、早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任し、自律支援型の指導法で大学選手権二連覇を果たす。2010年、日本ラグビーフットボール協会「コーチのコーチ」、指導者を指導する立場であるコーチングディレクターに就任。2012年より3期にわたりU20日本代表ヘッドコーチを経て、2016年には日本代表ヘッドコーチ代行も兼務。2014年、企業のリーダー育成トレーニングを行う株式会社チームボックス設立。2018年、コーチの学びの場を創出し促進するための団体、スポーツコーチングJapanを設立、代表理事を務める。ほかに、一般社団法人日本ウィルチェアーラグビー連盟 副理事長 など。著書に『新版リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』(CCCメディアハウス)など多数。




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