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知るとかなり得する「書店が並べたくなる本」トップ5 Part❽

Q. そろそろ書店が並べたくなる本を具体的に教えてください!

🙋‍♂️ だいぶじらせてしまいましたね(笑)。
今回こそ書きますね!


まず、書店は毎日嫌になるくらいたくさんの本を見ています。僕たち出版社の人間も同じですが、ある意味見慣れてしまっているため、良い意味でも悪い意味でも素人目線から外れてしまう危なさをもち合わせています。

もしかしたら、この素人目線に立ち返ることが正しい目利きを取り戻すきっかけになるのだろうか??と自問自答したくなるくらいです。

例えば、普段本を読まない人たち数人にタイトルやカバーを見せて意見を聞くくらいが丁度良いのかもしれませんね。

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それはさておき、

書店が並べたい!となる本の特徴を5つに絞って説明していきましょう。


1つは、意外性・新規性を突いた本です。


ようは、新しいね、これ!って思う本です。新しさを見せられると弱いですよね、何でも。もちろん意外性や新規性があるからと言って、何を言いたいのか分からなければアウトですが。

『もしドラ』、『嫌われる勇気』、『ビリギャル』なんてまさにそうですよね。


2つは、何の本かがわかりやすいもの。

タイトルだけで誰のどんな悩みを解決してくれるのかがわかる本ということです。誰が読むのかわからない本は厳しいですから。売れない本はまさにこのパターンが多いです。

また、タイトル次第で書店のどこの棚に置かれるのかが決まります。

例えば、以前これは売れる!とふんで、途中から棚を変えさせて売った本の一つに『ザ・コーチ』というビジネス書があるんですが、このタイトルだけを見たら書店は間違いなくコーチングの棚に置くんです。間違いではありませんが。

しかし、コーチングの棚に来る読者は少ないですよね。読んでみたら明らかに自己啓発本として売るべき本だと知り、自己啓発で展開いただくよう営業したわけです。そしたら見事に売れまくった。

このように、

書店は本の中身まできちんと調べて展開してくれるわけではないのです。忙し過ぎて目利きする余裕もなければ、タイトルやコピー、見たとしても目次をパラパラ見て判断するくらい。ですから、タイトル勝負になります。

書店の方がどこに並べればよいか迷う本は厳しいし、売れないことが大半です。


3つは、マーケットが広いと思われる本で、他にも売れている本がある場合です。

あまり類似書が多いと逆に飽きられてしまうリスクもありますが、書店は過去の実績で判断する癖があります。このようなタイトルの本、最近売れてるなとなれば、並べざるおえなくなるもの。

ですから、最近どんなタイトルの本がベストセラーになっているのか?売れているのか?書店に行ったときに、どんなタイトルの本がすごい展開をしているのか?肌感覚に近いかもしれませんが、きちんと調べてみることです。

出版したいなら、書店にきちんと行って、あなたが出そうとしている本のコーナーに、どんな本が並んでいるのか?を調べること。

たまに書店にも行かない、本もあまり読まないという出版志望の方に出会いますが、その時点でアウトですよ。僕的には。


4つは、売れるであろう根拠がしっかりしている本です。

いまならブログやSNSで突出した発信力があり、フォロワー数の多い方の本だったり、新聞広告掲載が決まっている本になります。

書店は昔と違い、出版社の営業マンに間違いなく、プロモーション、何かやりますか?新聞広告やりますか?と聞いてきます。10年くらい前まではそう聞かれることは稀にある程度でしたが、いまは当たり前に聞いてくる時代です。

それほど新刊はリスクがあるし、出してみなければ分からないというのが現実なのですが、書店は書店でそんなギャンブル的な注文は出せないほど厳しくなっているのです。

だから、著者が本気で売ろうとしない本は売れない。売りづらいとよく言われている理由は、このような書店事情も関係しているのです。


5つは、タイトルだけではなくパッケージ全体から醸し出される世界観。デザインの大切さも見逃せない要素です。

これは編集者の力量によるところが大きいため、著者がどうこう言えるものではありませんが。

また、これも著者がコントロールできない話になりますが、出版社の営業マンが熱意をもって推してくる本を書店は並べたくなるものです。

だから書店営業力がある出版社かどうかをきちんと見分けることです。

ざっくりとした見分け方にはなりますが、大きな出版社ほど営業力はありません。なぜなら会社の力で押し込めるし、扱っている書籍の点数も多いので、一点一点を丁寧に売るなんて不可能なわけです。もちろん売れ出した本を大きく売る力は当たり前ですが、宣伝にかける費用が違うんですから凄いですけど。

逆に中堅出版社は営業力がないと売れないため、営業マンに力があります。その出版社の従業員数が20名から40名までであれば、営業もそれなりの人数がいて、主力書店をこまめにフォローしていると見てよいでしょう。

もちろん営業マンの人数より営業マンと書店との関係性がものいうため、営業マン自体の質もありますが。

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以上、端的に5つに絞って説明しました。
より具体的に書くと細か過ぎてお腹いっぱいになってしまうため、これだけを頭に入れておくだけでも違うはずですよ。

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