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DNAナノテクのはじまり~ホリデイジャンクションとは~

結構前から流行りのナノテクノロジーですが、最近ではDNAの力を使ってナノマシンやナノ工場を作ってやろうという試みがあります。

より実用寄りのお話は以前、DNAでものづくりをするDNAオリガミで紹介しました。


今回はDNAナノテクのはじまりといっても過言ではないホリデイジャンクションについて紹介したいと思います。


DNAの構造

DNAといえば二重らせんと想像されると思いますが、もともと一本鎖のDNAがくっつくことでらせん状になります。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E9%87%8D%E3%82%89%E3%81%9B%E3%82%93より引用

一本鎖DNAというのは、その名の通り1本の鎖でひものような物質なんです。

つまり物質としてのDNAは状況に応じて、1本のひもになったり、二重らせんになったり、はたまたもっと複雑な構造を作り上げます。

今回はただの二重らせんよりちょっと複雑になった構造であるホリデイジャンクションに着目します。


ホリデイジャンクションとは

なんだか愉快な名前ですが、こちらはホリデイさんが見つけたから、ホリデイジャンクションというそうです。

生物学は完全に専門外なんですが、どうやらこのホリデイジャンクションは遺伝子組み換えとかDNA修復の時などに使われる(現れる?)そうですね

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上記wikipediaより引用(4本のDNAが絡まった様子がわかります)

両親の遺伝子が引き継がれるのもこのジャンクションで2つの二重らせんが組み合わさることで起きるようです。

動画をみると2つの二重らせんが絡まりあっていく様子がわかります

生物学に深入りはできませんが、とりあえず重要なのは4本のアームが十字を作って不思議な構造を作っているところです。このジャンクションはDNAのものづくりに非常に大きな影響を与えました。


動きを止める

このホリデイジャンクションは交差している位置が移動できるようです。
そこで、この交差を位置が動かないようにDNAの配列を決めてやったのが、DNAの世界では有名なネド・シーマン。この人がDNAナノテクの創始者の1人です。

その後、シーマンはDNA二重らせんの枝分かれ構造を使って立方体などの超小さい構造体を作っていたそうです。

しかしここでより大きな構造体を作るにはどうしたらいいかという課題が現れました…
(次週に続く)


最後に

私自身はDNAナノテクを使った研究をしているわけですが、今回の話はあんまり詳しく知りませんでした。ちょっと調べてみると分子生物学というのかこのようなDNAの不思議な性質は面白いですね。

今回のホリデイジャンクションのお話は次にDNAタイルへと引き継がれます。

ということで、次週はDNAナノテクの基礎を作ったDNAタイルについて紹介します。


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