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バンド構造とは

バンドというと音楽のバンドを想像される方の方が多いでしょう

しかし物理系の人たちはバンドというとちょっと難しいバンド構造を思い浮かべるはずです。

今回、紹介するのはちょっととっつきにくい物理のバンドのお話です。


バンド構造とは

バンド構造は主にエレクトロニクスの分野でよく使われる用語です。半導体などの電子素子の分野では避けては通れない概念ですが、一般的な認知度はそれほどないでしょう。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89%E6%A7%8B%E9%80%A0 より引用

(シリコンのバンド図らしい)

このグニャグニャな線が一体何だといわれそうですが、これがとっても大事な情報を持っています。

ここでは厳密な説明というよりは、なるべく簡単に雰囲気が伝わればいいな~ぐらいの感覚で紹介します。学術的な文献はネット上に山ほど転がっているので、ググればすぐ出てきます。


ざっくり言ってしまえば、

バンド構造とは電子がどんな状態で存在しているかを表したもの

です。

バンド構造がわかると、どこら辺に電子があって、電子がどのように流れるのかなんてことがわかります。

ちょっと雑な説明ですが、とにかく電子の状態がわかると物質の性質がわかるようになるんです。


バンドギャップとは

そしてもう1つ大事な用語であるバンドギャップについても説明します。

バンド構造を見ると電子の状態がわかるといいましたが、これがわかると電気を良く通す金属と電気を通さない絶縁体の違いを説明することができます。

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ここでバンドギャップとはあるエネルギーには電子が存在できない、ということを表しています。

金属内で電子はどこでも存在できるので電気は流れやすいですが、絶縁体はギャップが開きすぎていて電気が流れることができません。中学校の時に習った導体/不導体(金属/絶縁体)の違いがなんとなく分かるのではないでしょうか

この時、真ん中のちょっとだけ電気を通すやつを半導体といいます。半導体に不純物を混ぜると、このバンド構造がちょっとだけ変わって電気の流れやすさを自由に制御することができます。

そのため、半導体業界ではバンド構造は必須の知識だと思います。(当然、金属など固体全般で重要です)

バンド構造やバンドギャップは素材や固体中の原子の並び方(結晶構造)によって決まります。


ここでの説明はこれくらいにしておいて、わかりやすいサイトを紹介します

数式もなく非常にわかりやすく図解されています。


理系大学生ぐらいの知識があれば、この動画がわかりやすいと思います。


まとめ

・バンド構造がわかると、固体中の電子の状態がわかる
・バンド構造にはバンドギャップがあり、電子の存在できない領域がある
・電子の状態がわかると物質の性質がわかる(金属/半導体/絶縁体)

正確さとか全部捨て去って、わかりやすい表現にするとこんな感じですね。


最後に

久々にバンドについて考えましたが、記事を書きながら院試の口頭試問でバンドギャップの形成理由について聞かれたことを思い出しました。

本当は別記事の一項目として紹介するつもりでしたが、あまりにヘビーな内容なので、1つの記事として分けました。

そういうわけで、この記事は本編の導入というか補足のための紹介です。

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